彼女のしあわせ

  • 光文社
3.70
  • (21)
  • (80)
  • (57)
  • (4)
  • (2)
本棚登録 : 392
感想 : 76
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334927080

作品紹介・あらすじ

女に生まれたことは、不幸だろうか。長女-独りで死ぬと決めてマンションを買った。次女-幼い娘を部屋に閉じ込めてブログを書く。三女-姉たちに話せない秘密を抱えて結婚した。母-姑の召使として生きてきた。女の幸せを問う、三姉妹と母親の物語。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 姉妹ってこんな感じなのかな。
    最後手紙で終わるとこが好きだった。

    本当に欲しいものは手に入らない。欲しいものを求めているばかりでは素通りしてしまったかもしれないこと。考えさせられたな。

  • 三姉妹とその母の抱える不安や悩み、生き方を模索し続ける様子がね、
    どうも自分の心の中を覗かれているかのようで…。
    少しきまり悪いです。

    朝比奈あすかさん
    こういった女性の心の奥底を、巧みに突いてきますよね~

    "完璧な幸福なんてどこにあるんだろう。
    欲しいものを求めているばかりでは、
    ここにある私のしあわせはこぼれていってしまう。"
    月子に宛てた凪子の手紙の一節にしみじみ。

    小さな幸せを見つけて、日々感謝しなくちゃなぁ…。

    不満だらけの自分を省みて、ひとりごちた秋の夜長であります。

  • 最後の月子ちゃんへの凪子の手紙。泣きそうになった。自分が長女だからか、征子の話がすごくよくわかった。自分の人生を誰かに預けるなんてすごくこわいこと、私にはきっとできない、て。そこまで強くはないけど、似たようなことを思う時はあるなあ。
    三姉妹と母親。母親との距離感がリアルで、なんだか切なくなった。

  • 女に生まれたことは、不幸だろうか。
    長女ー独りで死ぬと決めてマンションを買った
    次女ー幼い娘を部屋に閉じ込めてブログを書く。
    三女ー姉たちに話せない秘密を抱えて結婚した。
    母ー姑の召使として生きてきた。
    女の幸せを問う、三姉妹と母親の物語。

    誰かに人生を賭けるなんて、そんなことできっこないー長女
    母のような女にはなりたくないと、ずっと思っていたー次女
    完璧な幸福なんてどこにあるんだろうー三女
    結婚だけが正しい生き方ってわけじゃないわねー母

  • この本の感想とは違いますが、私はずっと「朝比奈あすか」さんと「朝倉かすみ」さんを混同していました…。

    朝比奈さんの「声を聴かせて」を読んで、他のも読んでみたい! と本屋に行き、名前をうろ覚えで来たせいで、朝倉さんの本を買って帰ったという……。

    お二人とも「朝」で始まり、お名前がひらがな表記、というところに惑わされてしまいました。

    でも、朝倉さんの本もおもしろかったので、お二方を知ることが出来て、結果オーライでした。

    さて、この本ですが、栗林家の母、そして三姉妹が各章ごとに主役になっていくという構成ですが、どの女性の話も、胸に痛かったなぁ。

    特に次女の月子と母親の佐喜子。

    月子は、対子供、佐喜子は対夫&姑のことで、「そうだよなぁ」と感慨深いところがありました。
    子供に対する発言とか、態度とか、ちょっとしたことでも気をつけようと思いました。

  • 「凪子の空」
    未だに残る傷跡は。
    全てを知ったうえで家族になったのに、負い目に感じることはあったとしても本人たちが気にしてないのに口出しすることではないだろう。

    「月子の青」
    リアルとネットは。
    充実した生活に憧れていたからこそ見栄を張ったブログを書いていたのだろうが、それが必要なぐらい追い詰められていたのではないのか。

    「征子の道」
    唯一独り身の長女。
    しっかりしているからこそ余計に頼りにしてしまうのだろうが、合鍵を渡しているとはいえ連絡もなく勝手に部屋にいるのは流石に嫌だろ。

    「佐喜子の家」
    理解出来ていない。
    何年も帰省しているのであれば、赤の他人である妻が休む暇もなく働いていることに対して少しでも違和感をもったことすらないだろうな。

    「征子の海」
    無理に飛び出した。
    あんな状態で体調不良を伝え休んでたとしても、何かあった時に気付いてもらえるまでの時間を思うと野外で倒れてよかったのではないか。

    「月子ちゃんへ」
    せっかく貰ったが。
    手紙を読んで一番に想うことは、何故そんなに大事なことを話してくれなかったのだという感情がぐちゃぐちゃになるようなことだろうな。

  • 女性って男性と違って結婚するしない 子供持つ持たないで人生全くちがうものになるなぁと改めて感じた
    何が幸せなのか 人それぞれだが
    みんなそれぞれの道で納得のいく人生を歩めればいいなぁ

  • たまりにたまった父への不満から家出をする母、一生独身で生きようと仕事に邁進する長女、子育てのストレスからネグレクトすれすれでブログ作成に没頭する次女、幸せな結婚をしたけれど子どもを産むことが難しい身体の三女。この家族ひとりひとりの物語。

    私はブログはやらないけれど、次女の気持ちが痛いほどよくわかる。みんな一見しあわせそうで、でも実はいろいろあって。事件のような大きなことは何も起こらず、何気ない毎日に起きる小さな出来事の話。夢中になるほど面白いわけではないんだけど、こういうの私はけっこう好き。

  • 女の幸せってなんだろう。

    専業主婦でも
    独身でも
    結婚して子供がいても
    夫婦2人で生きていく決心をしても

    幸せと感じることもあれば、なんで私がこんな目に…と思うこともあるんだろうな。正解はないし、みんな模索しながら生きていくのだろう。

    自分は長女だし、まだ結婚していないから征子さんに感情移入してしまいました。母からの相談や愚痴を聞いているのは父でもなく妹でもなく、いつも自分だなと。それが疲れてしまうことの方が多いのに拒めないのは不思議。

    まだ人生は長いから、毎日少しずつ楽しいことを見つけて生活していきたいな。

  • 三姉妹+母 それぞれの視点から書かれた話。
    特に何があるわけでもなく。
    最後にちょっと関係性や考え方がポジティブになって終わる。

全76件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1976年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。2000年、ノンフィクション『光さす故郷へ』を刊行。06年、群像新人文学賞受賞作を表題作とした『憂鬱なハスビーン』で小説家としてデビュー。その他の著書に『彼女のしあわせ』『憧れの女の子』『不自由な絆』『あの子が欲しい』『自画像』『少女は花の肌をむく』『人生のピース』『さよなら獣』『人間タワー』など多数。

「2021年 『君たちは今が世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

朝比奈あすかの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×