- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344036130
作品紹介・あらすじ
キリストの信仰を生きる曽野綾子。法華経を哲学とする石原慎太郎。
対極の死生観をもつふたりが「老い」や「死」について赤裸々に語る。
死に向き合うことで見える、人が生きる意味とは。
歳はひとつ違い、家も近所で、昔からの友人。だが会う機会は多くはなかったという石原氏と曽野氏。そんなふたりが「人は死んだらどうなるのか」「目に見えない何か、はある」「コロナは単なる惨禍か警告か」「悲しみは人生を深くしてくれる」等々、老いや死、人生について語り合う。老境のふたりにとっての孤独や絶望、諦観や悲しみ、そして希望とは。
感想・レビュー・書評
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夫が図書館で借りたので私も読んでみました。
曽野さん89歳、石原さん88歳。
お二人が語る死生観は完全に相反する考え方で全く嚙み合わないのですが、でもそれがおもしろかったです。
曽野さんは、死という逃れられないものがあって、でもその時が来るまでは、与えられている生涯をどれほど自由に使えるか考えながら生きればいい、そして、特に年老いたとき、その人を輝かせるのは「徳」だけであり、社会貢献、人の役に立てるということが自分自身の希望になるんだと言います。
一方石原さんは、最後までがむしゃらにやりたい、人間は本来、自分はどう生きるべきかを考えて生きる生き物であるから、ただ漠然と生きていてはいけない、と、今だ知識欲や探求心が旺盛で、死に関しても様々な角度から現在も考察を続けているので、まだまだ死にたくないと言います。
個人的には曽野さんのすべてを受け入れる死生観に惹かれますが、心の奥底からそんな心境になるためには今を受け入れ、満足する日々を送らなければいけないし、でもそのためには漠然と生きるのではなく、それこそ知識欲や探求心を忘れずに、そして人の役に立つことをしていないと満足する日々は送れないなと思いました。
あとは関係ないけど石原さん、政治家だったのに「僕はあんまり人の役に立つという意識をもって仕事したことはない」と言っててびっくり。政治家失格過ぎる発言・・・
それと、曽野さんがご主人と死別する際、看護婦さんから「もうすぐお話が出来なくなるので今のうちにお話しなさってください。」と言われたときに「63年間ずっと喋り通してきましたから、喋り足りないことは何もないんです。」と笑ったそう。
そんな最後を私も夫と迎えられたら幸せかなあ、ととっても印象深かったです。。 -
生き方が対称的なお二人の多彩な会話がとても含蓄が深くよかったです。
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一昨日のニュースで石原慎太郎氏の訃報を知ってその日の仕事帰りに、ずっと気になっていたこの本を購入して読んだ。死に対する石原、曽野両氏の正反対な考え方に「ごもっとも」と両者の意見に納得してしまう風見鶏な私は、自分自身が全くもって「死」と言うものに向き合った事の無い浅はかな人間で有る事を思い知った。誰にでも平等に用意されている「死」。どうやって向き合い、そして受け入れて行くべきか?それはもちろん答えなど無い。その時が来て、後悔する事が無いよう今後の生き方を真剣に考えるべきと思った。石原氏は89歳で生涯を閉じたが、この本は石原氏88歳の時に書かれたものである。石原氏の影響力は甚大で日本国民に与えた影響と功績は計り知れない。石原氏のご冥福を心よりお祈りしたい。
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あまり期待したほどの内容ではなかった。
この辺りの問題は、書物にて習得するものではないと言うことか?
宗教者と語っても、出てきる答えでもなし…
もう少し楽しみながら考えてみます。 -
死とは人生の頂点であり最期の未知そして希望
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キリストの信仰を生きる曽野綾子。法華経を哲学とする石原慎太郎。対極の死生観をもつふたりが「老い」や「死」について赤裸々に語る。死に向き合うことで見える、人が生きる意味とは。 歳はひとつ違い、家も近所で、昔からの友人。だが会う機会は多くはなかったという石原氏と曽野氏。そんなふたりが「人は死んだらどうなるのか」「目に見えない何か、はある」「コロナは単なる惨禍か警告か」「悲しみは人生を深くしてくれる」等々、老いや死、人生について語り合う。老境のふたりにとっての孤独や絶望、諦観や悲しみ、そして希望とは
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50歳を迎えて体力の衰えを自覚すると同時に、何事にも「欲」というものが弱まってきた。そして「どう死にたいか」を考えることが多くなった。そこで本書。
著名作家である石原慎太郎、曽野綾子が死について語り合う内容。「自然の流れに任せて静かに死を迎えたい」という曽野に対して、石原は「最後まであがいて死の本質を見き分けたい」という考え。なので最後まで話が噛み合っていない。
ただ、曽野は「人は人、私は私」と石原の意見も受け入れるのに対して、石原は曽野の考えを正面から否定する。その配慮のなさが子どもっぽい。また、「僕はあんまり人の役に立つという意識を持って、仕事をしたことはない」という言葉も。
この人はいったい何を考えて政治家になったのだろう。頭はいいが組織のトップに向いた人柄ではないように感じた。総理大臣候補になったこともあったが実現しなくて本当によかった。
しかし一点だけ感心したこともあった。曽野への態度に敬意を感じるのだ。テレビからの印象では、いつもふんぞり返っているので、完全に男尊女卑の人だと思っていた。しかし実績ある年長者には、例え女性であっても相応の対応ができるらしい。そこは意外だった。 -
曽野綾子さんと石原慎太郎さんでは、正反対の対象的な考え方。曽野さんの考え方に同意