シグナル (幻冬舎文庫 せ 3-2)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 758
感想 : 95
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  • Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344415508

感想・レビュー・書評

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  • 東京の大学を休学して地元足利に戻り映画館で映写技師の助手のアルバイトをする男の子と、三年間映画館から一歩も出ていないという何やら過去に一物あった風な映写技師の女の子を中心とした物語。 風景や映画館の描写などはすごく良かったのだが、登場人物、とくに技師の女の子がいまいちピンとこず。三年も外界に出られないようなトラウマがあったにも関わらず主人公の男の子と抱き合って急に付き合うことになったり、キスを求めたり…。彼女の心情が理解できなかった。またレイジの登場によって一気にありきたりな物語になってしまったのが残念。

  • 2019.10.4 本棚の整理のために再読。
    辛い過去を持ちながらも教師という夢を持ち、前を向いて努力する主人公・恵介と、映画館の映写室に3年間引きこもり、辛い過去と向き合えないでいるヒロイン・ルカが、映写技士の仕事を通して惹かれあい、ルカが過去を乗り越えていく青春純愛作品。
    始めは、ルカが3年間引き込もった過去にミステリー的な要素を少し感じたが、徐々にわかってきた理由が辛くて悲しすぎて、原因の男が人として腐りすぎてて嫌悪感を感じてしまい、ちょっと読むのが嫌になりそうだった…恵介の父親も最低すぎて、こっちが罵りたくなる…。
    そんな中、恵介と弟・春人の強さと優しさが心に染みたし、細かすぎる映写技術の難しさや素晴しさ、ルカが剛造さんから受け継いだ映写に対する信念、舞台となった足利・渡良瀬川の美しい風景描写はとても良かった。


  • 関口氏の作品はどれも透明感があるね。
    『パコと魔法の絵本』、『君に舞い降りる白』などなど。

    さて、本作は、映写室に三年間引きこもる女の子と、そこでバイトをすることになった男の子の物語。

    細微な描写が非常に綺麗。川端康成にも通じるような気がする。
    誰かを想うという、純粋さが心を浄化する一冊でした。

    物事に感動することが少なくなってきたら、読むと心の運動になるのではないでしょうか。映画化されてるみたいなので、観てみようかね。

  • 映画館でバイトを始めた恵介。
    そこで出会った映写技師のルカは一歩も外へ出ることなく映写室で暮らしているらしい。
    なぜ彼女は三年間も閉じこもったままなのか?
    「ルカの過去について質問してはいけない」など三つの不可解な約束に困惑しながらも恵介は固く閉ざされたルカの心の扉を押し開いていく。

  • 3年間、映画館から出ようとしない映画技師のルカ。アルバイトとして、映写機の扱い方をビシバシ叩き込まれる恵介。親しくなりながらも、触れてはいけないルカの過去が近づく展開が気になって1日で読んでしまった...。恵介とルカが仕事をしながらお互いの過去や、夢を語り合って惚れていく情景は、穏やかに見守りたくなった。ルカを苦しめたレイジはクズ極まりないが、こちらは過去の記憶に打ち勝てずに歪曲した人間なんだろう...同情はできないけど。手下にボコられながらも、ヤツに食らいついて離れなかった恵介は男らしかった。

  • 文章がところどころわかりにくくて、読み進めるのにつまずく。
    ラストは良かった。

  • うーん、いまいちだけど最後のシーンは好き。
    何かが起きる度に入る回想がじゃまだった。

  • なんだか懐かしい本だった。
    何故か、前に読んだ「百瀬、こっち向いて」を思い出した。

    映画になってるのか。映像、撮り方綺麗だといいなあ。

    ミステリアスだけど、淡々とした進み方で、それは主人公達が心を100%曝け出さないからだと思うんだけど。
    最後の演出は良かった。
    爽やかだな。

  • 映画制作を勉強しているからすんなり頭にはいってきた。言葉のひとつ、ひとつが印象に残るものが多かった。

  • 映写の描写がリアル

著者プロフィール

1972年栃木県生まれ。茨城大学大学院人文科学研究科修了。映画館の映写室でアルバイトをしながら小説を執筆し、2002年『プリズムの夏』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。07年には『空をつかむまで』で坪田譲治文学賞を受賞。他の著書に『ブックのいた街』、『はとの神様』、『ナツイロ』、『シグナル』、『潮風に流れる歌』などがある。

「2018年 『サニー・シックスティーン・ルール』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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