殺気! (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 654
感想 : 65
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  • Amazon.co.jp ・本 (494ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344420038

感想・レビュー・書評

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  • 平和で安穏な日常を守ろうとするあまり、ともすると人は臭い物に蓋をし覆い隠してしまう。大事なものもろともに。ときには被害者さえも自らを犠牲に隠蔽に加担してしまう。日本人特有の義であり美意識かもしれないが、最終的な決断は、人としてどうあるべきなのか、正しいのか、間違っているのか、そこにかからしめなければならない。上辺だけを飾っておしまいにはしない、できない主人公が清々しい。時にはすべてを擲っても守らなければならないものがある。我々は人間なのだから。

  • この作者さんは作品毎にがらりと変わる。
    この殺気!は題名のインパクトは強いけど
    ミステリーの中に友情や青春の群像劇な面が大きい。クローズドノート雰囲気かな。
    犯人に告ぐやビターブラッドとは違う雰囲気だけど、共通してギャグキャラが出てくるのが好きです。

  • 人の殺気を感じ取ることができる能力。超能力が出てくる物語が好きなので手に取ってみたが、思った話とは少し違った。
    少女時代に拉致監禁された過去を持つという設定を中心に、様々な要素が絡み合っていく。基本はミステリーだが、友情物語でもある。最後の決着はあまり好きではないが、とても読みやすく面白かった。

  • う~~~~ん、微妙な作品です。。。500ページ近いボリュームの作品なのですが、中弛み感が半端無いので読了するまで結構シンドイかも。肝心なストーリーなのですが、主人公・ましろは、過去の未解決幼児誘拐事件の被害者であるが、現在は大学とバイト生活を満喫する大学生。或る日、小中学校で同級生だった理美子と再会した。理美子も小学生の時、不慮の事故で父親を失った悲しい過去を抱えていた事もあり、ましろとは色々と気の合う友人だった。久々の再会で意気投合する二人だが、お互いが経験した終わった筈の"過去の事件"が、何かの弾みで動き出そうとしていた。不可解な事件の真相とは!?

  • 雫井さんの名前は聞いたことがあったので手にする
    本格サスペンスかと思っていたが今回は半分青春少女小説で私には合わなかった

    最後に事実を明らかにすることで不幸になる側が描かれていないのが気になった、明らかにしない方が良い事実を強引にこじ開けることの悪い面が読みたい気分だった
    小説位ハッピーエンドがいい、という人は楽しめるかと

  • 何者かに監禁された経験を持ち、当時のPTSD治療によってその記憶を封印している、他人の殺気を感じ取ることの出来る女子大生で二十歳のましろの、健康食品専門ショップでのアルバイトやフゥウウウウー!と奇声を発するちょっと情けないお坊ちゃんの友部等との日常的な部分が良い。特にファッションコンテストが楽しかった。

  • このざわめきは事件の予兆!?12歳で何者かに拉致監禁された経験をもつ女子大生のましろは、他人の「殺気」を感じ取る特殊能力が自分にあると最近分かってきた。しかし、その起因を探るうち、事件当時の不可解な謎に突き当たってしまう。一方、街では女児誘拐事件が発生。ましろは友人らと解決に立ち上がるが…。

  • 殺気を感じ取れる特殊能力を持った主人公。雫井氏の他の作品に出てくるキャラも登場。ストーリー展開もさることながらそれ以外のエピソードも楽しめる。詳細→http://takeshi3017.chu.jp/file7/naiyou4805.html

  • 青春ヒロイン小説、サスペンス、ミステリーを合わせて割った感じの作品でした。どっちつかずで評価は★3個にしました。登場人物は個性的で面白い。
    主人公の佐々木ましろは、小学6年生の時に友人たちと遊んでいるときに何者かによって連れ去られ、近くの空きビルの一室に監禁されてしまう。ましろを探し出し助けたのはましろの従妹の佐々木深紅[そうです、著者の作品「栄光一途」、「白銀を踏み荒らせ」の主人公「望月篠子」の親友である剣道の達人「佐々木深紅」です。]だった。ましろはこの事件のPTSDのため、カウンセリングを受け、事件の記憶を封印していた。
    ましろは、深紅の後輩である鮒田の経営する自然食品ショップでアルバイトをしているが、ある日、強盗が押し入った時にその強盗の殺気を事前に感じとり事件解決を助ける。また、デパートでも殺気を感じその原因が小学校時代の友人「野辺理美子」であったことで親交を深めていく。
    鮒田と親交のある丸山次美らが手掛けるショッピングモールのオープニングイベントのファッションショーに出演することになったましろはファッション所で起きた火炎瓶投げ込み事件にまたしても殺気を感じる。
    理美子の父親はましろの事件と同じ日に崖からの転落事故で亡くなっており、ある日、理美子の家で見た写真にデジャヴを感じる。
    その後、理美子の父親が勤務していた土建会社の関係者の娘の拉致監禁事件が発生し、犯人として同級生が浮かんでくる。事件を解決しようとましろ達は動くが、段々と8年前のましろの拉致監禁事件の真相と、理美子の父親の死亡事故が繋がっていく。

  • タイトルに惹かれて、内容も作者のことも知らずまずは読んでみた。ライトノベルだった。二十歳の若者達を中心とした、楽しくも苦味もある青春小説の面を持ちながら、後半は一気にサスペンスになっていく。

    500ページ弱でライトノベルとしては長い方かと思ったけど、続きが気になって結構楽しめた。

著者プロフィール

1968年愛知県生まれ。専修大学文学部卒。2000年、第4回新潮ミステリー倶楽部賞受賞作『栄光一途』で小説家デビュー。04年に刊行した『犯人に告ぐ』で第7回大藪春彦賞を受賞。他の作品に、『火の粉』『クローズド・ノート』『ビター・ブラッド』『殺気!』『つばさものがたり』『銀色の絆』『途中の一歩』『仮面同窓会』『検察側の罪人』『引き抜き屋1 鹿子小穂の冒険』『引き抜き屋2 鹿子小穂の帰還』『犯人に告ぐ2 闇の蜃気楼』『犯人に告ぐ3 紅の影』『望み』などがある。

「2021年 『霧をはらう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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