台湾語で歌え日本の歌

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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784336064585

作品紹介・あらすじ

北京語に依らない“台湾語”文学の本邦初紹介!

古くからの習俗が残る田園に、因習にしばられながらも
永々たる時の流れに生きる明朗なる人々。
歌え、彼らの口唇には歌を!
少年時代の幸福な記憶と都会の外省人との軋轢、
ときに二二八事件等政治的モチーフが絡みあう。
台湾語文学の旗手による傑作群。

都会のエリート校で外省人にコンプレックスを抱く中学生が、同じ台湾語を話す女教師に憧れる悲恋……(「青春謡」)。
無学ながらも誰よりも敬虔なキリスト教徒のイエス栄さん、みんなが結婚させようと奔走して……(「イエス栄さんの結婚」)。
民衆蜂起の二二八事件、同じ日田舎で起こったのは鶏料理の諍い。それが妙な誤解から、政治的裁判に巻き込まれて……(「二二八事件」)。
小説21篇、詩4篇、戯曲3篇による個人選集。

他民族、他言語の台湾において、7割の母語人口を誇りながら、いち方言として扱われてきた「台湾語」。台湾の公用語は「北京語」であり、国民党政権下では抑圧の対象にあった。1980年代の台湾ナショナリズムの高まりとともに、「台湾語文学」も胎動をはじめる。「台湾」が象徴するものは、新しく、開放的で、躍動的な海洋文化であり、「中国」が象徴するものは、古く、封建的で、硬直化した大陸文化とされた。1990年代に入るとその動きは活発になり、台湾語詩社、台湾語雑誌、台湾語文壇が生まれる。
民衆の物語、口伝の農民の、市井の文学的志向をもっていた。誕生して30年ほどたらずながらも、自分たちの文学として現在進行形で文学の深みを広げつつある。

感想・レビュー・書評

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  • 台湾語というものは、中国語とも少し違うらしい。

    生まれも育ちも生粋の台湾っ子。
    作者が綴るエッセイは、本物の台湾に触れられる。

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著者プロフィール

Tan Beng-jin、タン・ビンジン
台湾語詩人・作家、台湾独立運動家。ペンネームにBabuja A. Sidaia、Asia Jilimpo、懐沙など。1954年台湾中部彰化県二林鎮原斗竹囲仔生まれ。中国文化大学中国文学科卒業、同大学哲学修士。1985年より台湾語による創作を開始。1990年詩作団体「笠詩社」に参加、1991年初めての台湾語詩作団体「蕃薯詩社」結成。1996年台湾語雑誌『台文BONG報』創刊、編集長。2009年台文筆会(台湾語ペンクラブ)創立、理事長。2013年台湾語雑誌『台湾文芸咱的冊』創刊、編集長。主な著書に、詩集『走找流浪的台湾(流浪の台湾を探し求めて)』『流浪記事(流浪の記録)』『陳明仁台語歌詩』、小説集『A-chhun(アーツン)』『抛荒的故事(荒れ果てた村の物語)』等。

「2019年 『台湾語で歌え日本の歌』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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