- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784336057761
作品紹介・あらすじ
連合国軍占領下の日本(1945年9月2日~1952年4月28日のサンフランシスコ講和条約発効まで)で巡り会ったアメリカ軍将校と日本人女性の薄幸な結婚を描く。主人公は周囲の反対を押し切って結婚し渡米したが、アメリカでは白人と非白人との結婚を認めない法律が厳然としてあり、社会の偏見も強く、夫の両親、とくに母親に拒絶される。二人は周囲に受け入れられないまま愛は破局へと突き進む。主人公はかつて父親がアメリカの偏見に打ち負かされたと同じ経験を味わう。主人公はいわゆる混血児を身ごもるが、夫には妊娠を隠し続け、黙って家を出て密かに子どもを出産。子どもの優れた素質を見抜いたドイツ人女医はその子を引き取るのだった。
感想・レビュー・書評
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読む前の予備知識で本作が実話じゃないと知り、ちょっと落胆~装丁にあるアメリカ人大佐と「超」日本的女性をイメージして読むと至悦だったのに。
幾度となくヒロイン 如水の美貌と身なりの素晴らしさ、アレンの若き白人男性の美貌が描写されていて、イメージが膨らまない方がおかしいでしょう・・マ、アレンの元婚約者 白人女性の美貌も書かれてはいるけれど。
執筆刊行が吉田茂のミズーリ―号上での講和条約締結・・100年前ではないけれど、社会のうねりは日米双方であったんだなぁとは実感。
歴史が進むように、ひとの心もうねり、習慣倫理そして法律も変えられて行く。
でも水面下では未だ厳然とある人種間差別。白人と黄色より白人黒人間はかなりハードだと思えるが。
登場場面が颯爽としていただけに アメリカに戻ってのアレンの失速はがっかりより、笑え、あたかも嘲笑のそしりはまぬかれまい・・シンシアに手のひらを返されるのも相当だw
違和感を感じた場面・・松井登が父親を語る表記~松井さん・・変な感覚。
それと生まれる前から「その子」に名前を付けてていた如水。一度だけ会いに行くが、対応する独逸人女医と里親になる夫人が人工物のようなそぶり、行動なのが?
パール・バックの目から見る状況はこう映ったのか。。。。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本も日本人を取り巻く環境も大きく変化したのだなあとしみじみ思う。外国人から見た日本人像を研究するにはよい題材かもしれない。カギカッコの位置が微妙で誰の台詞か瞬時に判別できない箇所が時々ある。
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ノーベル文学賞作家パール・バックの日本未刊小説。アメリカ人将校との愛に生きた日本女性の数奇な運命。愛、偏見、差別、心にうごめく欲望や葛藤、人物描写。時代が変わっても普遍のテーマが魂を揺さぶる。バックの日本観。
連合国軍占領下の日本(1945年9月2日~1952年4月28日のサンフランシスコ講和条約発効まで)で巡り会ったアメリカ軍将校と日本人女性がめぐり逢う。主人公は周囲の反対を押し切って結婚し渡米したが、アメリカでは白人と非白人との結婚を認めない法律が厳然としてあり、社会の偏見も強く、夫の両親、とくに母親に拒絶される。二人は周囲に受け入れられないまま愛は破局へと突き進む。主人公はかつて父親がアメリカの偏見に打ち負かされたと同じ経験を味わう。主人公はいわゆる混血児を身ごもるが、夫には妊娠を隠し続け、黙って家を出る・・・・・・。 -
面白かった。
実話しゃないと、読み終わってから知った。
最後はご都合主義だった。
アレンが如水とシンシアに振られてざまーみろ。