けむたい後輩 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 154
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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344422889

感想・レビュー・書評

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  • 読み始めてしばらくは、栞子のキャラが嫌過ぎて、真実子も栞子のどこがそんなに良いのか、この本面白いのかなあ…でも柚木麻子さんだから面白いはず、と思いながら読んでいたのだけど。
    やっぱり面白かったし、最後は痛快☆
    いつの間にか栞子さんのイメージがどんどん崩壊していき、最終的にはなんかちょっと憎めない人になりました(笑)

  • みんな自分の居場所を探すことに必死で、自分を輝かせてくれるものに夢中で縋りつく。それが栞子にとっての「男」であり、真実子にとっての「栞子」であり、美里にとっての「女子アナになるいう夢」だったということ。
    それでも最後は真実子も美里も自分の道を見つけることが出来て良かった。

    親しい友人が変化していくことに焦りを感じる、あの気持ちにとても共感できた。

  • ◾️record memo

    女同士の人間関係は苦手、ね。‥よくそう言ってたけど、じゃあ、どんな人間関係なら得意なんですか。‥他にどんな人間関係が残ってるんですか。

    自分の手でつかみとらなかったものなんて、いずれ意味も価値も失うに決まっているのに。

    あんなに映画見たり、本読んでたくせに‥‥、何一つ血肉になってないんですね。

    自信ないってだけで、胸を張らないでください。そんなの皆、おんなじじゃないですか。生きるのが怖いのは世の中で自分だけなんて思うのは、傲慢ですよ。

  • 人の評価を気にし続けるのは疲れる。生きるの、大変だろう。

  • 最後のシーンはスカッとした。

  • 無害な害悪の真実子にも典型的自サバ女の栞子にもイライラして読み進めてたけど最後がスカっとした。ストレス値がチャラになった感じ。4年生編とエピローグのために読みたくなる。
    柚木麻子さんの本が好きなので今回はこんなに嫌な男女を書ける先生すごいと思いながら読んでた。古着男、茶色女を好きになれない理由が詰まっている。それに引替え啖呵切る美里にすごく救われた。美里みたいな女の子になりたい。
    エピローグ(コンラッド東京あたりがモデル?)の描写が素敵。

  • 真美子はいじらしくて可愛いけど、無邪気な天才って感じで、側にいると比べちゃって疲れてしまいそうだと思った。最後、栞子に畳み掛ける様子が印象に残った。
    栞子は、最初は自分に酔いしれるタイプで苦手だったけど、敵が現れるとなんとか理由をつけて自分の優位を保とうとする感じは人間味があって共感できた。

    一番好きなのは美里!美しさにあぐらをかかずに努力を怠らないです夢を掴んだとても美しく気高い女性だと思った。私もなりたい、、

  • 記録

  • 最後の一言がすごく好きです。

  • 自分を「特別」と思ってしまった自意識過剰な女性が、憧れと共に慕ってくる後輩を自己満に利用しつつ、徐々に嫉妬と劣等感を抱きながらも取り繕うお話

    栞子:良家の子女が集う学園で14歳のときに親のコネで出版した詩集をきっかけに、同世代の女の子たちの憧れの存在となるも、自己研鑽をせずに大学まで内部進学したため信奉者が少なくなっている
    真実子:子供の頃からの病気で肺がほぼ1つしかなく病弱。入院中に読んだ詩集の作者が一つ年上と知り、著者が通っているという大学に進学してたまたま知り合って慕うようになる。世間知らずでダサい格好をしている。
    美里:真実子の幼なじみで親友。女子大の寮でも真実子と同室。アナウンサーを目指している。


    途中まで読んでいて、こんなキャラ他にもいたなーと思い返してみると、伊藤くんAtoEの伊藤くんと気づく
    そして、さらに読み進めていくと、より伊藤くんっぽい黒木が登場し、栞子はただ単にそこに乗っかるだけの存在でしかない事がわかる
    栞子を一言で言い表すならば、「アート・カルチャー駄サイクルの姫」なんでしょうねぇ
    ってか、連中は実際には何も作らないので駄サイクルですらないんですけどね

    解説にもある通り、柚木さんは本当に伊藤くんみたいな存在が嫌いなんだろうなぁと思える

    「勝負に出ないのは、何がなんでも負けたくないからでしょ?」というセリフがもうね……
    個人的には黒木の行動にも共感できるところがあるのでぐさっとくるなぁ
    ははは、私はクリエイターではなく物語の消費者で十分ですわ



    真実子の存在は最初のうちは微笑ましい
    ミスコンのあたりまでは無自覚な天然系と優しい気持ちで見ていられるけど
    たまたまの写真や映画のあたりでは若干の恐怖を感じる
    ミザリーのようなホラー感あるよなー

    シナリオの参考書のあたりは確実にその先の展開が明らかすぎて、正に「恐ろしい子」状態


    美里が最初は栞子をおちょくってたのに、終盤では同情的に真実子を諭すものの、真実子がまったくの無自覚なのが怖い

    解説で主要人物をナルシシスト、ロマンチスト、リアリストと評していたのは納得
    ただ、ロマンチストでありながら、どんな分野に対しても潜在的な能力なのか対応力なのかちゃんと実力が備わっているし
    本人はそれに無自覚ってあたりが本当に怖いよな


    章題が、虜になる、とりのこされる、トリコロール、鳥になる、と変化していくのも言葉遊び的に面白い
    トリには3の意味も含んでるのでしょうね
    もちろん、3は栞子、真実子、美里の3人の意味で



    エピローグのやりとり
    思い込みの激しさと、失望のギャップ、そして決め手の「煙草消してもらえませんか?」で完全にやられた

    これだから柚木さんの作品は面白いですよねー

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著者プロフィール

1981年生まれ。大学を卒業したあと、お菓子をつくる会社で働きながら、小説を書きはじめる。2008年に「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞してデビュー。以後、女性同士の友情や関係性をテーマにした作品を書きつづける。2015年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞と、高校生が選ぶ高校生直木賞を受賞。ほかの小説に、「ランチのアッコちゃん」シリーズ(双葉文庫)、『本屋さんのダイアナ』『BUTTER』(どちらも新潮文庫)、『らんたん』(小学館)など。エッセイに『とりあえずお湯わかせ』(NHK出版)など。本書がはじめての児童小説。

「2023年 『マリはすてきじゃない魔女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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