永遠の仔(四)抱擁 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344405837

作品紹介・あらすじ

笙一郎と梁平の三人だけで母の葬儀を終えた優希は、悲しみを振り払うように再び病院に戻っていた。失踪を続けていた聡志は笙一郎の前に現れ、事件の真相と姉への思いを語り始めるが、捜査の手が伸びたことで再度逃走を図り、交通事故に遭い病院に搬送される。意識を取り戻した聡志に、優希は長年抱えてきた秘密を告白する決意を固めたが…。

感想・レビュー・書評

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  • 母親を焼死させ、失踪していた聡志が笙一郎に真実を語っている途中で、警察が現れる。再び逃走した聡志は交通事故にあい、亡くなってしまう。

    梁平が、子供の頃から距離をおこうとして来た養父母を横浜でもてなした際、養母が梁平にかけた言葉が刺さった。
    「結婚しなくても、家族を持たなくてもいい。でもね、できれば、一緒に生きる相手は見つけてほしい。相手を認めること、相手から認められることが、生きてゆくには、大事だと思うもの。・・・人を信頼してまかせたり、まかせられたりできるのも、ひとつの成長かなって思うし。ゆっくりでもいい、自分を開いてみたら、どう・・人にすべてを託して甘えることを、自分自身に許してあげたら、どうかしら」
    どんなに距離を置かれても、その心境を理解し、常に寄り添おうとしてくれる、そんな養父母に育てられたことに気付き、養母の言葉に勇気付けられて、梁平は奈緒子のところに行ったが、奈緒子はすでに冷たくなっていた。
    一瞬光が見えた気がしたのに、やるせない。

  • 古本屋さんで1、2、3,5を手に入れたまま読み進めたこの本。
    あっという間に1、2、3と終わり、4冊目がどうしても欲しく、平日にも関わらず本屋さんへ駆け込んでしまった。
    一刻も早く読みたかった。

    どう見てもハッピーエンドには向かっていないけど、それでも話の中に引き込まれてしまう。
    早く5巻が読みたい!
    結末はどうなるんだ!!

  • 長瀬笙一郎の母まり子はまだ許せるとして、久坂優希の父、雄作の腐れ具合に心底げんなり。
    それに比べると、多摩桜病院でたまたま一緒になった岸川夫妻と、有沢梁平の義父母の人柄は救い。さて、最終巻はどんな展開が待っているのか?

  • 記録用(感想は(一)に記載)

  • 笙一郎と梁平の三人だけで母の葬儀を終えた優希は、悲しみを振り払うように再び病院に戻っていた。失踪を続けていた聡志は笙一郎の前に現れ、事件の真相と姉への思いを語り始めるが、捜査の手が伸びたことで再度逃走を図り、交通事故に遭い病院に搬送される。意識を取り戻した聡志に、優希は長年抱えてきた秘密を告白する決意を固めたが…。

  • 梁平と養父母の会話がとても切なく胸に迫るものがあった。お互いに大事に思っているのにどこか遠慮して踏み込めないでいる。一言で分かり合えるのに。。たぶん永遠に通じることがないと思うととても切なくなりました。

  • 死んでゆく人が増えた。ラストの方の、義理の親と梁平のやりとりのところが、切なくてつらい。

  • 悲しみばかりが降り注ぐ。
    過去、自己嫌悪、猜疑心、悲しみ、憎しみ、傷痕。
    そんな全てをそのまま受け入れ、自分を1人の人間として認め支えてくれる存在に出会う、そんな奇跡が起こるのかな。
    そんなことが起きたら、とても幸せなことだと思います。

  • 親の罪の大きさを思わせる。

    自分の両親がまっとうに、目立った歪みを生じさせることなく育て上げてくれたことは、当たり前のことじゃなかったんやと改めて感謝する一方で、自分が将来ちゃんとした親になれるのか怖くなる。

  • 後一巻 ここまで読んで 悲しすぎる
    三人の話に事件が絡んでいてストーリーを深くしている 早く続きを!

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著者プロフィール

天童 荒太(てんどう・あらた):1960(昭和35)年、愛媛県生まれ。1986年「白の家族」で野性時代新人文学賞受賞。1996年『家族狩り』で山本周五郎賞受賞。2000年『永遠の仔』で日本推理作家協会賞受賞。2009年『悼む人』で直木賞を受賞。2013年『歓喜の仔』で毎日出版文化賞を受賞する。他に『あふれた愛』『包帯クラブ』『包帯クラブ ルック・アット・ミー!』『静人日記』『ムーンナイト・ダイバー』『ペインレス』『巡礼の家』などがある。

「2022年 『君たちが生き延びるために』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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