- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344040724
作品紹介・あらすじ
甘いだけのアドバイスなんてもう要らない!厳しかったり、ゆるかったり。突き放したり、抱きしめたり。ガンなった写真家が、相談者の心のど真ん中を刺してくる!本気で悩む人の「本当に欲しい言葉」が見つかる、唯一無二の人生相談。簡単に慰めない。安易に共感しない。でも真実を捉え、時に耳の痛い言葉を、時に誰よりも温かい言葉を、”心の的のど真ん中”に、放り込んでくる!この鋭さは何?この痛みは何?この居心地の良さは何?この希望は何?……甘いだけの人生相談なんて、もう要らない。背中を”本当に”押してくれる、唯一無二の人生相談。=====Q「信者の母のもとで育ち、宗教から離れたいが、怖い」Q「自分の性について、パートナーにカミングアウトすべきか」Q「風呂で亡くなった母は、事故死なのか自死なのか」Q「57歳、無職、独身。お金が無くなったら死ぬしかない」Q「おもしろい人になりたい」Q「貧乏から抜け出せない」 など、31の悩みに対して、あなたのためだけに、手加減ゼロで弾き出される言葉とは――?「自分がしあわせになることが、いちばんみんなをしあわせにするんですよ」「他人から嫌われるよりずっとつらいのが、自分で自分を嫌うことです」「人は、自分よりも弱い存在にどう接するかに、いちばん人柄があらわれるよ」「親って、自分の苦しさには敏感なんだけど、子供の苦しさには鈍感なんです」「自分が苦しいからって、誰かを苦しめていい理由にならないよ」「ちいさい失敗はちいさく成長して、大きな失敗は大きく成長します」「人ががんばれるのって、終わりの見えている短期間だけだよ」「自分がちょっといいモノを使っているときに、いいモノに気づいてくれる人は、いい人です」「敵意は敵意で返ってくるけど、好意は好意で返ってきます」=====厳しかったり、ゆるかったり。突き放したり、抱きしめたり。ガンになった写真家の言葉に、みんな息を吹き込まれる!webメディア「cakes」終了で読めなくなった人気連載を収録!cakesでアクセス1位を獲得した人生相談の、完結版です。
感想・レビュー・書評
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6月第4週はプライベートでいろいろあり、まさに「だいたい人間関係で悩まされる」状態だった。
いちばん身近にいる人とすれ違うのは、本当につらい。本当にしんどい。
そのときのわたしは、気持ちと思考が半分切り離されたような状態だった。
気持ちは泥のようにグジャグジャしているのに、思考はうつのときに読んだ本から書き写したフレーズがリフレインしていた。
そんな状態に、自分でも驚いた。
思考もあるけれど気持ちに引きずられて不眠にはなるし、食欲もガッツリ落ちてつわりのときに張るくらい、体重が落ちた。驚いた。人間て食べないとこんなに体重減るんだ…(いやそりゃそうや)
その自分をかろうじて支えているのが、うつになったときに得たもの、読書のなかで書き写した考え方だった。
うつのときのわたしが、今のわたしを助けてくれた。
そのことに、本当に驚いたのだ。
そして新たに読んだこの本も、先週のわたしを支えてくれた。
「失敗や負けを許さないで否定する生き方ってすんごい疲れるのよ。だからまずは自分が楽になるために、人の失敗を肯定するのがいちばんいいよ。」(53ページ)
「だから勇気って、『失敗をする勇気』だとおもうんですよ。」(142ページ)
未だに、人の失敗にはそこそこ、いやかなり?いやだいぶ?厳しいときがある自分…
しかもそれはだいたい、心に余裕がないときばかりだ。
人の失敗を許さないということは、自分の失敗も許されないわけで、ますます自分の首をしめて生きづらくしているということ。
わかってるつもりだったけれど、あらためてこのタイミングでそれをこの本もから言ってもらえたことで、今度は前より深めにこの言葉を心に刻むことができた。
次にここまで落ちこんだときは、この言葉も浮かんでくるだろうな。
(いやできればここまで落ちこむのは勘弁!ではあるけれど)
この本を読みきったあと、仲直りできました。ありがとうございました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
幡野さんの率直なお答えに引き込まれ、ぐいぐい読めてしまう人生相談でした。
後日談もとてもよかったです。
幡野さんのお人柄のあたたかさが伝わってくるようでした。 -
前にこのシリーズの本を読んで、おもしろい文を書く人だなあとそのユーモアセンスに惹かれて好きになった方の本。
やっぱりおもしろい。
読んでて刺さったり笑ったりなるほど〜と思ったところはいっぱいあるんだけど
その中でもより印象に残ったもの。
「不幸マウンティングを、社会の声と勘違いしないで」
→私にも刺さりました。まさしく似た気持ちを味わったことがある。
頭の中では何度も親を詰り、泣き、怒り、憎みました。
毒親という言葉を知ってからは両親とも毒親だったんだ、だから私は生きづらいんだと自分に起こってきたこと、現在起こっていること全てを両親のせいにしました。
そんなんじゃ意味ない、自分の力で前に進まねば。そう正論を頭の別の場所で冷静に見ようとする気持ちも、痛いほど分かります。
そうやって主張していないと、突っ込まれてしまうんですよね。めんどくさいことに。
幸せな家庭で育ってきたのなら外野があれこれ言ってくることは無いし、親との問題を乗り越えた人ならそっと見守るだけ。
「それは違うんじゃない」と知った顔で言ってくるのは未だ解決していない似た傷を持った人だけ。
だから私も反応しました。
子供の頃に親の顔色を伺ったことって一生消えることがないのかもしれない。
現に私だって紙に思いつく限りの罵詈雑言を書いて、実際に両親にも言って、実家を離れて距離を取っているけれど
それでもこの手の話に共感出来てしまう。
だから、一生解決しようとしなくていいのかもしれない。
幡野さんの穏やかなゆるっとした返事を読んで、気持ちが少し落ち着いて、ふとそう思いました。
親との過去に固執すると、余計に当時辛かった思いをしたことだけがクローズアップされていってしまうから
思い出せないくらい日々を忙しくしたり自分の好きなことや物で埋め尽くすことが最優先かな。
というわけで、私はずっと気になっていたお宿に泊まり、本を読み、ブログを書いたりこうして感想を書いたりしています。どうかな?
結婚と出産が当たり前じゃない。
言葉では散々目にも耳にもしてきたフレーズが、私の脳みそに届いていなかったことを知る。
住んでいるのが田舎、両親ともバリバリの昭和の価値観を持っていることが影響して自覚出来ていなかった。
私、結婚も出産も「して当たり前」と思ってたんだ。
だからどちらもやらない自分に居心地の悪さを感じてたんだ。なるほど。
こうして無自覚な思いに言葉で形を与えてくれる体験が出来るのが、本を読むことのおもしろさだよなぁ。
相談者のその後って分からないからこういう紙面で完結してしまいがちだけど、そうだよね。その後の人生あるもんね。
実際にお茶しに行ったり会ったりしていて、相談者が紙面上の存在では無い、生身の人間だという当然のことに気付かされた。
その後幸せそうにしているようで良かった。 -
p249「好きなことを目指す→生活が成り立つかわからない→あきらめる」みたいな考えだと背水の陣になるんだけど「好きなことを目指す→生活が成り立つかわからない→他のことで生活を成り立たせる」という考えだと持久戦になるから、好きなことをできる期間が長くなります
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幡野さんの本、二冊目。
たしかにほんとそう、とか、普段、私もこう思っているなぁ、と共感できることがたくさんある。
ただ、なんとなく前の本より全体的に厳しくなっていて、このあたりで最終回、なのはそうなんだろうなぁ、という感じがした。
「優しい虐待」というのが、印象的だった。病気になった人がやられがちなことなのだろうか。代替医療とか、食品とかきくよ、試さないの、といってくるやつ。
幡野さん、ちょっと疲れたのではないかと思う。 -
幡野さん言葉は厳しく優しく心に残る。
今回もドラマのようなと言っては怒られるかもしれないが、本当にさまざまな相談があって驚かされる。
自分は平和でのほほんとしている、ありがたくもあると感じた。
最後のあとがきはグッときた。