リアル・シンデレラ

  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (413ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334927028

感想・レビュー・書評

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  • シンデレラも白雪姫も王子様にあっておしまい、で、確かにそれが人生の終わりかい!ってことだよね。でも小さいころだったらそれでいいかも。魔女に復讐したとかそういうの聞きたかったかな?何気に聞きたかったかも。
    そういう本は中学生にでもなったときに親が勧めればよい。

    何も気にしていないという風を装っていた泉は苦しんで苦しんで苦しんで自分の生き方を決めてた。
    妹の具合が良くなるように、は優しい姉の気持ちだろうが(それも、ずいぶん偉いと思う)。
    父親と母親と離れて暮らせますように、ってそれって、子どもが思ってしまうのは悲しいことでしょ?

    母親と妹は話したがらなかったのは自分に非があるってわかっていたからじゃないの。特に母親、最低。
    妹は別に姉を陥れようと思っていたわけじゃないし、自分にまっすぐ生きてきただけ。そして保身のためにいなくなった姉を自分の物差しでしか計れなかっただけ。あてつけとか、自分は小口さんとは結ばれないことを嘆いて死ぬなんてあり得ないんだから。妹は、自分のだんなが浮気してるから、そういう女がいるって言いたかっただけ。

    母親は、自分の不実で出来た子だってわかってるんでしょ。だから遠ざけたんでしょ。それをまるで自分は間違ってなかったかのように。あんたなんか、あんたなんか、って自分の非を娘に押しつけて、最低だ。

    肉親って恐ろしい。

    だけど、他の人は愛情を持って泉を見てたよね。結果的に深いところまで泉が受け入れなかっただけで、悪いことを言うひとはいなかったもの。

    最後の最後に自分の本当の気持ちを吐露して、いなくなっちゃうなんて。

    だけど、どこかで生きていてほしい。一見いわゆる周りの表現を借りれば、農業をやっているおばさんに見えても、実は美しくて(それは人間の中身が見えるからだと思う)、これ以上無いくらい心が澄んでいるまま。いや、もっと人に甘えてわがままを言えるような人になって生き続けていてほしい。いや、生きてるよ。
    馬車を持って、綺麗なままで。そうだね。泉でセンでもいいけれど、イズミって名前を変えていてもいいかも。

  • 泉さんは「金色様」に似ている

  • □ 15116.
    〈読破期間〉
    2015/8/6~2015/8/14

  • この方の書く主人公は大体、田舎の変わった娘が多いのか?昭和の犬もそうだったけど。
    でも前回読んだその「昭和の犬」よりは読みやすく読み進めやすかった。
    人間関係もなかなか人間らしくて闇と光がうまく描かれてた。

    最後の終わり方は腑に落ちないけど。
    でもこういうオチぐらいしか綺麗にまとめる方法無いよな~。

  • 誰もが知っている「シンデレラ」のお話。もちろん、そのほとんどはディズニーアニメだと思うけど。

     会社の企画で、この話の翻案を練っていた私は、「この人って、幸せ?」と思う。
     そして、それを社長に言うと、なぜか社長も同意して、私に、違う企画を命じる。
     それは、この会社を立ち上げるときに会計をしていた人のギリのお姉さんだという。

     名前は、倉橋泉。
     1950年4月29日、長野県生まれ。

     ということで、私の取材で、泉の物語が始まる。
     「むかしむかしあるところに、倉橋泉という娘が住んでいました…。」

     取材内容と、それを元にした小説が交互にでてきて、16章に分かれ、彼女の生まれからいなくなってしまうまでが書かれている。

     常に誤解されながら、飄々と生きているように見える泉の最後のいなくなる場面がどうしても泣けてしまう。

     「富み善き美しきお姫様の物語」と最初のほうであるが、とにかく、泉という女性が奇妙に魅力的でなことは確かである。

  • ラストで3つの願いが明かされるが泉の一生を考えると不憫すぎるような気がする

  • あ~~~凄い良かった
    感涙
    ギャップ
    あの訛り

  • 最後まで読み終えてゾッとした。
    私は冒頭の男と同感なのか分からない。

    心の底から魅力を感じるし、アイスクリームが嫌いかもって浮かぶのに、
    こんなゾッとする話し読んだことなかった。

  • 面白かった。切なかった。

  • 最後まで読みきらせる筆力はすごい。

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著者プロフィール

作家

「2016年 『純喫茶』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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