- Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344002852
作品紹介・あらすじ
三十年前、松子二十四歳。教職を追われ、故郷から失踪した夏。その時から最期まで転落し続けた彼女が求めたものとは?一人の女性の生涯を通して炙り出される愛と人生の光と影。気鋭作家が書き下ろす、感動ミステリ巨編。
感想・レビュー・書評
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タイトルだけしか知らなかった作品をやっと読んだ。読む前は、なんだか任侠道に生きた女傑の話なのかと勘違いしていたけどまったく違い、ひたすら真の愛を探し続けたけれども しかし哀れで悲しい愚かな道を歩んでしまった可哀想な女「松子」の話だった。ちょっとタイトルが一人歩きした感がある作品だけど、福岡県人としたら馴染み深い地域や界隈や言葉がいっぱいあり親近感が持ててウンウンと頷きながら読了。
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ダメな男としか付き合えない女とはよく聞く。そんな女の人生を描写した作品。
真面目な中学教師から転落に転落を続け、気付けば、風俗譲、更にダメ男に誘われて雄琴にうつり、ジャブを覚え、ロクデナシを殺してしまう。
こうも落ちるものかと、更に落ちる早さはとても早いと教えてくれる。
松子の人生は、選ぶ道はいつもイバラの道ばかりで、悪い方へ進んでしまった。
たられば論になるが、龍くんが盗らなければ、哲也が自殺しなければ、赤城さんを選んでいれば、小野寺についていかなければ、龍くんと再び出会わなければ、出所の龍くんが逃げなければ、松子の人生は、全く変わっていたはず。
松子自身は、ただ、ただ、真面目なだけなのに、こうも裏目に出ると、哀れの一言。
結局、ダメな男に惚れる女は、幸せになれないと痛感させられる話だった。
話的にはテンポよく進み、だれることなく読めた作品で、松子とともに、もう一人の主人公の笙の精神的成長を感じた作品。 -
人生を一生懸命に生きた松子。
何事にもストレートに。
きっと、幸せな道を歩めたであろう事からも反れて、
自分の思った通りに生きた松子。
あなたの人生に圧倒されました。
波乱万丈だったけど、最後は寂しすぎる。
自分の人生って、自分しかキチンとわからないけど、
死んでから、ちゃんと知ってもらえた事で、松子の人生は報われたのかな。 -
平成十三年七月十日、東京都足立区のアパートで女性の死体が発見された。名を川尻松子という。
その数日後、笙の元を父親が訪ねてくる。松子の部屋を引き払ってくれとのこと。意味がわからない。なぜ、他人同然の伯母の後始末までしなければならないのだ。渋りながらも彼女のアスカと片付けをしに行く笙だが、何故、松子が殺されたのかを追うようになる。次第に明らかになる松子の一生とは。 -
やりきれません。しかし面白かった。
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あまりにも激動の人生。
確かに一つ道を踏み外して、坂道をごろごろと
転がり落ちる人もいるだろう。でもここまでなんて・・・。
これが松子の語りだけで書かれていたら重過ぎて
とても読んでいられないけど、昭和時代の松子の語りと
平成を生きる甥っ子の笙の語りと入れ替わりで
書いてあったからなんとか読めた。
松子の一生は、自業自得という部分もあるけれど
もう少し気を抜ける性格だったら、
人を信じすぎてあまりにも一途に突き進まなければ
どこかで修正出来たのかもしれないのになぁ。
面白かったから星5つあげたいけど、松子の一生が
無念すぎたので1つ減らして星4つ。
色んな意味で、読み返す事は絶対にないだろう。
映画のホームページを見たら悲劇が度を越すと
喜劇みたいな感じになっていた。本とイメージ違うけど面白そうかも。