無銭優雅 (幻冬舎文庫 や 1-12)

著者 :
  • 幻冬舎
3.62
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本棚登録 : 1442
感想 : 130
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344413528

感想・レビュー・書評

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  • 恋愛小説の中でも、個人的には今のところ恋愛をしたくなる本ナンバーワンだと思う。

    何でもない日常を2人のように楽しめることが理想的だと思った。2人だけの世界が確立して、お互い素の状態だったので、読んでいてクスッと笑えるところがたくさんあった。

  • 無銭優雅。タイトルが気に入って読みました。
    大人の恋愛。軽そうで奥が深いなー。
    驕れる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。
    祇園精舎に絡ませ春から夏、秋、二人の世界に笑ってしまった。
    ラビット病の大人版ぽいところが面白い。
    1番気に入っているのは、61ページ 川のほとりを散歩した。から62ページまでの二人だけの世界に憧れさえ感じます。この場面は、付箋紙貼って何回か読み直してます。
    いくつになっても恋愛できるっていいな。と思う。
    男と女しかいないんだから…。

    • 9nanokaさん
      ラビット病の大人版、気になります!
      付箋を貼って読み返されているというのにほっこりしました(^^)
      素敵なシーンなんでしょうね。私も読ん...
      ラビット病の大人版、気になります!
      付箋を貼って読み返されているというのにほっこりしました(^^)
      素敵なシーンなんでしょうね。私も読んでみます。
      2014/10/13
  • 私の名前は、昔父親が読んだ小説の登場人物からもらった名前です。子供が生まれたら、その名前を付けたいと思っていたらしい、、、

    「無銭優雅」を読んで、私もビビッときました。

    “笑い声は、いつのまにか溜息のようにおとなしくなり、さらにそれを鞣して、彼は囁く。だって、ほら、ここにも、もうひとつ、死があった。鼓膜でそれを受け止めると、今度は、こちらの耳が濡れて行く。私の名前は、慈雨という。”

    この一文を読んで、その時の父親もこんな気持ちだったのかな〜と想像しました。
    もう絶版になっている小説だけど、私と同じ名前の人が出てくるそれを読んでみたいです。古本で探してみます!

    名前の他にも好きな言葉がたくさん見つかった小説でした!山田詠美さん作品の中で1番好きです!

  • 40歳を過ぎての恋愛は、他愛ない二人だけの時間を共有するだけで十分。
    死ぬ時は一緒に…人生も後半戦だから、楽しく本音で素のままで。

    2023.2.19

  • 中央線のとある駅周辺を舞台に、中年カップルの日常が繰り広げられる。ヤマ場は終盤に差し掛かるにつれ、ポツポツと出て来るものの、すぐ終息してしまっているように思える。主人公たちらしいような、そうでないような。
    人生も半分過ぎると、こうなる場合もあるのだろうな。

  • 【豊島ミホさんの解説で見方が変わった】

    10年ほど前に一度読んでいましたが、あらためて再読しました。もうこういう恋愛小説ど真ん中な物語を読まなくなっていたところで再読してもピンくることは少なかったです。

    ですが、豊島ミホさんの解説を読んだらこの小説の見方が変わりました。一度目でも読んでいるはずなのにその時は響かなかったんですね。
    恋愛小説を読む醍醐味とは。
    なぜこの本に引用がたくさん載っているのか。
    なるほどな〜と思いました。

    自分以外の他の人の感想や、解説は面白いなと思いました。

  • 客観的に見れば、お気楽放蕩中年女、そんな風に言われてしまいそうな主人公を一人称視点で描いた話。すごくよかった。恋の価値観がとても共感できる(この歳になって恋の価値観とかかくのすら恥ずかしいけれど)。上手に親不孝でいることが親孝行、わかるけど言葉にしたくない。でも提示されるとこれもわかる。素敵な匂い立つ無銭優雅だった。


  • 死がふたりを分かつまで、愛し、慈しむ。
    恋が人生の全てではないけれど、愛は人生の全て。
    夏が過ぎて、小春日和にあなたと手を繋ぐ。
    繋ぎながら歩く。
    歩きながら想う。
    想いながら死ぬ。
    死ぬまで生きる。

  • 山田詠美作品初読了。
    慈雨と栄のやりとりがほほえましい。
    ふたりの世界におじゃまさせてもらったようなかんじ。
    恋とはよきものだ、としみじみ。
    つらいとき寄り添ってくれる恋人の存在って大きいよな。

  • 大人の恋愛、そう書くよりも「中年の恋愛」の方がしっくりきます(褒めています)。
    血の通った肉のある、年相応に生きている人間の心を相手に抱きしめてもらう恋愛話。
    私が私である証拠を見つけて褒めあい愛すって、男と女じゃなくても、人と係わったときの最高の関係だよなとおもいました。

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著者プロフィール

1959年東京生まれ。85年『ベッドタイムアイズ』で文藝賞受賞。87年『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で直木賞、89年『風葬の教室』で平林たい子文学賞、91年『トラッシュ』で女流文学賞、96年『アニマル・ロジック』で泉鏡花文学賞、2000年『A2Z』で読売文学賞、05年『風味絶佳』で谷崎潤一郎賞、12年『ジェントルマン』で野間文芸賞、16年「生鮮てるてる坊主」で川端康成文学賞を受賞。他の著書『ぼくは勉強ができない』『姫君』『学問』『つみびと』『ファースト クラッシュ』『血も涙もある』他多数。



「2022年 『私のことだま漂流記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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