学校の事件 (幻冬舎文庫 く 2-4)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344408739

感想・レビュー・書評

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  • 青山県吹上市。
    この架空の町の学校関係の人々におこった恐ろしい事件の数々を、
    読みやすい文体と表現力で書いた連作短編集でした。

    学校の行事になぞり、
    1学期から3学期までと夏休み、冬休み、春休みの間におこった
    6つの事件がリアルに描かれていました。

    引きこもり教師の起こした殺人事件、
    林間学校を襲撃した40人殺人事件、
    連鎖的におこった殺人事件に町の人は震えあがりますが、
    それが引き金となって、
    次々と人の心の奥底に潜む悪魔が目を覚まします。
    まじめで型物なお面をかぶった教師たちの
    裏の顔があらわれ、第3、第4の事件や殺意へと繋がっていったのです。

    「うつ病」や「ひきこもり」など
    心の病気も学校の先生に多いようですね。
    それだけ職場で御苦労もされているのだと思います。
    でも、そこから、殺意へと発展するのは、
    少し狂っているとしかいえないでしょう・・・

    そんな人間の心の弱さを
    架空の町の1年に凝縮した、こわい、こわい物語でした。

  • 田舎の事件に続く、筆者独特の陰湿かつホラーチックな
    田舎の学校を舞台に起こる事件。
    一見バラバラに起こった事件かと思いきや、連作形式により
    その隠していた背景が浮き上がってきた時の嫌悪感には
    ちょっと「ゾッ」としました。怖いです。

    なんとなく厭な感情や、肌触りの悪いタオルで顔を拭くような
    嫌悪感を抱かせてくれますw。

著者プロフィール

1960年、三重県生まれ。
早稲田大学在学中に幻想文学会に参加、分科会の幻想短歌会を主宰。
1987年、短篇集『地底の鰐、天上の蛇』(幻想文学会出版局)でささやかにデビュー。
1989年、第一歌集『日蝕の鷹、月蝕の蛇』(同上)を刊行。
平成とともに俳句に転向、「豈」同人。句集に『アンドロイド情歌』『悪魔の句集』『怪奇館』など。俳句関連書に『怖い俳句』『元気が出る俳句』『猫俳句パラダイス』などがある。
1998年より専業作家。ホラー、ミステリー、幻想小説など多彩な作品を発表。近年は時代小説の文庫書き下ろしを多く手がけ、オリジナル著書数は130冊を超える。
趣味はマラソン、トライアスロン、囲碁・将棋、油絵、鉄道など。

ホームページ「weird world 3 倉阪鬼一郎の怪しい世界」
http://krany.jugem.jp/

「2017年 『世界の終わり/始まり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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