往復書簡 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
3.53
  • (384)
  • (1336)
  • (1387)
  • (238)
  • (34)
本棚登録 : 13808
感想 : 974
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344419063

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 三浦しをんさんの『ののはな通信』のようなお手紙のやり取りのスタイルです。
    湊さんらしい一筋縄ではいかない、真実が徐々に明らかになるのをハラハラしながら一気に読みました。
    普段のイヤミスではない、心温まる物語の中にも湊さんらしいドキッとする要素が盛り込まれていました。


  • 短編集
    手紙で物語が進んで行くので、普通の小説のように主人公の気持ちを知りながら読んだり、主人公の企てを知りながら読んだりするのではなく、手紙を読む側の登場人物と同じ気持ちを味わいながら読み進められるのが面白い。
    1話目
    現実でもよくある位噂の独り歩きからの本人はあまり気に止めて居ないという展開に共感出来た

    2話目
    その後を想像させる終わり方が良かったが、私は湊かなえの描く女性像と敬語が嫌いなので、物語は好きだがその登場人物を常に表し続ける手紙方式で物語を進めていくというのは私は苦手だったのでここでギブアップ。

  • 3話+後日譚で構成されている短編集。
    手紙のやり取りの中で過去の真実やそれぞれの想いが明かされていく、少し珍しい形式のお話。

    どれも簡潔で面白かったけど、ハッピーエンドの作品ばかりだったので「イヤミスの女王」の作品と思って読んでしまうとどうしても物足りなく感じてしまうかも。

    ただ中盤から話の展開が一気に二転三転していくところや、登場人物一人一人が抱えるそれぞれの真実の描き方はやっぱり流石でした。

  • 表題の通り、手紙のやり取りだけで、語られるミステリー。
    3編の短編+後日譚という構成です。
    手紙でそんなところまで書くか?って思うところはありますが、手紙のやり取りが続く中で明らかになっていく真相という展開です。

    ■十年後の卒業文集
    学生時代の事故の真相、その時の人間関係が徐々に明らかになっていきます。
    手紙を書いている人物は成りすましなのか?

    ■二十年後の宿題
    小学校時代の恩師の依頼でかつての教え子に会いに行き、それを手紙で報告する物語。
    二十年前、先生の夫は川で溺死。その真相とが明らかになっていきます。
    これは、よい感じで終わってよかった。

    ■十五年後の補習
    国際ボランティアとして海外に赴任した男とその彼女の手紙。彼女は過去、ある事件の記憶を失っています。
    その記憶にあった事件の真相は?

    ■一年後の連絡網
    十五年後の補習の二人の後日譚

    二十年後の宿題は映画「北のカナリヤたち」の原案とのこと。
    映画見てみたい!

  • 一つの出来事でも人によって捉え方は違って、それでもいいと思いました。ほんとはこうだったんだよと皆に伝えるのが全てではないというか…

    個人的には「十年後の卒業文集」は女子同士の腹の探り合いで好みではありませんが、「二十年後の宿題」と「十五年後の補習」は好きでした。

    読み始めは手紙形式に取っつきにくさを感じましたが、読んでいくうちにメールじゃなくて手紙の文体って素敵だなと思いました。

  • 湊さんの作品は、実は暗い感じがしてあまり好きではないんです。読み始めるまでに勇気がいります。が、一旦読み始めると、いつも止まりません。先がどうなるかどうなるか気になって気になって一気に読んでしまいます。今回もそうでした。結局は読みやすいし面白いんだって事を今回の3冊目でやっと気づきました。それに今回はハッピーエンドとまで言えなくても少しホッコリする作品が何点かあったのも救い。今までは湊作品少し敬遠してたけど、これからはどんどん読んでみようって思いました。
    (2023/10/8、他の読書管理サイトからお引越し。レビューは読了当時の記録。)

  • 湊かなえ作品らしい、それぞれの登場人物から語られる(今回は手紙ですが)その人の見た過去、真実、嘘、人間の嫌な部分、思春期のドロドロした気持ち。この人の立場が自分だったらどう考え行動するのか、想像してぞくぞくしながら読みました。でも最後は2組のカップルがまだ繋がっていることがわかって安心できました。

  • 今ではほとんど書くことのなくなった手紙でのやり取りを通じてお話が進んでいく形式。こんなに長い手紙が私は書けるだろうか?と日々SNSでいかに細かく連絡を取り合いすぎているのかを痛感しました。(連絡とっていなかったら、会えない間のお話がどんどん溜まっておのずと文書が長くなる筈だから)
    ・十年後の卒業文集
    放送部の同級生の間で交わされる手紙の中で分かっていく松月山転落事故の真相。憶測がだんだん事実のようになってしまうが、本人の手紙によって真実がわかる。
    ・二十年後の宿題
    かつての恩師から、6人の子供の現在を調べて教えて欲しいと頼まれた大庭敦史。彼らに会っていく中でたどり着いたのは婚約を考えている彼女だった。
    ・十五年後の補修
    国を跨ぎ遠距離になったカップルの手紙のやり取りを通じて明かされる、子供時代の事件の真相。
    彼氏の愛の深さに感動した。ひたすら優しい人だと思った。
    ・一年後の連絡網
    十五年後の補修で最後2人がどうなったのか、彼氏側の同僚のやり取りで明らかになる。
    大家さんが大声をあげて連れてきたのは彼女だったのかな?(最初は警察かと思ってバッドエンドを想像したが)2人が仲良く付き合いを続けていることがわかって、温かい気持ちになりました。

  • 手紙形式の話は初めてで、新鮮だった。
    ただ私的には手紙形式じゃない方が読みやすかったかな

  • やっぱり湊かなえさんの本は面白い。読み飽きない。

    大きく3つの話が手紙などの媒体によって書かれていたけど、どれも真相に迫っていく話だった。

    読んでいる中でもし自分だったらどうするのかとつい考えちゃう所があって、それも含めて楽しかった。

    人の考えていることって自分が想像しているより案外違っていて、自分が意識していない所で誰かを傷つけているのかもしれない。でも、ずっとそんなこと気にして生きるのは少し息苦しいから、今自分が特別意識しないくても楽しく笑い合える友達、家族を大切にしたいと思う。

全974件中 21 - 30件を表示

著者プロフィール

1973年広島県生まれ。2007年『聖職者』で「小説推理新人賞」を受賞。翌年、同作を収録した『告白』でデビューする。2012年『望郷、海の星』(『望郷』に収録)で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞する。主な著書は、『ユートピア』『贖罪』『Nのために』『母性』『落日』『カケラ』等。23年、デビュー15周年書き下ろし作『人間標本』を発表する。

湊かなえの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×