望遠ニッポン見聞録 (幻冬舎文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344423817

感想・レビュー・書評

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  • 海外暮らしが長く、日本の文化や習慣に違和感を持つようになるのと相反して、ますます自分の中の日本人を認識する著者のコミカルかつシニカルな観察眼、家族とのやりとりが面白い。ヤマザキマリさんて漫画家さんと思ってたけど文章も光りますね。隙間時間に軽く読めて、面白かったです。

  • 日本と世界を行き来してるヤマザキさんだからこその、日本をちょっと俯瞰しつつ愛の感じる文でした。イタリア男子のイメージは、確かにちょいワルなある方のイメージでしたが、違うのですねー。

  • 10代でイタリアに渡り、その後も様々な国で生活をされてきたからこそ感じる日本のあれこれが軽快な文章で書かれておりました。
    歯医者の話で現在歯科治療中の私はリアルな恐怖を受けました。ああ、日本で暮らして日本の歯医者に通えて良かった…。

  • 海外で長く過ごした筆者から見た日本の印象録。最近ありがちな日本礼賛でもなく批判的でもなく、違いを味わいつつ日本への懐かしみを感じさせるトーンで、面白かった。

  • (kindle unlimited利用)
    2012年に書かれた作品を文庫化~電子化したもの。その後もヤマザキマリさんは、特にコロナ禍で日本にずっと滞在していることもあり、本職の漫画ももちろんだがこういう随筆を量産している。ある程度同じようなことも書いているが、依然売れているようなので、たぶんこのような見方が求められているのだろう。私もこういう刺激が必要と思い、それなりに読んでいる。流石にすべて買うわけにはいかないのでkindle unlimitedで読めるのはありがたい(後は図書館も利用)。この作品も10年近く前に書かれたもので、一部コロナ以後変わってしまったこともあるとはいえ今でもなるほどと思われることも多い。

  • 原研哉の本に書いてあったのだが、世界地図を-90度回転させて日本が一番下に来るようにすると、ちょうどパチンコ台でどのような経路を辿ろうと一番下の穴に玉が入るように、シルクロードやシベリアもしくは東南アジアの海洋経由ですべての文化は日本に自然と伝わってきたのだとわかる。

    そう考えたときに日本文化が様々な海外の文化を吸収して日本風にしてきたという事実は非常に納得がいく。

    さらに渡辺京二の「逝きし世の面影」で描かれているように、徳川時代の鎖国によってその文化は醸成された。

    明治維新後に失われたものは多いかもしれないが、私達の文化にはそのような背景があるのだ。

    そして現代にいたり、本書のように海外の目線で日本を捉えると(著者は日本人であるが10代から海外で暮らしイタリア人と結婚しアメリカ在住である)、前述のような日本文化は失われたのではなく未だ私達の根底にあるのだということが浮き彫りになる。

    そのようなことを強く感じさせてくれる本だった。

  • 海外生活の長い筆者の目から見た日本という国や筆者の知人からみた日本と日本人について、実体験がユーモアたっぷりに書かれている。外国にかぶれているわけではなく、傍観者としての視点で書かれていることが、この本を最後まで落ち着いて読めるポイントかなと思う。

  • 表紙に惹かれて、内容確かめずに購入。外国に住む日本人から見た日本、がテーマのエッセイだった。
    イタリア、というと塩野七生さんを思い出すけど、ヤマモトさんは比べると随分庶民的。イタリアとは!って大壇上からふりかざす感じじゃなくて、身の回りの日常から見たイタリアと日本の対比みたいなことを柔らかく書いてる。
    内容の善し悪しではないんだけど、でも最近は日本人と外国の人の文化の違いみたいなものについて書かれた書にあまり興味がなくなってしまったなと実感。
    結局「自分が体感したことが自分にとっての認識になる」に落ち着いたからかな。
    筆者が何をどんな風に体感したのかという記述はからはその人自身が映し出される...そういう目線で見れば面白いかもしれないな。

  • Kindle Unlimitedで読書。

  • 彼女なら、盃にペッも芋虫も乗り越えられるに違いない。
    ヤマザキさんの生活者としての異文化体験。
    足りない足りない。まだまだたくさんのエピソードが埋もれていそうである。
    日本のご家族の話ももっと話も聞いてみたい。

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著者プロフィール

1967年東京生まれ。漫画家。14歳でドイツとフランスに一人旅へ。17歳でフィレンツェの美術学校入学。1994年、一人息子デルスを出産。1996年、漫画家デビュー。帰国し、北海道大学などイタリア語の講師を務めつつ、北海道の放送局でイタリア料理の紹介や旅行のレポーター、ラジオパーソナリティなどを務める。2002年、14歳下のイタリア人ベッピと結婚。エジプト、シリアと日本を往復しながらの生活が続くが、2004年に日本での仕事を整理し、リスボンに家族三人で住むことになる。主な著書に『テルマエ・ロマエ』『モーレツ! イタリア家族』『世界の果てでも漫画描き』『地球恋愛』『ルミとマヤとその周辺』など多数。現在シカゴ在住。

「2012年 『ヤマザキマリのリスボン日記──テルマエは一日にして成らず』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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