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- Amazon.co.jp ・本 (174ページ)
- / ISBN・EAN: 9784335750014
感想・レビュー・書評
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本書はノーベル賞学者による入門書とあるが、朝永先生が原子や原子核から素粒子に至る、微小なスケールのものの振る舞いをわかりやすく述べたものである。それまでの常識とは異なった世界について、その違いが実感できる一冊だった。
特に3章の「光子の裁判」は、朝永先生の夢の中の話だが、量子力学の不思議さを楽しく、わかりやすく説明していると思う。
量子力学もまだ若い時代であり、湯川先生が中間子を提唱して間もない頃の話であるため、文章や用語について少し古めかしい印象を受けるが、全体の話としてはわかりやすい入門書だと感じた。現在では「ウェーヴィクル」なんて言葉は聞いたことがないので、結局定着しなかったのだろう。
また、中間子の発見が湯川理論提唱の2〜3年後となっているが、これはミュー粒子のことだろう。実際は12年後だと思うが...。書かれた年が1947年とかなので、ちょうどπ中間子が見つかった頃だろうか。
古い記述もあるが、最後は先生自身が考えたくりこみに関する話も出てくるので、量子力学の入り口を覗くには非常に面白い入門書だと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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