スターバト・マーテル

著者 :
  • 光文社
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感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334926977

感想・レビュー・書評

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  • 期待はずれで残念。

  • 登場するのは、ペルミゴレージのスターバト・マーテル。
    心理状況の背景として。
    ちょっと周りを冷めた目で見ている小学生の男女、
    それぞれ違う人生を歩み、大人になって偶然出会い、事件へと突入。追い詰められた状況で最後は北海道、冬の中山峠、
    あ~、そんな風に締められるのか~、あり得るなぁ。
    もう一編は、マレーシアが舞台となる。

  • 趣をまったく異にする二つの中篇を収録。共通するのは、二作品とも女性の繊細とわがままを描いた辛口な物語であるところ。異なるのは、1作目はシリアス、2作目はコメディタッチなところ。

    表題作「スターバト・マーテル」は初期の乳癌を切除したばかりの女性が主人公。いつも優しく接してくれる夫や友達に、煩わしさを感じ始める。正しい励ましが、なぜか鬱陶しくなってくる。生と死を意識してしまった女性の微妙な心の変化が、丹念に書き込まれている。陰鬱だが、理解はできる。夫や女友達の前向きさが、静かに翳りを帯びていく主人公の心をかえって内に向かわせてしまう。このあたりの表現がとてもよかった。登場人物それぞれの職業や家庭での日常生活のあり方も、うまい設定だと思った。主人公に彼らの生き方の薄っぺらさを意識させるのは、こういう設定があってこそ。

    一方、2作目「エメラルド・アイランド」は笑いを誘うコミカル・ストーリー。1作目の口直しには最適だった。

  • 30年ぶりに
    中学の同級生と再会

    お互いそれぞれ
    かかわっていない間の
    人生があって

    そして今
    死とか孤独に向き合ってる
    タイミングでの再会

    静かな哀しさ感じる

  • 表題作は、中年不倫ものに、技術の軍事転用問題をからめてるところが篠田節子っぽいかなあ。しかし、めんどくさい人たち。
    併載の「エメラルド・アイランド」は、技巧的な緊急事態ものだが、スピーディでスカッとしたので、★1つ追加。問題のあるキャラたちが、こちらはそれぞれ共感できた。

  • スターバト・マーテルとは、26歳で夭逝したナポリ派の天才、ペルゴレージが死の間際に書き残した曲。「スターバト・マーテル」と「エメラルド アイランド」同じ作家の作品とは思えるような思えないような。少し期待はずれ。2010/5

  • 久々にスケールの大きいラブストーリーに圧倒されました。幸福な時間を共有する一瞬があればその先の人生はいらないなんて言われたら、その場で萌え死んでしまうわ。

  • 何も関わりを持つことがなくても、ただひとりの人の存在だけで生きてゆけることもある。
    あまり感情移入もせず読み進めていたつもりだったが
    後半の光洋のひとことにやられた。
    私なら、その瞬間に思う。
    「生きるのもいい。死ぬのもいい。この人となら。」
    しかし、主人公の彩子は・・やはり、ひっそりと冷めて毅然としていたが。。。

  • 静。生。閃光。

  • 自分だったら、どうするかなぁ・・・と密かに考えながら読み進めた。
    同意できる部分もあれば、うーんと思うこともあり。
    女だから理解できれば、できないこともあるかな~という感じ。
    嫌いじゃない。
    でも、ちょっと救いがない感じが、読んでいてつらい。

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著者プロフィール

篠田節子 (しのだ・せつこ)
1955年東京都生まれ。90年『絹の変容』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。97年『ゴサインタン‐神の座‐』で山本周五郎賞、『女たちのジハード』で直木賞、2009年『仮想儀礼』で柴田錬三郎賞、11年『スターバト・マーテル』で芸術選奨文部科学大臣賞、15年『インドクリスタル』で中央公論文芸賞、19年『鏡の背面』で吉川英治文学賞を受賞。ほかの著書に『夏の災厄』『弥勒』『田舎のポルシェ』『失われた岬』、エッセイ『介護のうしろから「がん」が来た!』など多数。20年紫綬褒章受章。

「2022年 『セカンドチャンス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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