プラチナデータ

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 6432
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  • Amazon.co.jp ・本 (431ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344018471

作品紹介・あらすじ

2017年の日本。発達したDNA捜査によって検挙率100%、冤罪率0%の社会が到来しようとしていた。その裏づけは、水面下の国家政策として集められている国民のDNAデータ「プラチナデータ」だった。
2013年、嵐の二宮和也、豊川悦司出演で映画公開予定。本作は当初映画化を前提として執筆が開始されたが、一旦断念。その後、映画化と切り離して執筆されたという経緯がある。

感想・レビュー・書評

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  • DNA情報を集めることで、本人だけでなく、近親者の情報からも犯罪者を特定するシステム。その中で特定できない犯人を追う中、システムの開発者が殺される。容疑者とされた解析員の神楽は、逃走しながら、真犯人を探すが。

    テンポよく話が進み、読みやすいのは、さすがに東野圭吾というところと思った。秘密に迫っているはずが、はぐらかされ、なかなか辿りつかない中、神楽が変わっていく感じがよい。後半一緒に行動していく浅間警部補も前半はそれほどでもないが、後半はなかなかいいキャラになっていき、おもしろくなってくる。

    謎ときの一方、神楽の人生の見つめ直しの話も進むことで、全てが管理させる社会、データで処理される世界への疑問も提示されていく。

    最後の決着など、ちょっとモヤモヤするところがあったり、出てくるアイテムがちょっとと思うようなところがあったが、どんどん読み進められていき、楽しむことができた。

  • 「映画はそんなに面白くない」との評判でしたが、小説は決して面白くないわけがなく、さすが東野圭吾の筆力と唸らざるを得ませんでした。

    カンタンなあらすじ ↓

    官僚や政治家など権力のある者の、犯罪を隠蔽するために作られた「プラチナデータ」。
    権力者が犯罪を犯しても、DNA鑑定では「NOT FOUND」と表示され、事実と関係のない鑑定結果を作り出してしまう。
    プラチナータは、まさに犯罪を隠蔽するために作られたシステムのことだった。

    それに対して、隠蔽された事実を見つけ出すために作られたのが「モーグル」。
    しかし、モーグルの製作者や関係者は、プラチナデータの口封じのために殺されてしまう。

    .......................

    最後に犯人と対面する瞬間は、手に汗握る緊張感だった。
    逃走中での「君とはまたどこかで再会するだろう」との予感が、最後の伏線になっているのも良かった。
    読み手にミスリードを与える設定もさすがだが、これだけのミステリー小説を作り上げる東野圭吾の構想力に舌を巻く思いだ。

  •  前からずっと読みたいなあ、と思っていたけど、なかなか手が出せなくて、今回、映画化されることを機に読むことができました。ミーハーですいません。
      二宮くん、こんな難しい役をやったのか。すごい。ぜひ、映画も観てみたいです。

     やはり、物語が進行していくに連れて、キャラの心情にが変化していくものって、引き込まれますよね。
     人を小馬鹿にしたような口をきく神楽に、最初イラッっときたけれど、その彼が追い詰められて、どんどん他者に頼るようになっていく様に引き込まれていきました。

     そして、ページ数あとわずか、というところでの、新たな殺人・・・
    「東野さん、どう収めるのこの話!?」とハラハラしどおしでしたよ。

     実際にプラチナデータの世界のように、管理される世界がこないとは言い切れないと思います。私たちはデータ化されるかもしれません。
     今、私は、パソコンで文章を打っています。
     
     けれど、私は紙とペンを使って、文章を書くことも日課にしています。自分の字で、紙を埋めていくのが大好きなのです。
     こういう、人間だからこそできる作業を、やめずに続けていきたいと思いました。

  • ひとつの生体には、一種のDNAしか存在しない、はずではあるが、

    本書『プラチナデータ』に関しては、
    まるで2種類のDNAが、複雑に絡み合って成り立っているような・・・。
    そんな気がした。

    細く絡まる一方のDNAは、『体』を生成する役目で、
    始めと終わりの区切をつけ、謎や疾走感を加え、物語を面白く読むための目に見える部分を生成しており、

    もう一方のDNAが、『心』
    何者も解明出来ないが、確かに存在する不可思議を、透明化して絡ませたものが、
    この物語の世界感に深みを持たせていたかの様な…。

    そんな気がして、
    読後「めっちゃ面白かった!」と、一時的にぷしゅーっと、体中に溢れたドーパミンが、
    時間を経て引ける頃、

    それでもまだ、消えずに残る透明なほうの正体について、思いをあれこれ巡らせてしまった。

    科学もこれ程進歩して、
    全ての源が、核である事が判明した、と言うのに、

    『心』については、
    何一つはっきりとした事はわかっていない。

    ある意味、
    そっとして欲しい、
    解明なぞして欲しくない、部分を上手く『DNA』化し、記憶として浮かび上がるかの様、自然に操作してくれた東野さんに感謝。

  • 初めはDNAやらスパコンやらとっつきにくいかなと思ったけど、読みやすくて展開に引き込まれる面白さで一気に読み終えた。
    SFっぽいミステリーだけど、国家に管理され、見えない権力に支配されるシステムは現代に通じているところがある気がして、妙に現実的。
    マイナンバー制度とかさ。。

    ガリレオシリーズしか東野さんの作品は読んだことがなかったけど、他の作品も読んでみたくなった!
    映画も観てないから気になる。
    ニノは神楽より浅間っぽいけど検察側の罪人観た後だから?笑

  • 頭のなかに綺麗な映像が注ぎ込まれるような小説。

  • SFだけどリアルな話で読み出したら止まらなくなり一気に読んでしまいました。
    神楽と浅間が組んでからのテンポのよさが良かったです。しかし、ガリレオシリーズと比べると★は3つくらいかなと。

  • プラチナデータとは、大衆とは別の上位の人物に関するデータのこと。階級は存在し無くなることはない、と。

    登場人物は、神楽、他。

  • DNAのような科学と近未来設定をかけたものは漏れなくワクワクします。
    映画と原作で雰囲気や展開がだいぶ違うんですね。
    映画のサスペンス色や緊迫感強めのドキドキする雰囲気とは異なり、原作には淡々とした面白さがありました。
    終盤も違いがありましたが、切迫した展開が両方面白かったです。

  • 途中から没入してあっという間に読了です。浅間の泥臭い感じは作中でいちばん共感できました。
    犯人の背景像が薄いと思ったのは少し残念ですが、それでも終盤にかけて展開は面白かったです。

  • #2998ー55ー293

  • 「プラチナデータ」(東野圭吾)を読んだ。
東野圭吾さんの作品を読むのはかなり久しぶりかもしれない。
まあ、面白かったと言えば面白かったかな。
東野圭吾作品を読む時、どうしても「容疑者Xの献身」を基準にしてしまう。
今のところそれを上回る作品には出会えていない。(あくまでも個人の見解です)

  • さすが東野圭吾といった作品。
    中盤以降どんどん読む速度を上げさせられる没入感があった。

    しかしながら、先が比較的読める展開となっていて、驚くような結末もなかった点がやや物足りなかった。

    人類をデータで縛るというテーマ自体はとても面白く、2023年現在でいうとマイナンバー制度が一番近いものになると思うが、それをさらに厳しく犯罪抑止の観点(に見せかけた階級制度)を含ませる事によって起こりうる問題提起を本書は描いている。

  • わくわくしながら読んだ。
    面白かった!

  • 殺人事件(推理物要素)、DNAによる捜査(科学的要素)、多重人格(脳科学要素)。
     とまぁ、好みのネタを随所にちりばめていながらつまらない。どれもハンパ。
     読みやすくはあるんですが、どれもイマイチ説得力に欠ける。
     まぁ、主人公が気に入らないんですけどね。
     結末もドンデン返しがあるわけでなし、種明かしがあるわけでなし、世の無常をつきつけられるでもなし、スカっとするでもなし。
    なんでこんなに人気があるのだろう?自分の味わい方に問題があるのだろうか・・・。

  • 面白かった。一見DNAだのコンピューターだのとっつきにくい題材かと思わせるものの、事件の大筋というか根源は非常にレトロなオーソドックスな感じが逆に好感を持てた。
    映画前提で読んだので最初にのと神楽のイメージが全くマッチせず、むしろ浅間の方が主役なんではないかと思ったが、やはりにのの演じる神楽の方が興味が沸く。腕の見せ所ではないだろうか?

    犯人も最初の方で予想は付いたけど(笑)内容が安っぽいというわけでは決してなかったが殺人の動機が弱いな・・・・と思った。

    最後の解決の仕方が腑に落ちなかったのも正直な気持ち。
    小説なんだもん、もうちょっとスカッと終わっても良かったのかも。
    映画ではその辺も期待しよう。

  • 途中まで作者の仕掛けに気付かずにいたが、後半になってストーリーに一気にのめり込んだ。

  • プラチナデータを読み終えました。
    やっぱり東野圭吾さんの作品は、買いますね、読みますね、読みやすいですね。
    近未来のお話、物語に引き込まれ、続きが読みたくて、一気に読んじゃいました。スリルありのサスペンス。
    ・・・なんだけども、東野圭吾さんっていうだけで期待しちゃって、自分でハードルを上げちゃっているんだろうか。う~ん、中盤から物足りなさが、結末にはあらら?みたいな。
    面白いんですけどね。

  • さすがの面白さ。

  • 後半につれてのめり込む感覚があり時間を忘れて読んだ。
    浅間と神楽2人のストーリーが並行して進み、最後は協力して謎を解き明かすところが読んでいて楽しかった。淡々としていた神楽の性格が、スズランや村の人、浅間と関係を持つにつれ人間味を帯びていく。ラストに信頼や自己犠牲など合理的でない選択をしていたのは父親が自殺する前の陶芸(陶芸に勤しむ父親)を好きだった頃に戻った、リュウと統合した?ように感じた。

  • 割と面白かった。国家権力というか圧力というかそういうのに屈しない叩き上げの姿勢的な現場刑事の姿は熱かった。
    でもまぁ、ちょと話の展開、正体、先が読めるというかそういうとこは少し残念感。まぁでも面白かった。

  • DNAで国民情報を管理するという空恐ろしい話。こんなことが起きたら犯罪もサッと解決しちゃうのかしら…。マイナンバー制度ってこういうのの序章かも。

    血の繋がらない親子関係とか、職人魂とか、数字やデータで測れないものをそのうち見失いそう…。

  • 国民のDNAデータを国が管理するようになった近未来の世界。本当に未来の日本でこうなりそうで怖い設定だと思いました。捜査システムがとある連続殺人犯の正体を割り出せず、やっと解析できたと思ったら捜査システムが示したのはシステムの開発者である主人公だった。警察から逃げながら事件の真相を追って行く。真犯人やスズランの正体が意外で、面白かったです。

  • 2016.6.13-38
    DNAによるプロファイリングから除外される国家上層部の情報プラチナデータを巡る殺人事件に巻き込まれる神楽。

  • 警察が国民のDNAデータの管理を始めた日本

    導入後、飛躍的に犯罪検挙率は上がり、
    当初あった国民のプライバシー問題も
    この事実の前にうやむやにされ始めていた頃、
    データベースと一致しない「NF13」による
    殺人事件が複数件発生して・・・

    プラチナデータ、なるほどねという感じ
    絶対あるだろうなと思う

  • 国民の遺伝子情報から犯人を特定するDNA操作システム。
    警察庁特殊解析研究所・神楽龍平が操るこのシステムは、現場の 刑事を驚愕させるほどの正確さを持って次々と犯人を特定していく。
    検挙率が飛躍的に上がる中、新たな殺人事件が発生。
    殺さ れたのは、そのシステム開発者である天才数学者・蓼科早樹とその兄・耕作で、神楽の友人でもあった。
    彼らは、なぜ殺されたの か?
    現場に残された毛髪を解析した神楽は、特定された犯人データに打ちのめされることになる。
    犯人の名は、『神楽龍平』――。
    追う者から追われる者へ。
    事件の鍵を握るのは『プラチナデータ』という謎の言葉。
    そこに隠された陰謀とは。
    果たして神楽は警察 の包囲網をかわし、真相に辿り着けるのか。

  • dna操作によって検挙率100%冤罪率0%を目指す近未来の日本で起こる事件で、神楽が犯人として追われている所はハラハラした。東野さんの作品やき、そんなに難しい話じゃなかったけど、大体話は読めた。

  • 今よりも少しだけ未来の話です。

    マイノリティリポートと少しだけ設定が被ります。


    本作品に登場するDNA捜査システムがあれば衝動的に行われる犯罪以外の犯罪は減るかもしれないけれど、犯罪は人間がいる限り無くならないんだろうなと思います。

    世界中の人達が最優先するものが同じものになり、精密な機械のようにミスが無く完璧にコントロールされるのならば・・・

    でも、そんな世界はツマラナイかもしれない。





    犯罪防止を目的として開発され運用されているDNA捜査システム、犯罪が起きれば本システムにより現場に残されたDNA情報から犯人が特定される。

    しかし、そんなシステムの間隙を縫うように検索から漏れるNOTFNUNDによる犯行が発生!

    時同じくして本システムの開発者が殺される。

    システムの検索結果は操作技師《神楽龍平》を犯人と示す。

    神楽龍平は犯人なのか捜査システムの欠陥なのか?


    神楽龍平は警察の捜査から逃れながら複雑に絡み合う事件の真相とプラチナデータの謎に迫っていく・・・

  • 犯罪捜査を確実にするために、DNAを利用する。しかしそれは本当に完璧なのか?
    結構面白かったので、ぜひ映画も見てみたいです(^-^)

  • 活字離れの自分でさくっと読めてしまいました。
    ストーリーも謎も多い分、読みやすい展開になっていたと思います。
    自分的に関心がもてる工学と法学と医学が絡んでいて面白かったです。
    映画は見たことないのでまた見てみたいです。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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