高原英理恐怖譚集成

著者 :
  • 国書刊行会
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  • Amazon.co.jp ・本 (463ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784336072238

作品紹介・あらすじ

幻想文学新人賞(選者=澁澤龍彦・中井英夫)と群像新人文学賞の鬼才、高原英理の怪奇恐怖小説を集大成。都市幻想を描く「町の底」、ゾンビの愛の物語「グレー・グレー」など、伝説的なホラー小説集『抒情的恐怖群』の全7編に、「 闇の司」「 水漬く屍、草生す屍」「かごめ魍魎」など5編を増補。「ホラーの古典的素材を昇華させ、巧緻な語りの技術で幻惑的な幻想小説に仕上げた」と絶賛された中短編小説。
京極夏彦氏推薦!「幻想を言葉にするのではない、言葉が幻想なのだ。戦慄を飼いならした小説ではない、小説が戦慄せしめるのである。高原英理の紡ぐ殺ぎ落とされた幻想と幻想の行間に、我々は己の儚さを知り、ただ戦慄するのである。」


【目次】
   Ⅰ
町の底
呪い田
帰省録
緋の間
    Ⅱ
樹下譚
グレー・グレー
影女抄
   Ⅲ 
 闇の司
   Ⅳ
 水漬く屍、草生す屍
かごめ魍魎
よくない道
日の暮れ語り

  後 記

感想・レビュー・書評

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  • 理不尽な展開と怖さ。
    エログロというにはあまりにもグロが勝っている。メンタルが落ちているときにはきついかも。

  • 武蔵野大学図書館OPACへ⇒https://opac.musashino-u.ac.jp/detail?bbid=1000260091

  • 得体の知れない恐怖感が詰まってる一冊。
    グロい表現が多いですが、殺され方とか想像すると恐ろしすぎて怖い。
    『 闇の司』と『水漬く屍、草生す』が個人的には好きでした。怖いけど。

  • 「日々のきのこ」がとても良かったので。
    かなりおぞましい内容だったので、おぞましいものが読みたい時に良いと思う。地の文が独特で良い。

  • すごくよかったです。土俗的な不気味な雰囲気の話からグロテスクで猟奇的な作品まで、幻想も怪奇も網羅した独自のホラー世界を構築しており、確かに恐怖譚だなあと腑に落ちる。
    『呪い田』傑作。町の中の誰かが誰かを呪ったという怖い噂。立て続けに起こる不幸。淡々と語られる得体の知れない恐怖。法則と原因を読み解こうとする語り手の語りの不気味さ。結末はベタだが好き。泥田坊という妖怪をこのように表現するとは。怖い。
    『帰省録』妻子とは別行動で、久しぶりに実家に帰る私には、どうしても確認したい子供の頃の記憶に残る場所があった。石段を登った上にある平場「ゆぐみ場」はなんとなく皆から忌まれる場所であったが、そこだ起こった不気味な出来事を思い出すうちに、記憶が現在をも侵食してくる。
    『緋の間』高額バイトで屋敷の留守役をすることになったが何かおかしい。美しい使用人がおり、いたせり尽せりだが、屋敷からは一切出られない。その理由に気づく頃には取り返しのつかないことになっている。グロテスクで美しく生々しい怪異譚。
    『樹下譚』不思議な噂の多い町で、タクシードライバーの子供の頃の体験を聞いた私は、その後、彼の死の顛末や記憶の不整合まで知ることになる。彼の心に焼き付く座敷牢の美少女の思い出は耽美的で幻想的。優しく物哀しい、一種の異類婚姻譚。
    『かごめ魍魎』こええ。これは別なところでも読んだことあるけど、いい話かと思ったら、最後にほんと怖い。
    『グレー・グレー』死者がなかなか死に切らない世の中になってしまった。生前の記憶を保持するゾンビです。亡くなった彼女の腐敗を防ぎ、世話をして、たまに会話や散歩をする主人公。それでも死者は段々と劣化して消滅に近づいていく。死者と生者の淡い交流。

  • 図書館のお世話になったが、未読の所蔵本に読めるものあった。嬉しい。

  • 素晴らしい本。

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著者プロフィール

高原英理(たかはら・えいり):1959年生。小説家・文芸評論家。立教大学文学部卒業、東京工業大学大学院社会理工学研究科博士後期課程修了。博士(学術)。85年、第1回幻想文学新人賞を受賞。96年、第39回群像新人文学賞評論部門優秀作を受賞。編纂書に『リテラリーゴシック・イン・ジャパン 文学的ゴシック作品選』『ファイン/ キュート 素敵かわいい作品選』、著書に『 ゴシックスピリット』『少女領域』『高原英理恐怖譚集成』『エイリア綺譚集』『観念結晶大系』『日々のきのこ』ほか多数。

「2022年 『ゴシックハート』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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