自分なくしの旅 (幻冬舎文庫)

  • 幻冬舎
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344421004

感想・レビュー・書評

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  • 偉人:みうらじゅんの童貞伝記。ブッディストらしい小説家と思ったら、青春悶々小説だった。昭和の中央線沿いのかほり。


     等身大という言葉がぴったりな小説だったなぁ。大都会「凍狂ーTokyoー」に勇み繰り出したちっぽけな青年はそこで自分の限界と直面する。

     自分探しの旅というものは、まだ見ぬ自分の可能性に出会うためにあるのではなく、自分の限界に直面するためにある。「夢に見る自分」を亡くす為の旅、それが自分なくしの旅だということ。

     あれもやりたい、これもやりたい、きっとできる、たぶんできる、、、自分の可能性ばかりを膨らませ、実際にチャレンジしないことで有能かもしれない自分を保ち続ける。心理学の防衛機制で言うところの「逃避」これが若者の原罪のひとつ。
     多すぎる選択肢を絞ることの大切さ。

  • ネットでむかしのラジオ番組などが聴ける昨今、
    近ごろは、「みうらじゅんと安齋肇のTR2」という2003年4月から2005年3月まで、J-waveで深夜に放送されていたものを1回目から順に聴いていっている。

    番組の内容は、8割方が下ネタといった印象なのだが、実際にはもう少し少ないかもしれない。
    下品といえば下品だけれども、面白くてたまらない。
    みうらじゅんのトークはたまらなく面白い。

    某缶コーヒーのCMでは、タモリのお仲間という名目で山田五郎と一緒に出演していたけれども、みうらじゅんを取り巻く人たちって、メディア上に現れる部分だけを見ていれば、とにかく快楽を貪り続ける人生であるかのようだ。表面的な捉え方であることは百も承知で言わしてもらうと、とにかく楽しく浮世を謳歌しているように見える。

    この本の元になった連載は、2005年2月からはじまったということなので、TR2の末期と被っている。
    DT喪失が一つのテーマとなっているわけだが、ラジオで聞いたことのあるエピソードもいくつか入っていて、自分的にはタイムリーな感じで読めた。
    と同時に、ラジオでは語られない、詳しいイキサツ、もちろん、全部が実話だとは限らないわけだけど、そのあたりが埋まっていったのが、個人的には充足した。

    まあ、ラジオを聞いていても、決して楽ばかりでなく苦もあるさ、ということはなんとなくうかがい知れるわけだけど、この本を読むと、懊悩してるよなあ、とやはり思う。

  • 軽く楽しく読めました。どこまでfictionなのでしょうね。
    女性とは無縁の青春時代だった自分と比較すると、そんな人もたくさんいるのだろうなとあこがれるところがあります。

  • みうらじゅんさんの浪人時代の自伝的小説。ありがちな話の中に、みうらじゅんさんらしさが光る。

  • 自伝的な青春小説てのは多くの人が書いており、自分としては割と好んで読むけれども、どれも結構似たような内容だったりする。本作もその意味では似たような内容ではあるけれど、さすがにそこはみうらじゅんなのであり、ひと味違う雰囲気を出している、とにかく、主人公が格好悪いのだ。それは見栄っ張りであり、甘ったれであり、それだけだと他の青春小説と変わりないのだが、違うのは、若者としての矜持もない、というところだろうか。よって青春小説に共通するさわやかに欠けるのだが、その分リアリティは高いと思う。

  • 2013/10/10 Amazonより届く。
    2014/7/29〜8/1

    みうらじゅんの自伝的小説。まとまった文章を読むのは初めてだが、この人はホントに根っからのエンターテイナーだな。青春三部作の2部に当たるらしい。他の作品も読んでみよう。
    盟友、山田五郎氏の解説も必読。

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著者プロフィール

作家・イラストレーター

「2022年 『ベスト・エッセイ2022』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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