チェーン・ピープル

著者 :
  • 幻冬舎
3.27
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本棚登録 : 225
感想 : 34
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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344031005

感想・レビュー・書評

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  • 誰かに助言するとか、励ますとか、応援するとか、
    「助ける」という悪意のない正義感ほど相手のためじゃなく自分のためのような気がしてならない。

  • となり町戦争のテイストがまったく衰えていない。

  • 似叙伝
    守り抜く姿勢がかっこいいな。

    チェーン・ピープル
    平田昌三さんを運営していくのはとても大変そうだけど、この世のどこかにいても?あっても?おかしくないな。

    ぬまっチ
    ふなっしーが浮かんだけれど、ガワがきちんとあるものな。
    露出した中の人ってよく思いついたな。

    応援
    怖い。もう実際に起こっていそうなところも怖い。

  • 小編集。書名になっているのは、その内の1編のタイトル。これが特に奇想天外な設定で、面白くもあり不気味でもあり。ナンセンスが日常になってしまったような現代日本、という気がするが、その少しだけの延長線上にある日常を描いたら、こうなりました。みたいな感じ。恐ろしい。
    ルポライターである人物が、様々な事象を取材していく、という形を一貫させて描きながら、小編の間には具体的設定上の繋がりは無い。
    もの凄く面白い!、とは思わなかったのだが、眠くならずに最後まで読めたのは、きっと良く出来た作品だからなのだろうと思った次第。

  •  人が伝えたいことは、真実ばかりとは限らない。嘘であるからと言って、それが頭から否定されるべきではないだろう。
    (P.88)

  • ライターの私が6人の人物を訪ねる短編連作集。
    1)「正義の味方」――塗り替えられた「像」
    2)「似叙伝」――人の願いの境界線
    3)「チェーン・ピープル」――画一化された「個性」
    4)「ナナツコク」――記憶の地図の行方
    5)「ぬまっチ」――裸の道化師
    6)「応援」――「頑張れ!」の呪縛
    例によって不思議な設定です。1)ではウルトラマンが実在する世界を、3)は平田昌三という人格を演じる結社を、5)では着ぐるみを被らない”ゆるキャラ”が描かれます。その当たりは如何にも三崎さんらしく、皆さんの評価も結構高いようです。
    でも、私が期待する三崎さんではありませんでした。

    三崎さんお得意のとんでもない背景設定は、よく風刺小説に使われるようなものです。しかし、そこに描かれるのは風刺では無く、「滅亡」の寂寥感・寂寞感や独特の「滅びの美学」なのです(コロヨシのようなスポ根ものもありますが)。でもこの作品は、なんだかいつもよりかなり風刺的、教訓的なのです。特に最後の「応援」などは現実的設定でネット世界の怖さを描いており、三崎さんらしくないな、と。
    まあ、その方が一般受けするだろうとは思うのですが。。。

  • 一人のルポライターによる、合計「六人」の取材記。○ルトラマン≠正義の味方とか、チェーン店のごときチェーン・ピープルとか、三崎亜記独特の視点が面白い。笑える面白さではなく、じわりとくる風刺というか人間の怖さ愚かしさというか…あぁ、三崎作品だな、と。特に『応援』は、私が知らないだけで今すでにあるような案件に思えて、もし自分がターゲットにされたらと思うとすごく怖い話でした。☆3.5

  • ひさしぶりに三崎ワールドにどっぷり浸かった感じ。
    「ナナツコク」が一番好きかな。
    この人の本は、時間がたっぷりあるときに、家でじっくり読むに限る

  • 読み終わってから気づいたけど「となり町戦争」の作者なんだね。(となり町戦争、私は本しか読んでない)
    目にみえないじわじわとした人間の本質を描くのが得意のようだ。着眼点がユニークかつリアリティがあって、なるほどと思わせる。

  • ありそうであり得ない人たちの空想連作小説

    ・「正義の味方」――塗り替えられた「像」
    ・「似叙伝」――人の願いの境界線
    ・「チェーン・ピープル」――画一化された「個性」
    ・「ナナツコク」――記憶の地図の行方
    ・「ぬまっチ」――裸の道化師
    ・「応援」――「頑張れ!」の呪縛
    の6編収録。
    「玉磨き」と同じようなルポ形式で三崎ワールドの空想人物を描いています。
    実在するものをベースに社会風刺的に皮肉を利かせてくれています。
    自作もこのスタイルになるのでしょうか、期待したいです。

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著者プロフィール

1970年福岡県生まれ。熊本大学文学部史学科卒業。2004年『となり町戦争』で第17回小説すばる新人賞を受賞しビュー。同作は18万部のヒットとなり直木賞にもノミネートされた。著書に『廃墟建築士』『刻まれない明日』『コロヨシ!!』『決起! コロヨシ!!2』など。

「2021年 『博多さっぱそうらん記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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