持たない幸福論 働きたくない、家族を作らない、お金に縛られない

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 91
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344027688

感想・レビュー・書評

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  • 著者の方法はコミュ障だと厳しいけれど。
    お金があったらいいなと思いながら、でも働かなきゃいけないなら、まあなくてもイイかな。
    な、ところがものすごく共感。
    だいたい共感出来るんだけれども、それ以上に作者がリベラルだった。
    あと、悟ってるなぁとも。
    巻末のブックガイドが、良い。

    私が昔からこのまま隠居したいと思っていたのは体力がないからなのかと気づかされた。
    最低限の生活するだけでいっぱいいっぱいなんだよ。

  • ぬるい文章が読み易い。行き過ぎたところもたまにあるけど、ほぼほぼ的を得てる。
    新しい考えが自分の中に入った。

  • 緩い生き方を提唱している。著者の知性というか凄みがひしひしと伝わってくる。「もっとゆるく生きていいのだ」という思いと「こんな生き方私にはできない」思いを抱く。

  • この本を引用したブログ記事を書きました。
    「退職して1週間、今思うこと。」
    http://umet.hatenadiary.jp/entry/2016/04/08/061755

  • 2016/04/01

  • 先日、phaさんの「持たない幸福論」を読みました。

    phaさんの価値観がゆる~く書かれてる本かと思いきや(そういった面もあるけど)、意外とカッチリしてて、社会学の本みたいでした。

  • 以前からニート「的」な生き方を推奨してきたphaさんが、ここにきて流行りのミニマリズムと合流して注目されている、という印象。

    僕がこの本を読んで思った感想は、「phaさんは、やはりハッカー的な思考をしている人なんだなぁ」という印象。ここでいう、ハッカーというのは、「不正アクセスをして、データを盗み取るわるいひと」ということではなく、「物事をちょっとした工夫で改善して楽な解決を目指す人」というような、従来的な意味。「ライフハック」などと言った時に指す「ハック」というのはこの意味で、物事を工夫一つでよりよく変える発送の転換術のようなものである。

    で、ハック(あるいはハッカー的思考)が成り立つためには、物事の整理が必要である。今どういう状況で、何が問題なのか。何があって、何が足りなく、何が障壁になっているのか。それらを冷静に見て、その上でちょっとした解決策やアイディアを提供する。
    与えられたものをそのまま受け取るのでは、この思考は成り立たない。場合によっては、それまでの「当たり前」をラディカルに捉え返す必要がある。そして、この本にはそのエッセンスがある。

    僕が特に面白いなと思ったのは、家族についての項目である。

    「「結婚」や「家族」というパッケージはすごく多機能で包括的だ。恋愛感情や性欲を満たす相手も、同じ家で一緒に生活をする相手も、子どもも病人や老人の世話も、家が持っている資産やか行の運営管理も、自分の病気や死を看取る人も、全部一つのグループの中だけでやっていこうという理想を持った、盛りだくさんなシステムが「結婚」と「家族」だ。だけど、そんなに多くの機能を「結婚」と「家族」という一つの仕組みだけで全部満たしていこうとするのは無理があるのだと思う」(p75)

    普通、「結婚する」とか「家族を持つ」とか言う時に、「機能」なんて言葉は使わない(社会学者か人類学者でもない限り)。
    しかし、ハッカーの眼からすれば、そこに内包されているものは「機能」と呼ぶべきものであり、それは冷静に吟味されるものになる。
    自分が生活の上で求めているものはなにか、それは結婚や家族などのパッケージに乗らないと実現できないものなのか、あるいはその費用は見合うのか、などを考えて、クレバーに判断していく。

    phaさんの良いところは、「家族は絶対に持つな」とかいわないところで、「別にあってもいいけど、それが絶対じゃないよねー」というゆるい視点を提供していることで、もしメリットがあると思うなら結婚してもいいんじゃない、ぐらいのスタンスである。押し付けがましくない。
    世間の規範を構築主義的な視点一本で行くとちょっと厳しい時もあるが、柔軟に別の視点を提供して、思考を柔軟にしてくれる、という意味では実践的な本だと思う。

    ちなみに、この本の難点があるとすれば、こうした「持たない暮らし」のようなものは、明らかに日本社会の貧困化を背景としている(それが近景なのか遠景なのかは様々言えるとは思うが)。そこで、「貧乏でもそこそこ楽しい暮らし」を提案するのはけっこうだが、しかし社会保障や雇用を充実させたくない連中は、必ずこうした生き方を称揚しようとする。つけこんでくる。
    だから、ミニマリズムも「楽しく貧乏」も良いが、同時に社会的な保障の充実は必要である。言うなれば、社会的なものは放棄するべきではない、ということ。

    phaさんが社会活動するイメージもないが、この本を取り上げる際には、そうした釘は打っておく必要があると僕は考える。

  • ニートの代表、phaさんが語る持たない生き方。

    仕事や家族に縛られない自由な生き方について。それはちょっとだけ働いて、あまりお金を使わずに、広く浅く人間関係を築いていく生き方のようだ。けっこうコミュ力ないし人間関係気にしない力がないと厳しそうとも思ったが、オルタナティブな生き方の参考にはなる。

  • 人は、物が多ければ幸せと感じるかもしれないが、何でも手に入れやすい時代として、逆にキャパをオーバーする結果にもなるのでは。そして、大量の物に囲まれても、その気持ちは変わる事なく。

    そんな中で、作者は当たり前と思われている事を、今一度考えてみて本当に必要なのか?と問いかける部分は、思考の固まりを解す一石に。色々な物を持つ事を目標にするあまり、犠牲になっている事を見落としてしまう。それが、果たして必要なのか?

  • 人によっては感性や感覚のバランスを保つ助けになる本。

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著者プロフィール

一九七八年大阪府生まれ。作家。著書として『どこでもいいからどこかへ行きたい』『しないことリスト』『夜のこと』『人生の土台となる読書』など多数。大学生のときに京大短歌会に少しだけ参加。第5回笹井宏之賞では最終選考に残る。文学系ロックバンド、エリーツの一員としても活動。東京・高円寺の書店、蟹ブックスでスタッフとして勤務している。

「2023年 『おやすみ短歌』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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