ときめかない日記 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (153ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344423114

感想・レビュー・書評

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  • 「であすす」のおすすめ本。

    主人公のめい子は、気付けば誰とも付き合わないまま26歳になり、親友は同棲を始めた。このままではセックスもしらないうちに、親がすすめてくるぱっとなしない殿方と初めてセックスをすることになる!と焦りだしためい子がセックスを求めて格闘するお話。ドラマチックではない、けれど体当たりで恥を捨てためい子の奮闘記。

    当方。ミドサー、未婚、子なし、彼氏なし、マッチングアプリをやったりやめたり。
    趣味は読書と音楽鑑賞と映画鑑賞。年に3つの音楽フェスは必須、平均すると月1くらいでライブへ行き、そんな趣味が派生してほんのちょっとDJもできる(もちろん今は全部自粛中)。
    そんな地味なのかパリピなのか分からない日常を送っている。
    悩みつつもそれなりに楽しい日常だ。

    自分に自信がないと、「大切にされている」ことに気付きにくいんだよね。
    本人が持つ自信のなさは、その背景にコンプレックスを抱えていることが多い。他人からしたらどうでもいいことかもしれないけれど、本人からしたら生きるか死ぬかっていうレベルのものだったりする。

    昔感じてたみたいな恋愛へのときめきって、もうないのかな。
    例えば、情熱的な愛の言葉なんかよりも、「あれ?もしかしてわたしのこと気にかけてくれてる?」とじんわり思えるような気遣いだったりとか、猛烈に言ってほしい言葉なんかよりも、「この人、一番言っちゃいけないことは言わないな」と思えるようなそぶりの方が、意外としっくりきたりするのかも。解説のトミヤマユキコさん曰く「平熱の恋愛」が、長い目でみた時のときめきなのかもしれない。

    最近、わからなくなってきた。
    悩みつつもそれなりに楽しい日常を一人で生きていきたいのか、誰かとその楽しい日常を共有して生きていきたいのか。わたしはどちらを選ぶべきなのか。
    いや、どちらを選んだ方が自分が幸せだと感じるのか。
    自分でも、てんで分からないのである。

    だからとりあえず、直感を大切に、ゆらゆらと流されている。
    いつか、自分なりの答えが見つかればよいのだけれど。
    そして、それはそう遠くない将来のような気がするのだけれど。

    • 大野弘紀さん
      能町さんのそこらへんの生活―恋愛―幸福―の同一線上の描き方は、とても人間味があって、とても好きです。

      能町さんがラジオで語っていたのを...
      能町さんのそこらへんの生活―恋愛―幸福―の同一線上の描き方は、とても人間味があって、とても好きです。

      能町さんがラジオで語っていたのを聞いたのはありますが、とても面白い方だなって、思います。
      2020/06/26
  • 女がこじれるのには大体原因があるんだよね。過去のトラウマとかコンプレックスとか。
    でも結局こじらせてる人間なんてのは自意識過剰だし自己評価低いくせにプライドは高いんだよね。自分で自分を卑下するのは構わないけど人からなんか言われたらそこまでかってくらい傷つくし腹立つんだ。プライド高いから。人はそんな意識的に周りの人間を見ていないし興味もねぇっつーのにそれが分からない。なぜなら自意識過剰だから。
    さて、ではそんなこじらせ女にはどういう相手が相応しいのか。それは自分のことを真っ直ぐに裏表なく愛してくれる人なのです。自分のダメなとことか嫌いなところも「大丈夫」って全部受け入れてくれる人。こっちが勝手に作った境界線を踏み越えてきれくれる人。とにかくこじらせ女は自信がないからね、プライドはあるけど。
    でも私は今まで何人そういう人を拒否ってきたんだろうなぁと思うとしんどくなった。好きだって言ってくれる人を好きになれない。自分のレベルと同等の人間ってこういう人なんだって思うのもつらい。でもそういう人しか愛してくれない。そもそもこっちの事情そっちのけでガンガンくる男なんてのは性欲強い奴ばっかりなんだよ。うざいしめんどくせー。じゃあ一生一人でいいわ、とは、いかないわけで。マジめんどくさい。
    好きになった人に愛されたい。とか言いつつ全然好きな人も出来ない。報われたい。しんどい。なにこれ。そんな疲れた毎日にこの本を1冊どうぞ。これが現実だよ!!結局な!!!

  • 能町さん、ここまで女心を描くんだ。
    男は、特に若く血気盛んな男は恋愛もSEXも欲望のはけ口としているところがありがちだと感じるけれど、女性にとってそれらはひとりの女になる為の通過儀礼でもあるのだろうか。

  • エッセイのようなリアルさと寂しい雰囲気が読んでいて面白かった。
    主人公のめい子のような生き方をしている人は日本には結構いると思う。何があったというわけじゃないけれど自分に自信がなくて、恋愛に対しても興味はあるけどいまいち積極的になれない。異性を意識してみようとすると妙に頭が冷静になって没入できない。「普通」でいることや否定されたくない気持ちに囚われすぎてハメを外せず変なところでアクセル踏んじゃうような。

    でも別に少女漫画のような出会いじゃなくても人は人と生きていけるし絶望して悩むことでもない。
    そんな風に最後は少し希望も感じられるような終わり方でよかった。

  • 花田菜々子「出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと」のオススメにしたがって手に取り。自分だけだめなんだ、自分は周りと違うというコンプレックスがぐるぐるとまわり、出会い系アプリを使ってみたり、会社の一番かっこよくて既婚の人にアタックをかけてみたりと。彼らと対話していくうちに、あれ、自分が本当にしたかったことってなんだっけ、と気付いたり、自分の弱いところを言い訳に相手をふりまわしてしまったり、と。最後は思い切って自分に好意をぶつけてこられて、戸惑いつつも、いまだときめかないままでも、しずかにおだやかに、これでいいのかなあ、となるところまで描かれ。

  • "ときめかない"けど、変化はあるのよな(!)
    コンプレックスが意外だったけど、結局そういうところなのかもねぇと。
    平熱の恋愛って!表現良いね。

    それと古賀さんの、とりあえず黒龍2合おちょこ2つで、あとだし巻き卵ね。の注文は最高だよと思った。

  • わかる‥!!ってなる笑

  • 『結婚の奴』のエピソードに出てくる男の人がモデルであろうキャラクターが出てきて楽しかった。ワンピース、ドゥーアズ…。
    能町みね子は固有名詞に対するイメージが自分と一致していることが多くて読んでいていつもしっくりくる感じがする。

    恋愛至上主義がとても苦手だけど、かといってパートナーを無理やり見つけることが全てではないとか必死だとか外野にわかったように言われるのも本当にむかつくよな。

  • なんとなく借りて読んでみた本

    緩急の激しい物語ではないけれど、ちょうどいいテンションで読み進めることができました

    主人公の心の声にかなり共感しました

    この作家の他の作品も読んでみたいと思いました

  • これは自分。えぐい

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著者プロフィール

北海道出身、茨城県育ち。文章やイラストの仕事のほうが多い漫画家。他称好角家。雑誌やネット媒体でコラムなどの連載多数。2006年、イラストエッセイ『オカマだけどOLやってます。』(竹書房)でデビュー。著書に『くすぶれ!モテない系』(文春文庫)、『ドリカム層とモテない系』(ブックマン社)、『逃北〜つかれた時は北へ逃げます』(文春文庫)、『「能町みね子のときめきデートスポット」略して能スポ』(講談社文庫)、『雑誌の人格 2冊目』(文化出版局)、『うっかり鉄道』(幻冬者文庫)など。『「能町みね子のときめきサッカーうどんサポーター」、略して能スポ』(講談社文庫)がサッカー本大賞2017の大賞を受賞。ラジオやテレビなどでも活躍している。

「2018年 『中野の森BAND』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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