世界は「使われなかった人生」であふれてる (幻冬舎文庫 さ 18-2)

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  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344409422

感想・レビュー・書評

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  • 私も学生時代よく映画を見た。テレビの映画はほとんど見たし、ロードショーも出来るだけ見た。受験で勉強に集中しなければならない時期に2時間の映画を最初から最後まで集中して見た。
    それがなければ、もっといい学校に行けたかもしれないが、映画が情緒的な部分私に与えた良い影響も計り知れない。
    この作品は、作者が見た映画で印象に残ったものを、紹介している。簡単なストーリーも紹介してくれるので、そのドラマに引き込まれるようだ。実際に見たことのある映画はわすかだが、今後機会があったら、是非見たいと思った映画いくつかある。

  • 映画評です。
    いや、著者は「批評ではないのは無論のこと、・・・感想文ですらない」と書いているので、普通に映画評ではないですね。
    映画を題材にして、まあ、大げさに言えば彼の哲学(?)、人生観(?)を語るような内容でしょうか。

    取り上げられている映画は多種多様、ほとんど観たことのないものばかりでしたが、彼独自の視点で解きほぐされていて面白かった。

    学生時代には毎日のように観ていた映画。
    この本を読んで、またいろいろな映画を観たくなりました。
    そう・・・行ったことも、行くこともないかもしれない国に触れ、旅をするように。
    そして、使われなかった人生を辿り・・・ありえたかもしれない人生を追憶するように。

    【収録作品】
    『天使のくれた時間』
    『マダム・スザーツカ』
    『偶然の旅行者』
    『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』
    『日の名残り』
    『バグダッド・カフェ』
    『シルビーの帰郷』
    『スピード』
    『髪結いの亭主』
    『タクシー・ブルース』
    『黄昏に燃えて』
    『フィッシャー・キング』
    『恋恋風塵』
    『アンフォギブン』
    『人生は琴の弦のように』
    『オリヴィエ オリヴィエ』
    『グレイスランド』
    『青いパパイヤの香り』
    『ダンス・ウィズ・ウルブズ』
    『運動靴と赤い金魚』
    『フォーリング・ダウン』
    『春にして君を想う』
    『ムトゥ踊るマハラジャ』
    『17歳のカルテ』
    『ワンダーランド駅で』
    『ローサのぬくもり』
    『フェイク』
    『八日目』
    『ペイ・フォワード 可能の王国』
    『セントラル・ステーション』
    『トゥルーマン・ショー』

  • タイトル買い。映画についての考察です。
    表題作は「あぁ、そうだなぁ」と、目線が交差して心地よかった。
    がしかし表題作以外は別に・・といった感じでちと残念。というか、なんか・・素直に好きって言えない感じの雰囲気を醸すなこの人は。
    同じ系統でいうなら堀江敏之の声と目線が好きなので、この本にそこまで興味は残らなかった。

    「多くの人は自分のわからなさを深くつきつめないまま、外界からの照り返しにすぎない幻影の自己を受け入れ、行動していくことを学んでいく。
    それが最も傷をうけることの少ない道だということを、本能的に知っているからだ。」
    自分のことをわからなくてイライラする。足掻く。見つめ直す。ドつぼにはまる。最近の私はそんな感じだから、この人の文章は感覚に一番近いところで理解できる。
    なのに、なんでこんなに素直に受け止められないんだろう。なのに気づくとこの人の本買ってしまうという。そしてまた「うーんなんかしっくりこない・・・」と・・・堂々めぐり。
    私の場合の恋に似ている。屈折した共感なのかなー。

  • 「『愛』という言葉を口にできなかった二人のために」があまりにも良かったので…
    でも、こっちは「映画から始まるエッセイ」というよりは、「映画のエッセイ」。
    しかも、全部見たことがなかった映画でした。
    普段、邦画ばかり見ていたけど、この中から3作見ました。
    ・フィッシャー・キング
    ・17歳のカルテ
    ・トゥルーマン・ショウ
    ・運動靴と赤い金魚
    見てみると、洋画もいいなぁ、と思いました。
    2009.4.22〜4.30読了

  • 映画評だけど、私の勉強不足なのかほとんど映画が分からない。

    そういうのって読んでてちょっと苦しい。

    知っている人にはいいのかなぁ。

    淀川さんのところは切なくなりました。

  • 本書は映画感想文です。とても好きなタイプの映画評でした。オリヴィエオリヴィエ。八日目。髪結いの亭主。運動靴と赤い金魚。バグダットカフェ。この5本。鑑賞したことがなかったら6月は雨だしどこにも出かける用事がなくって暇してたらぜひご覧になってみたらいかがでしょうか。きっと観てよかったとなる映像作品たちです。

  • 映画評だと知らずに買ったけども、おもしろい視点だった。たしかにその通りだよね。『トゥルーマン・ショー』とか『セントラル・ステーション』とかまた観たくなった〜

  • 新聞で出会った沢木耕太郎さんの文章、それがとても馴染む文章だったので、読みたい作家さん。
    未読

    本屋で若かりし日の作品を発見。でも薄汚れている。買えばよかったかも。
    しかし仮に買ったら、新刊書店の絶版売りで見つけて地団駄を踏みそう。

  • 誰か他人の書く映画評というモノをはじめて読んだ。映画について友人と話すことはあるが、他人が文字化したものを読むという経験は何か不思議な感覚だった。映画を観るということは、ぼくにとって365日の中の重要な要素であり、彼女と一緒に過ごす時間や友人と酒を飲むということと同じくらいボクの日常に色を加えてくれている。だから、彼女や友人になる人が偏っている(?)のと同じようにボクの観る映画は偏っている。だから、こうして他人の書いた映画を観てみたいと思える機会はとても希少で、合コンみたいな感じだなと思った。やはり沢木耕太郎は素敵な人だと思う。沢木のようなヒトには、映画という表面的なカタチにだまされないで、その周りにある空気をしっかりと文章に伝える能力があるんだろうと思った。沢木耕太郎の文章はとても丁寧で、気持ちのベクトルや所在などが明確に提示されていて呼んでいて気持ちいい。ボクもこんな表現能力を身に着けたいなと思うと同時に、沢木耕太郎のように優しい文章が書きたいと思った。この本の中でチョイスされている映画は、今までであったことのないものが多く、やはりボクにとって映画の合コンだった。
    071228読了

  • 未読

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著者プロフィール

1947年東京生まれ。横浜国立大学卒業。73年『若き実力者たち』で、ルポライターとしてデビュー。79年『テロルの決算』で「大宅壮一ノンフィクション賞」、82年『一瞬の夏』で「新田次郎文学賞」、85年『バーボン・ストリート』で「講談社エッセイ賞」を受賞する。86年から刊行する『深夜特急』3部作では、93年に「JTB紀行文学賞」を受賞する。2000年、初の書き下ろし長編小説『血の味』を刊行し、06年『凍』で「講談社ノンフィクション賞」、14年『キャパの十字架』で「司馬遼太郎賞」、23年『天路の旅人』で「読売文学賞」を受賞する。

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