- Amazon.co.jp ・本 (489ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344012141
感想・レビュー・書評
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2015.3.28 読了
普通すぎるくらい普通の杉村三郎。
完璧すぎなくて、嫌いじゃないです。
普通は こんな反応しかできないんじゃないか、というところが 逆にホッとします。
連続毒殺事件と、
会社を辞めさせた女が逆恨みする事件、
ふたつが 同時に進行します。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この本の中で特に印象に残ったのは、 主人公とその娘との会話である。 「明日桃子があかねちゃんにごめんなさいをしたら、 あかねちゃんもごめんなさいしてくれるかな? 桃子だけがごめんなさいしたら、桃子だけが悪いって あかねちゃんに思われちゃうのかなぁ?」 謝った方が良いという事は本能的にわかっている。 でも、自分だけが悪いわけではない。 なのに自分だけ謝っちゃったら、そう思われてしまうのでは? 彼女が思い悩んでいるのは、 それが『理不尽』だと思うからだ。 子どもでも成人してからでも、人々が割り切れない思いをするのは 『理不尽』である事に変わりは無い。 「あんなに何一つ不自由なく幸せな人もいるのに、 どうして私は苦労ばかりするのか。」 「自分の思い通りにばかりなっている人もいるのに、 どうして私だけ。」 誰でもほんの少しは胸の片隅に持っている『理不尽』。 ある程度時間がたてば、 それぞれに自分をなだめる方法を身に付ける。 でも、誰でも、そういう気持ちを完全に消すことは出来ずに、 浮かんでは消え、浮かんでは消えを繰り返している。 そして『理不尽』を全く自分の中で消化する事が出来ずに、 常に抱え持っている人もいる。この本にはそういう人が出てくる。 自分たちのまわりにも、気付かなくても そういう人がいるかもしれない。
ドラマ『名もなき毒』原作本(TBS月曜ミステリーシアター 7月8日~)
今多コンツェルン広報室に雇われたアルバイトの原田いずみは、トラブルメーカーだった。
解雇された彼女の連絡窓口となった杉村は、振り回される。
折しも街では、連続毒殺事件が注目を集めていた。
人の心に巣食う毒を圧倒的筆致で描く吉川英治文学賞受賞作。杉村三郎シリーズ第二弾。
日常のいかなるところにも潜伏し、いつその触手を伸ばすともしれぬ毒に対して、
人はあまりにも無力なものですね。 ──中谷美紀(女優)
ありふれた毎日に潜む「毒」は、確かに私の中にもあり、この小説を読むことは、
その「毒」の姿を確かめることに似ていました。怖いのに見ないではいられない。
こんなにも面白くて、こんなにも苦しい小説があるなんて。
──草野満代(キャスター)
どこにいたって、怖いものや汚いものには遭遇する。それが生きることだ。財閥企業で社内報を編集する杉村三郎は、トラブルを起こした女性アシスタントの身上調査のため、私立探偵・北見のもとを訪れる。そこで出会ったのは、連続無差別毒殺事件で祖父を亡くしたという女子高生だった。 -
作者さんは二作目ですが、この方の書かれる体の内から溢れる毒は激しいなと思います。ちなみに初読みはソロモンの偽証。じわじわと自分をも滅ぼす毒素に振り回される人達。面白くてぐいぐい読まされる感じがしました。
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同じく中学時読了。同、印象になし。
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杉村シリーズでした
ミステリです
殺人事件は起こりますが
作者得意の人情味あふれる内容です -
忘れた
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東野圭吾は違った面白さ(^^)
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「誰か」よりは内容的に面白く、読み終えてすっきりしました。
物質的な毒だけでなく、人間の悪意や善意、立場などにも毒という表現を巧みに利用して、なぜ「名もなき毒」というタイトルなのか?という意味を全体を通して考えさせられる作品です。社会における毒というテーマをうまく描いている面白い小説でした。 -
今多コンツェルン広報室に雇われたアルバイトの原田いずみは、トラブルメーカーだった。
解雇された彼女の連絡窓口となった杉村は、振り回される。
折しも街では、連続毒殺事件が注目を集めていた。
人の心に巣食う毒を圧倒的筆致で描く吉川英治文学賞受賞作。杉村三郎シリーズ第二弾。