ココロ・ファインダ

著者 :
  • 光文社
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感想 : 67
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334928216

感想・レビュー・書評

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  • 物語のなかにカメラや写真が自然に溶け込んでいて、読んでいて気持ちよい。写真を撮る人を登場人物にするのはけっこう難しいようで、あまりいい作品に巡り会ったことがない。満足したのはマンガの『ニナライカ』ぐらいかなあ。

  • 今まで読んだ相沢さんの作品で、謎が解かれて、安堵して、解決したーという感じがしたのってこれが初めてな気がする。厳密には、雲行きの怪しいものもあるけれど、少なくともそれぞれの中では、前へ進める解決がなされている感じ。ほっとした。
    写真は、こだわって撮らないから、中の用語は色々わかんないものばかりだったけど、楽しく読めた。高校で写真部あったらこんな感じなのかなぁ。それぞれの悩み(?)も高校生くらいまでのもので、うん、これは青春小説という感じがした。甘酸っぱい。恋愛要素はあるけど、主軸じゃないから、進展しているものはない。たぶん。
    読み始めたときには、ミラが中心なのかなぁと思ったけれど、四人の視点の各章を読むと中心はシズなのかな。不思議な感じ。

  • 2012/05/03読了

  • 【高校の写真部を舞台に、それぞれの悩みやコンプレックスを抱えた女子高生たちが、カメラや写真にまつわる事件に遭遇する。彼女たちが覗くファインダーには、ココロの揺らめきと不可解な謎が映し出される新たなる青春ミステリー小説。

  • 女子高校生、むずかしー。
    いろいろ考えてるんだけど、
    うまく表現できなくて、
    でも、誰かに受け止めてほしい。

    親が悪いわけではない。

    でも、友達にしか救えないことって、
    この年代の時にはあるよなあ。

  • 「コンプレックス・フィルター」
    写っていなかったものは。
    確かに少し加工をしただけで欠点は消えて可愛さや美しさだけが残るかもしれないが。その人らしさというのは無くなってしまうのではないだろうか。

    「ピンボール・キャッチ」
    居心地のいい場所を探し。
    なんとなく入ったグループが自分に合わなくとも、居てもいなくても変わらないはずなのに抜けられないのは彼女自身はそこが居場所だと思っているからではないだろうか。

    「ツインレンズ・パララックス」
    鏡の中に写っているのは。
    自分がした事を覚えていないからこそ簡単にそんな事を言えるのだろうが、彼女からしたら再び目の前に現れその様な言葉を言われるだけで吐き気がしただろうな。

    「ペンタプリズム・コントラスト」
    完璧以外の失敗は許されない。
    始まりは些細な事だったのかも知れないが、そこまでする必要性や自ら言い回っている訳でもないのに勘違いしてる等の発言に関しては意味が分からないな。

  • 高校の写真部を舞台に、コンプレックスを抱える4人の女子高生(容姿に自信が持てないミラ、人気者のカオリ、「わたし」というしがらみに悩む秋穂、誰とも交わろうとしないシズ)の連作短編集。

    『午前零時のサンドリヨン』や『ロートケプシェン、こっちにおいで』でも思ったことだけど、なんでこんなに女性心理がわかるのかと思っちゃいました!
    それぞれが抱えるコンプレックスに共感しちゃいます。
    ミラのコンプレックスもわかるけど、一番共感したのは秋穂のコンプレックスかな・・・今でも悩まされてます(+o+)
    ミステリーの要素もあるけどほとんど青春小説だと思うので、カテゴリは青春小説にしました。
    以前読んだ作品では文章苦手かも・・・って思ったけど、この作品はとっても読みやすかった。
    ただ単に、慣れただけかもしれないけど(^_^;)
    写真に関する描写も読みやすいというかわかりやすかった。

  • 読みやすかった。青春小説。それぞれ悩みを持っていて、葛藤がある。

  • カバー写真/大村祐里子
    装幀/岩瀬聡

  • 写真部の4人の女子高生達の連作短編集。4人とも友達の事を思いやれる優しい子達だなぁと思いました。私も<ツインレンズ・パララックス>でカオリが言ったように「どんなに惨めなことがあっても、どんなにつらいことがあっても、それが自分の歩んできた道なんだって、胸を張って言えるように。これから出逢う人たちに、これがあたしなんだって、伝えられるように」なりたいと思う。

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著者プロフィール

1983年埼玉県生まれ。2009年『午前零時のサンドリヨン』で第19回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。繊細な筆致で、登場人物たちの心情を描き、ミステリ、青春小説、ライトノベルなど、ジャンルをまたいだ活躍を見せている。『小説の神様』(講談社タイガ)は、読書家たちの心を震わせる青春小説として絶大な支持を受け、実写映画化された。本作で第20回本格ミステリ大賞受賞、「このミステリーがすごい!」2020年版国内編第1位、「本格ミステリ・ベスト10」2020年版国内ランキング第1位、「2019年ベストブック」(Apple Books)2019ベストミステリー、2019年「SRの会ミステリーベスト10」第1位、の5冠を獲得。さらに2020年本屋大賞ノミネート、第41回吉川英治文学新人賞候補となった。本作の続編となる『invert 城塚翡翠倒叙集』(講談社)も発売中。

「2022年 『medium 霊媒探偵城塚翡翠(1)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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