おしゃれと無縁に生きる

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 305
感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344027985

感想・レビュー・書評

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  • 「おしゃれと無縁に生きる」のおしゃれの部分が重要なのではなく、そんなこと考えるよりもっと大事なことがあるでしょう!?という意味だった。村上さんの少しキツイとも取れる主張や言い方に信頼感を得たし、考え方も面白いなと思った。ただ私はおしゃれも好きだし、おしゃれのことを考えるのも好きで、そういう考えても無駄みたいなことを考え続けていたい人生だなと思いました。

  • コインロッカーベイビーズ等、村上龍の小説が面白かったので、たまたま見つけたエッセイも購入した。
    小説を読んでも感じるが、難しい言葉、言い回しを使わずに、とても分かりやすい文章を書く作家だと改めて感じた。
    「人間の根本的な悩みを解決するためには、経済的な悩みを解決することが重要」等、日ごろから漠然と考えていたことを、再度活字を通して考えを整理できた気がした。
    他の小説も読んだみたいと思う。

    <印象に残った言葉>
    ・今は違う。短期と中長期、仕事と人生、それぞれの目標を設定できない人は、不利な生き方を強いられる。<略>どれだけ「モーレツ」に働き、どれだけ自己犠牲を払っても、目標が無い場合は単なる自己資源の浪費に終わってしまう。 (P52)

    ・借金で首が回らない、失職して再就職先がない、給料が安くて家庭が不和になった、そのほとんどが「経済力」に起因している。経済力の強化以外、解決策はないのに、他に何か要因があるかのような幻想をメディアは垂れ流し続けている。(P70)

  • 【生き方】おしゃれと無縁に生きる/村上龍/20160122(13/439)<269/31306>
    ◆きっかけ
    ・ここ最近、おしゃれのhow to本を読んでたところ、タイトルに惹かれて。

    ◆感想
    ・「仕事ができる男は、特権的 に、おしゃれと無縁に生きることができる。」は確かにあてはまるだろう、しかし、おしゃれ、は無縁にするものではなく、おしゃれが一つの自己実現の手段という側面はあるのではないか。

    ◆引用
    ・仕事ができる男は、特権的 に、おしゃれと無縁に生きることができる。
    ・情報量と人的ネットワークは若いころよりも増えている。逆に言うと、情報量と人的ネットワークの向上がない加齢は、救いようがないということだ。
    ・右肩上がりの時代は、労働者は単にモーレツであればそれでよくて、自ら目標を設定する必要がなかった。今は違う。短期と中長期、仕事と人生、それぞれの目標を設定できない人は、不利な生き方を強いられる。しかも、できるだけ早い時期に目標を見出すことが望まれる。どれだけ、モーレツに働き、どれだけ自己犠牲を払っても、目標がない場合は、単なる自己資源の浪費に終わってしまう。
    ・ネット以前は何気に本を手にとることがごく自然だったが、今では読書が特別な行為になったような気がする。
    ・危機感というのは、実際に聴きの連続に身を置かないと生まれようがない。
    ・基本的に、成熟した国の政府の役割は経済成長ではなく再分配。
    ・欲望は想像力によって運慣れ、育まれ、強度を増す。消費が拡大するかどうかについて、需要は増えるのか、という問いではなく、欲望と想像力は復活するか、という問いを立てなけれなならない。
    ・金で幸福を買えるか、にひああまり意味がないが、金があれば不幸をある程度回避できる、というのは真実。
    ・金で信頼を失うことはあっても、金で信頼を買うことはできない。
    ・必要とする情報を得るためには、自分がどんな情報が必要かを把握していなければならず、そのためには想像力を駆使して、今取り組んでいる仕事において何がポイントになるのかを徹底的に考えなけれなならない。それさえ出来ていれば、情報の取捨選択は非常に簡単。
    ・不安になるとき、頼りになるのは過去のの経験だけだ。あのときも大変だったが何とかなったから今度も何とかなるだろう、と思う以外に方法はない。

  • 2015年の57冊目です。

    村上龍の有料メールマガジンの記事をまとめたエッセイ的な本です。
    彼の小説の過激さとエッセイの内容には、いつもギャップがあります。
    現実をシニカルに洞察していると言えるかもしれない。
    彼の最近のキーワードは「死なないこと」だ。
    現在の日本において、若者にとって「死なないこと」、それがすべてだと。
    諦念の境地からの彼の呟きのようにも聞こえる。
    また彼は、お金で幸福は買えるかというテーマの中で、こう書いている。
    「世界中が敵に回っても、あの人だけはわたしを理解し、わたしの側に立ってくれるだろう」というような信頼は、金銭からは生まれようがない。
    青二才の青年が口にすると、心細い叫びにしか聞こえないが、
    あの「コインロッカー・ベイビーズ」を書いた村上龍が、
    今、言っているということに、肚落ち感があります。

  • 同世代としては、やはり冷めているというか、クールというか、たぶん本人が言うように普通の仕事をした経験がないからだろうと思われる。
    解らないことは解らないと言い切ってしまうところもすごい。(凡人が言うと、それなら文章何ぞ書くなということになりそうだ)
    しかしそのことによって、感性が鋭かったり、感じる視点が違っていたり、そういう考え方もできるのかと肩肘張らずにヒントになる点はあると思う。
    久しぶりに小説も読んでみることにするか・・・。

  • 日本のあらゆる現状について苦言を呈している。

    その上で、こうすればいいとか著者なりの打開策も提案されていたら面白かったなーと思う。

    そんなこと自分で考えろ。という本なのかも。

  • 村上龍氏のエッセイは最近ものは響くものがある

  • GOETHEに連載されているエッセイ集.
    ・情報量と人的ネットワークの向上がない加齢は救いようがない
    ・どんなにガバナンスを強化しても「ほめられたい」「けなされたくない」という根源的な欲求を抑えることは不可能
    ・仕事と家族の過ごす時間配分を実現するのに必要なのは経済力.
    ・重要なのはどんな状況でも危機感を持つこと.
    ・経営者と従業員の間に必要なのは信頼であって忠誠心ではない.
    ・カネで信頼は買うことは出来ない.
    ・信頼を得るには「誠意あるコミュニケーション」の継続しかない.
    ・好奇心を失わず,興味があることに積極的に接していれば,いつか必ず何かにであう.
    ・メンタルの強さは,様々な意味のトレーニングを重ねた結果.
    ・質問は何を知りたいか自ら把握し,それを正確に相手に伝える必要がある.
    ・イノベーションを生み出した人物の共通点は「実行した」という事.

  • 好きな作家のエッセイなので、変わらないといえば変わらないし当然ある変化はあるし。村上龍は村上龍。個人的には面白かった。

  • 大人なら共感できる!
    村上龍さんのこのエッセイのシリーズは本当に好み。読むと頭が良くなった気分にさせてくれるテクはさすがです。

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著者プロフィール

一九五二年、長崎県佐世保市生まれ。 武蔵野美術大学中退。大学在学中の七六年に「限りなく透明に近いブルー」で群像新人文学賞、芥川賞を受賞。八一年に『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、九八年に『イン ザ・ミソスープ』で読売文学賞、二〇〇〇年に『共生虫』で谷崎潤一郎賞、〇五年に『半島を出よ』で野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。経済トーク番組「カンブリア宮殿」(テレビ東京)のインタビュアーもつとめる。

「2020年 『すべての男は消耗品である。 最終巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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