- Amazon.co.jp ・本 (536ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344040816
作品紹介・あらすじ
子供達よ、信じるんだ。未来はいつも面白い。世界の平和のため、ダメダメ総理が獅子奮迅!?主要国リーダーが集結する“マスターズ和平会議”に極東の小国・ピースランド首相が、まさかの遅刻。そのおかげで惨劇を免れた彼は、ドン・キホーテのごとく立ち上がるが……。笑いと興奮と感動と――。「言葉の力」を信じる爆笑問題・太田光、祈りのような書き下ろしエンターテインメント!「笑いもので結構! 私の子供の頃の夢はコメディアンだ。偉大なコメディアンになって世界中を笑わせたいと思っていた。今こそそれを叶えてやる」“マスターズ和平会議”はテロ国家共同体ティグロ代表・ブルタウにより破壊された。会議に遅刻し、世界に恥を晒したピースランド首相・富士見はマスコミから糾弾され、デモ隊から生卵をぶつけられ、支持率は地に落ちた。しかし彼は会議を再開するべく、フロンティア合衆国の大統領代理・アンに想いを込めた手紙を送る。富士見を取り巻く桜を始めとした個性のキツイ秘書たちと、アンと彼女を支える国務長官・ダイアナは、武器ではなく「言葉の力」で、どんな国のどんな立場の人間も置き去りにせず、世界を一つにしようとする。しかし、両親をテロで亡くしたアンには、ある秘密があった――。
感想・レビュー・書評
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ここまで引き込まれる作品だとは全く想像できなかった。近未来の国家同士の争い、争いからの融和への道なり、という重いテーマではあるが、個性豊かな登場人物、ユーモア溢れる会話など、全体を通してポップなコメディー作品であり、楽しみながらどんどんページをめくることができ、爽快感のある読後であった。
的確な現実描写、現実への皮肉、未来への希望、そして笑いがバランスよく含まれており、太田さんにしか描けないものなのだろうなと感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
●なぜ気になったか
個性が強くてちょっと引き気味になることもある太田さんだが、考え方が面白くもあり一目はおいている。そんな彼からどんな物語が創作されて、それが僕にあうのかを確かめてみたい
●読了感想
いやー、びっくり! 太田さんの小説が、2段組532ページなのに飽きずに楽しく読み切れるほど相性いいなんて! 常日頃世の中のこといろいろ考えているんだなぁと感じられ、太田さんの印象がすごく変わった
#笑って人類!
#太田光
23/3/8出版
#読書好きな人と繋がりたい
#読書
#本好き
https://amzn.to/3LAg7RP -
まず、本が分厚いのに驚いた
忙しい身であろうに
いつ書いていたのだろうか
どれくらいの時間を費やしたのか
思いをすべて詰め込んだんだろうなと
魂を感じた
話を並行して流したり、
時間軸を遡ったり、構成もすごく工夫しているなと
思った
ほんとにもう、力作!!って感じ
場面が頭に思い浮かぶのは
文章がうまいからか、それとも既視感のある話だからか
このへんはようわからん
正直、
なんか聞いたことがある話をうまくまとめているな
という印象で、
天才的な作品というより秀才的な作品という感じだった
太田さんが書いたとしらなかったら
どういう読み方になったかな
この総理夫婦は自分たちを投影したものかな
とか含め、先入観入りまくった
太田さんのこと好きなら一読の価値ありと思います。 -
脳内に映像が浮かびすぎて、面白い映画を見終わった後のような読後感!太田さん、すごいな(゚ロ゚;)ピ-
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近未来の世界を描いた物語。
かなりの長編だが、そう苦にならない。
テロ国家も含めた平和条約締結会議で、首脳によるまさかの自爆テロで計画は頓挫。その後、各国はどうふるまうのか。世界はどうなってゆくのか。
近未来に起こりそうなことがちょっとずつ織り込まれ、話は進んでゆく。スマートではなく、少しずれた人たちが活躍するのがいい。
タバコのお約束もいい。
「未来はいつも面白い」太田さんの思いが詰まった物語なんだと思う。 -
今回爆笑問題の太田光がどんな小説を著わすのか興味がわいたので求めてみた。期待通りの作品だった。実に面白かった。読んでいて気になっていたのが講和條約の内容ってどんな内容かななんて思っていたが、最後になって全文が出てくるなんてビックリ‼️
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今季ここまでの最高の一冊、かもしれない。
著者の理想をふんだんに詰め込んだような、「あぁ、太田さんらしい」という思想が随所に。終盤は特にそれが怒涛。
最高のSFエンタメ小説。最後は読み終わりたくなくてゆっくりじっくり読んだもんね。
条約全文も圧巻。
未来はきっと、面白い。人類はきっと、もっとやれる。
そうでありたい。 -
著者の情熱と執念が爆発した2段組500頁越えのの超大作。シリアスとコメディのバランスの取り方は太田氏ならでは。まさに真骨頂だと思った。哲学的ィーな思想観も随所に散りばめられていて、かと思えば、個々の人物の細かな心理描写も描かれていて満足感は高かった。
個人的には、踊る大捜査線のスリーアミーゴスを彷彿とさせる魅力的なおじさん達がツボだった。
気になった点
情熱と執念が爆発した結果、ページ数も爆発していて、ストーリーの割に合わない長さになっている。時系列を入れ替えて、結果が分かっているにも関わらず、なぜか緊迫感を煽るシーンとか特に気になってしまった。あと、群像劇の要素が多いため、富士見の魅力が少々薄かったのも残念。
もし、いつか文庫化の機会があれば、半分くらいに削ってまとめれば超名作になる予感もする作品。