ミーコの宝箱

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334929022

感想・レビュー・書評

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  • 毎日小さな幸せを見つけるために目はあるの。
    一生、ありがとうの手にしなさい。
    自分と他人を比較しない。
    人間の心ってね、傷つけたくても傷つかないように出来ているんだよ。

    過ぎるほどに厳しかったとはいえ、お爺ちゃんとお婆ちゃんの愛情を一身に受けて育ったミーコが、死に目にすら会えなくなるほどの絶縁状態だった事が唯一腑に落ちないが、、、
    毎日小さな幸せを見つけることを心がけるだけで、
    日々はかなり違ったものになっていくのかも。
    あごを上げて前を向いて歩いて行けると確信したくなるステキな本でした。

  • 「小さな幸せを見付けて集めて、大きな幸せにするの。」私が弱い自分に言い聞かせるように、心の中でよく唱えている言葉です。だからこそ、『1日1個、小さな宝物を見つけなさい。』作中のこの言葉が私の胸にとても響き共感を呼びました。
    子供の頃辛かったこと、心配かけまいと黙っていたこと。それでもちゃんと見ていてくれた人はいて、普通じゃなくとも、厳しくとも、とても愛されていたという事実に温かな涙が溢れます。伝わっていたからこそ、大人になった私も誰かを愛し守ることが出来る。小さくて傷だらけでボロボロだった手が、今では誰かの心を温める為に必要なのだといつからか気付きました。だから私は、この手が皺だらけになっても、愛しい人を撫で包み込んであげたいのです。
    さみしいという感情に初めて包まれ泣いたのはいくつの時だったでしょう。私は愛されていない、と泣き続けた夜をよく覚えています。きっと、誰にでもあることなのかもしれません。重要なのは、その気持ちを大人になっても覚えていられるか、この子達にはそんな涙は流させない、と想う決意ではないでしょうか。
    『ありがとね、生きていてくれて』。
    涙がとめどなく溢れ、止まらなかった。私もあの頃そう言われていたら…
    でも気付きました。今現在、私にはそう伝えてくれる人がいることに。私の何よりの、宝物。
    読了後、暫く温かな涙で幸福感でいっぱいになりました。大切な人に、読んで欲しい作品です。

  • とろけそうな暑さじゃな。

    ってな事で、森沢明夫の『ミーコの宝箱』

    装丁と読み始めのエロっぽさが動機で借りたけど、なんのなんのw

    めちゃめちゃええ話じゃないのw

    幼い頃に両親に捨てられたミーコは家具職人の優しい祖父と、虐待レベル?って程の厳しい躾をする祖母の二人に育てられる。

    ミーコに係わるそれぞれの人々の病んだ心情を洗ってくれるミーコ。

    そんなミーコに育てた祖父母はええ言葉を遺すんよなぁ。 ⁡
    ⁡⁡
    ⁡『目は何の為にあるのか』 ☞ 『毎日、小さな宝ものを見つけるために、目はあるの』 ⁡
    ⁡⁡
    ⁡『人はなぜ生まれてきたのか』 ☞ 『ありがとうって言われるためにね。 この手をありがとうの手にしなさい』

    そしてミーコの産んだ子供は幸子でチーコ。

    ミーコがチーコに注ぐ愛情がハンパ無いw

    ウルッと優しく成れる本じゃったな♪

    これ読んで子育てすれば良かった(笑)

    2015年41冊目

  • ありがとうの手。
    小さな宝物を見つけるための目。

  • ミーコの人生は困難だらけだったけれど、周りに与えた幸せと、やさしさあふれる最終章にとても感動した。手鏡のついた宝箱は、持ち主が幸せを感じる「宝物」を入れるためだけではなく、「鏡に映る持ち主が宝箱の一番上にくる大切なもの」という仕組みになっている、送った人の愛がこめられているものであったのも、すごく素敵だった。

  • 誰にだってどうしようもない黒いものが心にある。この物語に登場するすべてがそれを抱えて苦しんでいる。それを昇華させるなは毎日の宝物の積み重ねであり、同様に悶え苦しむミーコのその姿勢ややさしい手に救われて登場人物は昇華する。最後にミーコ自身も宝物であるチーコによって昇華し、読者もまた昇華する。素晴らしい心に残る作品でした。

  • 祖父母の話、最終話は涙なくしては読めませんでした。
    無償の愛をひたひたと感じる作品でした。

  • 親の子を思う気持ちにグッとくる。
    親孝行したくなった。

  • 最初から最後まで、鼻の奥がツゥーーーンって痛かった(涙でね)最後に一緒になって欲しい人と寄り添ってくれた終わり方で良かった❤祖父の優しい人柄と祖母の厳しいけど、最後に知った愛溢れる人柄。そんな2人と離れてしまったミーコ・・・切なすぎるよ。ミーコの強さと純粋さで前に踏み出した人達と同じくらいにミーコにも幸せになって欲しかったから良かった!SM嬢から始まる話しで、どう着地するか??不安ながら読んだけど・・・そこは森沢さん!やっぱり泣かせます。

  • 次の予約本が届くまでのつなぎに本棚ぶらっと眺めて借りた本。
    宝物のような本でした!
    掛け値なしの心温まるストーリー。
    ついつい口元が綻んでしまう、そしてハッピーエンド。出だしから、構成も何もかもが素直で優しい。
    宣伝も口コミもなく手にした本にこそこういう「当たり本」に出合えるのかな

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著者プロフィール

1969年千葉県生まれ、早稲田大学卒業。2007年『海を抱いたビー玉』で小説家デビュー。『虹の岬の喫茶店』『夏美のホタル』『癒し屋キリコの約束』『きらきら眼鏡』『大事なことほど小声でささやく』等、映像化された作品多数。他の著書に『ヒカルの卵』『エミリの小さな包丁』『おいしくて泣くとき』『ぷくぷく』『本が紡いだ五つの奇跡』等がある。

「2023年 『ロールキャベツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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