- Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
- / ISBN・EAN: 9784340120024
作品紹介・あらすじ
がんには、治療しても治らない本物のがんと、放置しても転移しない「がんもどき」がある。
臨床データから明らかなこの事実が、広く知られていないのはなぜか?
また、「有効」というデータが存在しないにも関わらず、日本で「がん検診」「抗がん剤治療」が強力に推進されるのはなぜか?
「医療現場からの情報公開」を推進し、独り闘い続ける医師が、がんとの正しい付き合い方を論じる。
感想・レビュー・書評
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ガンと診断されたら必読だ。
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癌かな?といわれて検査してみたら、それなりのものが写っていた。でも半年後には、写っていなかった。
消えていたのだ。
これって、「がんもどき」ってことなのか? -
「がんもどき理論」などが有名で、多くの医療界の常識やタブーに挑戦してきた近藤先生も2004年発行の「がん治療総決算」で、すべてのことをまとめたつもりだったが、書き残したことを書こうとしてまとめた(あとがきより 要約)のが本書らしい。
内容は多くの本で1冊かけて説明したことを1章で説明していることもあり、ダイジェスト版の最新刊という位置づけだろうか。巻末にも自著紹介という形で、それぞれの章ごとに興味をもった人が読み進められるような案内も載っている。
がん幹細胞が見つかるなどがん治療も研究が進んでいるが、自分は医療には門外漢だが、近藤先生の意見は当たらずとも外れずともいえず、少なくても傾聴に値するような気がする。9章の抗がん剤については、最近の著書の免疫療法の本につながる意見や重複するデータが載っており興味深かった。参考のために目次を載せておく。
1章 がんもどき理論 専門家はなぜ沈黙するのか
2章 がんの正体 あいまいな診断基準と誤診の実態
3章 がん集団検診 健康人を虜にするビジネス
4章 無治療という選択 放置観察データから見えてくるもの
5章 がん検診のデメリット 無視できないCTと生検のリスク
6章 がん手術 誤解と錯覚と拡大化の歴史
7章 転移と再発 犯人は遺伝子プログラムが生成するタンパク
8章 臓器転移と局所再発 そのとき患者は何を選択すべきか
9章 抗がん剤 「効かない薬」が「魔法の薬」に化ける舞台裏
10章 がんとの共生 思考の節約と心身の解放のために -
この本は癌と診断されたら、医者の言うことを聞いて手術する前に、じっくりと読むべき本である。
著者(慶應の医師)の主張はこうだ。
癌には「本物の癌」と「がんもどき」がある。がんもどきは放置しても臓器移転が生じない。
従って、どこかに臓器転移や腹膜転移が存在している場合、原発病巣を摘出(例えば胃全摘)してもいずれ転移病巣として出現する。転移が出現すればいずれ亡くなる。その場合、手術を受けることは損。
どこにも転移がないのなら今後も転移することはない(だろう)。胃全摘をすると、QOLは悪くなるし、合併症・後遺症は甚大。そのことで(癌が直接の原因でなくて)死ぬこともある。
結論として、全ての癌早期健診は無駄であり、無益。癌によってその臓器が機能不全に陥るところまで待って(差し迫ってから)対策を考えても、結果として(早期に「癌」を発見して手術するよりも)長生き(少なくとも寿命を全う)できるし、それまで長い間正常な社会生活を送れる。
このことは世界的にも比較事例(くじ引き試験)で証明されている。日本でこの「仮説」が支持されないのは、原子力ムラと同様、外科医ムラ、健診事業ムラ、抗がん剤ムラなどの利権構造があるためである、と著者は主張している。さもありなんと思う。 -
ガンに対する考え方が 固まった。
検診を受けたくないなと思ってたが、やはり 受けなくていいのだと納得させて貰った。 -
抗がん剤の承認根拠になったエビデンス研究の問題点指摘
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目からウロコ。でも、ちょっと不安。