大人になるための社会科入門

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344013681

感想・レビュー・書評

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  • どの項目も興味深い視点が示されていましたが、特に印象的だったことが2点ありました。

    1つは、偽善であったとしても、手伝ってもらえる方が嬉しいという指摘。
    気持ちある行動は大切だけれど、偽善か否かにこだわって何もしないよりは、偽善でもしてくれるほうがいい。
    すごく、納得でした。
    行動すること、大事ですね。

    2つ目は、結婚する時の「お嬢さんを僕に下さい」という言葉。
    考えてみれば、妻となる人は、ものではないので、「下さい」という表現はそぐわないのではないかと思いました。
    「もらう」から、結婚した途端、妻を召使のように使う夫が出てくるのではないでしょうか。
    そんなことを考えさせられました。

    乙武さんの文章は、等身大で、身近に感じられます。読んでよかったと思える一冊でした。

  • 「社会科入門」という名前にふさわしく、現代社会のいろいろな出来事が、実例や専門家・当事者の視点から取り上げられています。

  • 愛国心、お金、環境、スポーツ文化、ボランティア・・などなど、身近でいて普段あまり改めて考えない問題について、小学校教諭になった乙武さんがわりと庶民的な視点から意見している本。

    普段から問題意識を持つということの大切さを思い出させられるが、同時に、視野を広げるほど、まずは自分の身の回りのことに目を向けなければという気にもなる。

    たとえばボランティアというと、海外や被災地にいくというイメージがあるが、まずは身の回りで困っている人を助けることが当たり前にできる自分かどうか?
    そういうことを考えるだけでも価値がある気がした。

    全体的に難しい話はなくわかりやすい。

  • いいなぁ。乙武さんのこの真面目で真摯な筆致は大好き。意外がられるんだけど。平和についてのところと、ペットについてのところはほんとにだめ。自然と泣いてしまう。大人になるってことは、ひとりで生きていけるようになるということじゃなくて、格好よくなるということでもなくて。

  • 乙武さんの言葉は、分かりやすく、まっすぐで胸に響いた。中学生くらいに読ませてもいい本だと思う。
    著者の意見は教育者として全うで、正しいと思えることが多い。しかしそれがいつの間にかきれいごとじゃないかと思える自分になっている。それをもう一度、純粋なころの気持ちに戻してくれる気がした。

    印象に残っている言葉は、「お金を稼ぐのに教養はいらない。使うのに教養がいる」
    「グレーゾーンでも生きやすい社会」
    「趣味はセーフティーネットになる」
    「選ぶ自由を残す教育」

    など。

著者プロフィール

1976年東京都生まれ。早稲田大学在学中に出版した『五体不満足』(講談社)が600万部のベストセラーに。卒業後はスポーツライターとして活躍。その後、教育に強い関心を抱き、新宿区教育委員会非常勤職員「子どもの生き方パートナー」、杉並区立杉並第四小学校教諭を経て、2013年2月には東京都教育委員に就任。教員時代の経験をもとに書いた初の小説『だいじょうぶ3組』(講談社)は映画化され、自身も出演。現在は、執筆、講演活動のほか、インターネットテレビ「AbemaTV」の報道番組『AbemaPrime』の水曜MCとしても活躍している。『自分を愛する力』、『車輪の上』(以上、講談社)、『ただいま、日本』(扶桑社)、『ヒゲとナプキン』(小学館)など著書多数。

「2021年 『だから、みんなちがっていい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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