考えごとしたい旅 フィンランドとシナモンロール

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344036437

感想・レビュー・書評

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  • 益田ミリさんの「47都道府県 女ひとりで行ってみよう」を読んだときに、あまりのネガティブさや、苦情の多さに驚きました。しかし、それが逆にクセになり、読みながらそれを期待してしまう自分がいて…。
    編集者の力量か、筆者に変化があったのか、普通の文章でした。

    すーちゃんシリーズにあるような、苦手な人についての考察や、嫌な出来事に対する向き合い方などが出ていて、すーちゃんファンの方はお好きだと思います。

  • 益田さんの著書は初めてだけど、等身大という言葉がぴったり合って楽しく読めた。
    (他のエッセイも基本的には等身大に描かれているとは思うけど、お金持ちの等身大に対してはルサンチマンが発動してなかなか楽しく読めない…。)

    何が面白いって、旅に出た時に多くの人が辿る思考パターンがそのまま書かれていて、まるで自分も旅してるんじゃないかって気持ちになること。
    旅先で起きるちょっとしたトラブルや普段ならしないチャレンジ、自分を褒めてあげたり楽しむ中でふと思い出す日常のなやみ…。フィンランドに限らず海外を旅したことがあれば、きっと理解できる感覚なのでは。

    巻末のシナモンロール英会話もクスリと笑えてオススメです。

  • タイトルに惹かれて読みましたが、考えごとは思ったより少なく、紀行文がほとんどでした。フィンランドの旅の記憶と重ね合わせ、今度はこんな風に長く、暮らすように滞在してみたいと羨ましく思いました。カフェの描写に「あれ?もしかして」と、何も知らずにたまたまモーニングしたカフェの店名を調べたらカフェ・エスプラナードだったのは嬉しかったな。他にも「そうそう!」と共感することが多く楽しみました。

    買い物するとき、パッと目についたものがあっても念のため他のデザインや色違いや他の店も物色するクセが私もあります。けど『最初にいいと思ったものでいいじゃないか』『ピンときたものを買う楽しさを手放しているともいえる』『今後の人生、ちよっとしたものくらい、もう直感で買おうぜ、わたし!』という考え方はいいな、と思いました。

  • 超楽しかった!!!!
    フィンランドってなんとなく触れる機会ないけどめちゃくちゃ行ってみたくなったし、益田ミリさんが食べてたもの全部食べたい。
    あと、島が動物園のところも行きたい、とにかくこのご時世、本で旅を楽しむの良い。
    ウキウキしながら一気読みした。もっと旅エッセイ読みたい

  • 益田ミリさん最新エッセイ。
    2017夏、2018初秋、2019冬のフィンランド一人旅の様子が綴られた本(2017と2019はエストニアにも日帰り訪問)。フィンランドを旅先に選んだ理由は特に書かれていなかったが、3年連続で行くのは、好きだからに尽きるのだろう。

    等身大に書かれた旅行記は、読んでいると自分もまるで旅してるかのような感覚になり、心地良い。色々なカフェでのシナモンロールと飲み物の写真やミリさんのカラーイラストで、ますます場面を想像しやすくなる。表紙の、黄色を背景にしたシナモンロールの装丁も惹かれる。

    かなり引き込まれて一気に読んでしまったため、読み終わったあと、今自分は日本にいるんだったと一瞬夢から覚めたような気になった。わたし自身は、夏のヘルシンキに一度旅行で訪れたことがあった(滞在先はミリさんが2018年に宿泊ところと同じだった)が、その時の街の様子や雰囲気が鮮明に蘇った。

    ミリさんはかなりの数のカフェに足を運んでいたが、どこも素敵な雰囲気で良い時間を過ごしたのだなと思った。特に、老舗カフェで窓際の席に案内され、「キャロットケーキとルイボスティー。しばし読書タイムだ。旅先で、さらに本の中の世界に旅する贅沢さよ。本の世界から戻って顔を上げれば、窓の外にヘルシンキ大聖堂。特等席だ。読書と観光をお茶を同時に行えるひとときを味わった」というのがうらやましかった。

    フィンランドはやはり人も街並みも文化も魅力的な国だ。今度はもう少しゆっくり滞在し、ミリさんのように色々なカフェに行ってのんびりしたい。

  • 旅行に行きたいなぁ。しばらくは無理そうなので、旅行に行った気分になれました。
    シナモンロール、カフェラテが美味しそうです。
    40代は親との別れがあったり、死を近くに感じたりします。それでも自分の日常は続くので、どうあれば良いのか考えたりします。

  • あぁ、フィンランドに行きたい。シナモンロールが食べたい。スープも飲みたい。この本のおかげで旅行の疑似体験が出来た。美術館も多く取り上げてくれてわくわくする。読めて良かった。

  • 紙上フィンランド旅行を昨年から継続している。今年の2冊めの旅。

    益田ミリさんの、三度のフィンランド旅行の様子を描いたエッセイ集。巻頭に行かれた場所でカフェタイムなさった、食べ物の様子や、建物、風景などのお写真がたっぷりある。これがとにかく素敵。どんな楽しいお話が読めるだろうと、わくわくして読み始めた。ヘルシンキや、エストニアの古都タリンの探訪など、ちょっと他の本で予備知識があったから、「ここに行かれたんだ。」とか、「実際のティーブレイクはこんな感じなのね」等、頭の中で参照できて、それはすごく良かった。自分にも行けそうなんて気にもなる。出来ればるるぶとか、まっぷるなんかの北欧編をお手元に読まれると、なお楽しいことだろう。

    しかし、私はこの本に、星を3つしかつけていない。どうしてか。この本、実は、出版直後にブクログで見かけて、楽しそうな本だと、ずっと気になっていた。ご自身によるイラストの挿画も愛らしいし、確かにお食事やティータイムは楽しい場面もある。でも、この本全体に、憂愁があるのがとってもつらいのだ。ある種の暗さがあって、楽しげな部分と乖離している。折しも益田さんは40代になられ、お身内を亡くされた時期だったようだ。

    40代といえば、女性の身体の調子が、ガクッと変わる時期だ。

    「もう若くないな、死ぬ年代に入りかけるんだな。」

    「女としていい時期を、なんとすらりと通ってきてしまったんだろう。」

    「もうこんな事は、二度とできないな。」

    そんな物思いも、持つ時期である。実家もいろいろと持ち重りし始める人だって、いらっしゃるだろう。実際そういうことを書いてもおられる。その物思いをしてはいけないとは思わない。誰しも悩むことだ。もしかしたら、日本でお忙しい中では、向き合うのがおつらかったのかもしれない。旅という異質で軽やかな場でだから、そういうことにも向き合えたのかもしれない。タイトルからもそれは窺えるし、益田さんにとっては、とても大切な、こころを整える旅だったことだろう。孤独も時にはお薬になる。

    ただ、一読者の立場からすると、楽しい表紙に惹かれ、巻頭の写真に期待して読み出すと、意外とつらい。盛り上がったところ、楽しくなったところで、儚い悩みの影が纏い付いて、一緒に気持ちが下がってしまう。年齢は違っても、いろんな悩みや家族のことで、ぷしゅうと空気が抜け、悲しいことはある我が身。益田さんと違って、才能もない。気分を上げて、毎日を、ぽんぽんっと背中を押したい私からすれば、自分の鬱陶しい悩みを、ぽいっと投げて見せられたようで

    「こんなところでまで、それ見たいんじゃないのよ。ごめんね。」

    という気持ちになってしまった。益田さんが心から楽しい気持ちで旅をなさったエッセイが、また出たらいいな。その時は一番乗りに読んで、レビューを書かせて頂きたい。

  • わかる、と思う、ひとり旅で色々もの思うもの悲しさ。一緒に等身大の旅をしているような気持ちになる本。ミリさん、元気出して、と励ましたくなるような。

    スープが美味しそう。スーパーのお惣菜も美味しそう。フィンランドに行ったら食べてみたい&行ってみたいメモ。
    ハカニエミマーケット(オールドマーケット?)のソッパイケッティオのパプリカスープ、とろとろネギスープ、カフェアアルト、マリメッコの社員食堂、スーパーのヨーグルト、ミュールマキ教会の光の音符、テンペリアウキオ教会で確かにパイプオルガンの響き聞いてみたい。イッタラのガラスのコップ。

    ミリさんの、人はたくさんの空想をして大人になる。魔法の小道具は「鍵」だった、その大切な魔法の鍵を一度の魔法で使い切ったのくだりが泣けて沁みた。

  • フィンランドに行きてくなった。ふらっと一人でカフェに入っておいしいご飯食べたいな。同じお店に入ってちがうメニューも頼みたいけど、外れたら嫌だから中々冒険できないのよね。色んなお店のシナモンロールを食べ比べたいなあ。デパ地下にもすごく惹かれる。

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。イラストレーター。主な著書に『欲しいものはなんですか?』『みちこさん英語をやりなおす』『そう書いてあった』『今日の人生』『しあわせしりとり』『すーちゃん』シリーズ、『マリコ、うまくいくよ』『僕の姉ちゃん』シリーズ、『スナック キズツキ』『ツユクサナツコの一生』『ヒトミさんの恋』『ランチの時間』等がある。

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