代書屋ミクラ

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334929015

感想・レビュー・書評

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  • 大学を卒業して「代書屋」を始めたミクラ。
    論文をノルマ化した「出すか出されるか法」に対応するため、大学の研究者の論文を代わりにまとめる「代書屋」。
    なんとか仕事をこなすミクラだが、先輩のトキトーから紹介される依頼者はクセの強い面々で。

    トラさんのように惚れっぽいミクラがふらーっとなる女性たちと、ミクラに課せられる難問のような代書依頼。
    花屋のレニエさんと「研究者の結婚と生産性について」
    理容室のアルマさんと「ハゲ遺伝子について」
    あんぱんの無人販売のラパンさんと「無人販売と良心の研究」
    幼なじみのイッチャンと「世界の結婚観」
    喫茶店のメリメさんと「目標は書き出すと実現するか」
    全体的に結婚観が巻き付いてくる。ミクラの恋愛至上主義的な発想に共感ができないので、またかよーって気持ちに。
    ミクラの成長物語なのか、成長したのかなー。
    最後までひたすらに切ない。裏切られた感がすごい。
    やっぱり経済力なのか、きめては。

  • 面白いような気がするのにページがすすまない。なんでだろう。

  • 青春小説
    連作短編集

    「代書屋」(本書では論文代筆業)をはじめた、主人公 ミクラ(男性)視点で綴られる成長物語

    仕事も恋愛も四苦八苦、だが先輩の紹介でクセのある研究者の依頼を受けるうち、徐々に代書屋の楽しさに気がついて行く…

    いつも後手に回る恋愛を応援したくなる作品

  • 2020.7.4(市立図書館) →2020.7.31文庫本購入
    『あがり』に収録されていた「代書屋ミクラの幸運」のミクラを主人公として駆け出しの1年余を描いた「超現実的な彼女」「かけだしどうし」「裸の経済学者」「ぼくのおじさん」「さいごの課題」の5篇からなる作品。研究者にとってたいへんな悪法「出すか出されるか法」のために代書屋という仕事が存在するパラレルワールドでいかにもありそうで実在はしない架空の研究論文を仕上げるミクラの日常と成長と不遇(始まる前に終わる恋)。パターン化した展開はだいたい読めちゃうけれど、そこがいい。
    大学の街は仙台、ふるさとは千葉あたりという設定だろうか、南方熊楠をおもわせる人物も…カバーと挿絵、章ごとのアイコン、人物名以外にはカタカナ語を排した独特の文体…とあれやこれやが私好みの本。「SF」といわれて「そうだったっけ?」と思ってしまうほどとっつきやすい(しかし研究活動や論文に興味がないひとにとっては退屈かも?)。「ホラー」(←著者公式サイトのインタビューでそう語られていた)といわれるとますます「そうだっけ?」と思ってしまうけれど、全体の展開を思い返してみると、「ミクラの人生って…」とたしかにちょっとこわくなるかもしれない…。
    ともあれ、続きがもっと読みたくなる。読みたいなぁ!

  • 出すか出されるか法によって劇的に論文をいくつも書かなくてはいけなくなった大学業界で、駆け出しの代書屋をするミクラ。

    2作目のすごろく巡礼を先に読んだんだけど、1作目は代書屋の仕事内容とミクラの恋模様がメイン。恋というか惚れっぽい超草食系といった感じで、脳内で恋して失恋するってパターンで実際はあまり行動してないっていう。
    変なところを平仮名で書いてあったり、話の展開も盛り上がりがないというか、ちょっと読み進め辛かったかな。★2~3。

  •  若手の研究者から、ここにも新しい書き手。
     小説界には良いかもしれないが。
     研究者が、思う存分に、活躍することすら、できないとなると。

  • ジャケ借り。
    読むのにエライ時間がかかりました。連作短編五編。三編辺りからはもはや義務感しかなく。
    脇役や街の雰囲気など設定自体は面白く興味をひかれるのですが、主人公にはまったく共感も感情移入もできませんでした。アカラ様。

    以前読んだ、森見登美彦氏「夜は短し恋せよ乙女」と、感触が似ています。
    据わりが悪いというか居心地が悪い感じで落ち着かない。わたしには合わないということなんだろうな。文章のところどころで「そこをひらがなにしちゃう?」という表現が見受けられ、それがいちいちひっかかってリズムが悪くなるのも一因か。

  • ごめんなさい、私には合わなかった。途中でギブしました。短編の連作な感じなのに、読み進むのが大変な感じ。ラノベのような、ちょっと私は苦手な雰囲気。オリジナルの土地と世界で、最初は興味深かったのですが、ノリが合わなかったです。

  • 主人公は心の拠り所みたいなのがあるから幸せというか、メンタルが壊れたりはしなそう。ふわっとしてるけど訥々と生きていけそう。わりと好きなお話。

  • その時その時でミクラ自身は本気で恋してるのだろうけど、惚れっぽいミクラが面白い。「かけだしどうし」では深刻にハゲの話をしていて、笑いそうになったけど、話が進めば進むほどハゲが進行する恐怖が伝わってきて笑っては悪い気がした。途中まで、トキトーさんがミステリアスな雰囲気を醸し出していたけれど、最後の方では人間らしさも見れて良かった。それにしても、出すか出される法が実際にあったら、新しい発見が生まれなくなりそう。

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著者プロフィール

1972年茨城県生まれ。東北大学理学部卒。2010年に「あがり」で第1回創元SF短編賞を受賞。著作に同作を収録したSF連作集『あがり』のほか、『架空論文投稿計画』『5まで数える』『イヴの末裔たちの明日』などがある。

「2022年 『シュレーディンガーの少女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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