コロナの暗号 人間はどこまで生存可能か?

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344038165

作品紹介・あらすじ

文明の転換期に警笛を鳴らす小舟の一つとなることを目指した解説書。
コロナ・科学・人新世などについて、各節を簡潔にまとめた「まとめ」の文とあわせてわかりやすく紹介

【もくじ】
1人間自身が招いた「新型危機」の時代
現代文明の「モア・アンド・モア」が人類を滅亡させる
「第六次大量絶滅時代」を招く「人新世」という時代
「成長の限界」どころか「生存の限界」に向かう地球
ほか

2「コロナ」が教えてくれたこと
二年前の危惧が現実化した新型ウイルスのパンデミック
コロナ禍は「人新世」に乗じて爆発的に広がった
人類と共生してきたウイルスの人知を超えた戦略
ほか

3科学者は間違っていなかったか
コロナ禍も大災害も「想定外」では済まされない
役に立たない科学が、じつは一番役に立つ
「役に立つ科学」に偏ると人類の将来が危うくなる

4遺伝子は「いのち」の謎に迫れるか
生命や宇宙の研究にも求められる人間としての節度
ゲーテが予言していた遺伝子操作の危険性
遺伝子も酵素も生物の「部分」であり「全体」像に届かない
ほか

5人類は遺伝子ONで進化する
常識の歴史的転換を迫った一本で一万個のトマト
崖っぷちに立つ人類も、変身できる可能性がある
ほか

6人類が「生きる」ための「合い言葉」
宇宙飛行士が感じ取った「生きている」地球の痛み
「生きていること」の本質を示す自然界の高度な秩序
地球は生きている
ほか

7危機の時代に日本人がはたす役割
受難の時代に求められる日本人の利他的遺伝子
いくつもの歴史に明らかな日本人の利他的伝統
危機状況でこそ発揮される日本人の日本人らしさ

おわりに
  全体のまとめを兼ねて 〜「コロナ」の暗号に隠された人類生存の知恵
*「コロナ」が促した生き方の転換
*新しい生き方のヒント「新3S」
*西洋と東洋を結ぶ〝超合理〟の考え方
ほか

感想・レビュー・書評

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  • 独特な表現の著者だが、「なるほど」と思わせられる部分もあった。

    ⚫︎「地球に優しい」は傲慢
    人間の方が地球に守られて生きている
    →今まで良い言葉と思ってきたが、言われてみれば人間本位な言葉であることに気づけた。今後はもっと謙虚でありたい。

    ⚫︎ 水耕栽培(ハイポニカ農法)野沢重雄
    「植物は土に根を生やしているために、潜在的な生長力が抑えられている」
    →これは逆説的だが面白い。常識を疑うとはこのようなことを言うのだ。

    ⚫︎ダライ・ラマ法王の言葉を引用して、「賢い利己心」を解きます。
    「人は他の人間の存在なくして生きてはいけません。ですから、他の人々の健康と幸せに関心を寄せ、苦しみを分かち合い、救いの手を差し伸べるならば、結局はあなた自身が徳をすることになるのです」
    →人を助けることが、自分を助けることにつながると言う、宇宙的な俯瞰した考えであり、難しいがこのような考えを持つようにしたい。

  • 科学者としての謙虚さを持ち、自らに警鐘を鳴らしている。
    利他的な利己を唱える筆者の文ではコロナは一例であり、遺伝的な人間の可能性を示してくれている。
    サムシンググレートとは怪しい言葉ではなく、祈りとも少し違うと感じた。
    見えない偉大なものへの感謝を説く、優しい本であり、読むと意識を正したくなる良書と感じた。

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著者プロフィール

筑波大学名誉教授。米国オレゴン医科大学、京都大学農学部、米国バンダービルト大学医学部等を経て、1978年より筑波大学応用生物化学系教授。同大遺伝子実験センター長、先端学際領域研究センター長等を務め、99年に退官。83年に高血圧の黒幕である酵素「レニン」の遺伝子解読に初めて成功、世界的な注目を集める。90年、マックス・プランク研究賞、96年、日本学士院賞を受賞

「2021年 『コロナの暗号 人間はどこまで生存可能か?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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