MR

著者 :
  • 幻冬舎
3.64
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  • (3)
本棚登録 : 693
感想 : 88
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  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344037632

作品紹介・あらすじ

患者が苦しめば苦しむほど、
俺たちの給料は上がるんだよ。

製薬業界の光と影を描いた医療ビジネス・エンタテインメント。著者渾身の最高傑作!      


「患者ファースト」のMR vs. 儲けしか頭にないMR

大阪に本社を置く中堅製薬会社・天保薬品。その堺営業所所長であり、MRの紀尾中正樹は、自社の画期的新薬「バスター5」が高脂血症の「診療ガイドライン」第一選択Aグレードに決定するべく奔走していた。決まれば年間売上が1000億円を超えるブロックバスター(=メガヒット商品)化が現実化する。ところが、難攻不落でMR泣かせの大御所医科大学学長からようやく内定を得た矢先、外資のライバル社タウロス・ジャパンの鮫島淳による苛烈な妨害工作によって、一転「バスター5」はコンプライアンス違反に問われる。窮地に追い込まれた紀尾中以下、堺営業所MRチームの反転攻勢はあるのか。ガイドラインの行方は? 注目集める医薬業界の表と裏を描いたビジネス小説の傑作、誕生!

感想・レビュー・書評

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  • 著者が医師だけにリアリティがある。

    本当にあるだろうなと思わせる医師とMRとのやりとりは凄みも感じる。

    製薬会社のオモテとウラも楽しめて読めた。
    チームのメンバーの個性もありすぎて面白い。

    実際、病院で処方してもらう薬にしろ市販の薬にしろなくてはならないものだからこそ正当な過程を経て使いたいもの。

    薬害被害であったり、ワクチン反対派であったり薬に対して拒否反応を示す人もいるだろう。
    医師であっても薬無しを推奨する人もいるだろう。
    それでも頼らずには生きていけない人もいるわけで製薬会社は必要。

    病院と製薬会社それに厚労省が加わるともっとドロドロとした闇の部分が出てきそうだが、そこを深く追及しておらず医療ビジネスのエンタメとしてはスッキリとスマートに終結していた。

  • 説明 (Amazonより)
    患者が苦しめば苦しむほど、
    俺たちの給料は上がるんだよ。

    製薬業界の光と影を描いた医療ビジネス・エンタテインメント。著者渾身の最高傑作!


    「患者ファースト」のMR vs. 儲けしか頭にないMR

    大阪に本社を置く中堅製薬会社・天保薬品。その堺営業所所長であり、MRの紀尾中正樹は、自社の画期的新薬「バスター5」が高脂血症の「診療ガイドライン」第一選択Aグレードに決定するべく奔走していた。決まれば年間売上が1000億円を超えるブロックバスター(=メガヒット商品)化が現実化する。ところが、難攻不落でMR泣かせの大御所医科大学学長からようやく内定を得た矢先、外資のライバル社タウロス・ジャパンの鮫島淳による苛烈な妨害工作によって、一転「バスター5」はコンプライアンス違反に問われる。窮地に追い込まれた紀尾中以下、堺営業所MRチームの反転攻勢はあるのか。ガイドラインの行方は? 注目集める医薬業界の表と裏を描いたビジネス小説の傑作、誕生!



    この作家さんは医師でもあるため 作品に現実味をいつも感じてしまう。
    きっと内容は現実に近いのだろうなぁ...と想像している。
    でもそうやって世の中は回っているのだろうし...
    歳と共に身体の不調が出始めてきている。
    老化とはそういうモノだと思ってはいますが なかなか...しんどいものです。
    薬漬けにはならず 最低限必要なものだけでやり過ごしたい。
    539Pもの分厚い本ですが とても読み応えがあり面白かったです。

  • 連作短編集で文庫本にすると上下巻になる内容量。
    殆どが予定調和である感は否めない。

    最初はチーフMR以下の小さな物語だが、所長クラス以上の物語になると面白味が増した。何だか話の作りが某作家の経済小説に似ているようにも思えた。

    グレーな結末も製薬業界の光と影を表しているのだろう。

  • 読書備忘録618号。
    ★★★★。
    一般大衆娯楽小説のカテゴリとして医療という分野は欠かせない。
    ただ、これまであまり無かったのが製薬会社視点の物語。わき役として登場することはあっても主役では無かった。
    この作品は、製薬会社のMR(医療情報担当者)達が繰り広げる、業界のオモテウラを描く小説ということです。

    まあ、面白かったです!
    ストーリーの重厚さや、手に汗握る緊迫感で言えば池井戸潤には及びませんが、さすが医者出身の作者ならではの作品。

    一発当たれば製薬会社にとんでもない利益をもたらすブロックバスターと呼ばれるヒット商品(医薬品)。
    すべては国のガイドラインに載るかどうかで決まる。
    製薬会社間の足の引っ張り合いや、製薬会社と癒着する医師、製薬会社内での派閥抗争など、ビジネス小説のエッセンスが詰め込まれている。

    ただ、繰り返しますが、容易に想像できる展開なので、手に汗握らない。笑
    備忘録として記す内容もあまりない・・・。
    でも、おススメでないとも言えない。
    結論!微妙。笑

    • ほくほくあーちゃんさん
      「微妙」に笑っちゃいましたー(*´艸`*)
      「微妙」に笑っちゃいましたー(*´艸`*)
      2021/11/09
    • shintak5555さん
      微妙に面白いという感じです。笑
      キレッキレの美女MRに手を出そうとするボンボン医者が男として悲しい。
      微妙に面白いという感じです。笑
      キレッキレの美女MRに手を出そうとするボンボン医者が男として悲しい。
      2021/11/09
  • 舞台は製薬会社。

    自分の会社が開発した薬を処方してもらうために、奮闘する薬の営業の話。

    ライバル会社の妨害と、自分の会社の中の妨害の2つの話から成り立っていると思うのですが、最初の話に行くまでのその話が長いなぁと。(説明がないと分かりずらいのかもしれませんが、そこまでの説明はいらないかなぁと)

  • 読むほどに面白くなる医療お仕事小説。医療ものといっても薬をドクターに売り込むMRという職種を描いている。久坂部さんならではのお仕事小説といえるだろう。内容は「超」が付くほどに娯楽的で勧善懲悪がはっきりとしている。そのため登場人物たちは既視感のあるキャラばかりで目新しさはない。しかしながら弱きを助け強きを挫く、というまず間違いなく面白いだろうなという路線で話が進むのでサクサク読める。また難しいであろう医療用語を上手に書いているため全く苦にならない。現実でもこんな事案があるのだろうか。ドラマ化希望!

  • 11章にあるHPVワクチンの話が、不安を煽って製薬会社の売り方がずるいという話で終わっている。なぜ推奨年齢がこの年齢になっているのかも、きちんと説明されていない。ここでは伏線としての話で後で当然回収されるものと思っていたらそのままこの話は終わり。これでは小説を読んでいる人が不要なワクチンだと誤解するのではないか。小説なんだから本当のこととは限らないとしても、名前も同じものを使っているなら考慮して欲しい。

  • 製薬会社と医者との関係がリアルで面白かった。
    少し前までは豪華なお弁当付きの薬の勉強会なんか日時用でしたからね。
    会社経営と理念をいい具合に擁立できると良いのでしょうが。
    不器用な私は理念一途かな。勉強になりました。
    続きが気になります。

  • 分厚いが短編集なので読みやすい。各章で起承転結があるのも読みやすさのポイント。上下巻に分けても良いかもしれない。これだけの長作なら結末も匂わせでなくて描き切って欲しかった。

  • MRの仕事に興味津々と読むことができました。
    半沢直樹の製薬会社版、といったところでしょうか。

    出てくる主要キャストも癖もの揃いだし、最後ラストは続編を感じさせる終わり方だし、一章ずつ話が違ったりでTVドラマ向きな小説ですね。

    しかし、この本分厚い!長い!
    ドクターでもある作者は、たくさんの事例を盛り込みたかったのだと思いますが正直なところ読んでいて中だるみもしました。

    主人公、紀尾中を深掘りしたエピソードも読みたかったなぁ。

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著者プロフィール

医師・作家・大阪人間科学大学教授

「2016年 『とまどう男たち―死に方編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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