女という生きもの (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344425156

感想・レビュー・書評

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  • 益田ミリ 著

    本作は自身のエッセイ文体を含みつつ、
    漫画でも表現していて二度美味しい本(^^)
    いつも通りの、ある、ある感の作品だけれど…漫画の主人公を客観的に描いてるのではなく、自身を投影して感じた思いや出来事を描いていて、 
    ”女という生きもの”についてのある様を上手く表現している。
    細かいことをよく表しているけど、繊細な…という感じだけではなく、大雑把に言って実のところ…そうだよね〜って共感する。
    そうそう、ってクスッと笑えるところもあれば、やけに真顔で、真剣に考えてしまう部分もあった。
    文庫のあとがきに自身の言葉で、
    たんたんと書くことでしか放出できぬ憤りがあったのだろう。
    久しぶりにエッセイを読み返し、そう思った
    と、綴っている。
    何だか分かるなぁ、って思ってしまった。

    “母にならぬということは、子育てを通じての、自分の新たな一面は見られないということでもある”の一文に頷きながら…
    子どものいない子育て経験のない自分が、この本を読む気持ちと子育て経験のある母親になった人が読むのとはまた違った感情なのかもしれないって、ふと思った。
    我が子の成長が見れないのと同じく、我が子の成長を見ている、見届けている新たな一面の自分を知ることなく人生を終えるんだろうなぁ…私。
    感慨深い気持ちと裏腹に、それはそれで仕方ないか、、自分で決められない人生だってある、ミリさんじゃないけど(^^;;
        今はおおむね、穏やかだ。
    ミリさんが20歳の若い頃を思い出すように…あの頃は、何の衒いもなく、意外と気ままに生きてたような気もする。
    辛いことがあっても若さという自信が自分を補ってくれるようなところもあったのかもしれない。

    しかし、ふと思い出した事がある、私が27歳の頃の記憶…会社勤めをしていた時、ある男性社員に(多分35、6歳くらいの人)
    「ちょっと、おばちゃん」と声をかけられた
     「エッ!誰?」とまわりを振りかえったが、どうやら私に呼びかけていたようで、驚いた
    勿論、まわりに、そんな呼びかたをする社員などいない訳だけど…(~_~;)
    “27歳って、おばちゃんなのか〜⁉︎小学生の子どもでも遠慮して、お姉ちゃんくらいは言ってくれるぞ〜”と内心思った。
    気分悪くて返事はしなかったのだが、
    再度「なぁ、おばちゃん」聴こえなかったのか〜っていうふうにニヤついて、
       その人は私に声をかけてきた。
    もう一度心の声…
    (何で私が年上のアンタにおばさん呼ばわりされなくっちゃいけないのよ〜(`・∀・´)人に上からオバさん呼ばわりしてるわりに、この人は自分がオジサンなんて言われでもしたら半端なく怒るようなヤツだ!(" ̄д ̄)!
    勝手に自分の訳わからぬコンプレックスを人にぶつけて、相手が落ち込むのをみて、発散して面白がるというやり方、そんな人に今までにも何度か出会したことがある、そんな器の小さな人間に惑わされちゃいけない そんな人間をまともに相手にしちゃ駄目だ! だから平気だ!
    平気だと思うのに、思ったより心は傷つく。

    私は言った!「あの…外で私の事、どう呼ぼうと構いませんが、職場(社内)では名字で呼んで頂けませんか」その男性社員はフンといったような態度で、それから私を無視し続けた。(きっと、私の言い方が気に食わなかったのだろう)仕事はかなりやりにくかったけど、ま、それだけで済んだら良かったけれど…忘年会とかの席では、お酒が入って無礼講とも言わんばかりに、酔っ払ったふうで自分の悪友の2人組で絡むように、おばさんどころか、「オバハン!」「オバハン!」
    と笑いながら連呼、、無視してると
    「ちょ、そこのオバはん!」やれやれ、、
    何だか情け無いやら悲しい気分になってると、友達の派遣社員の女子が「何で、あんなヤツに言われなきゃなんないのよ〜許せない!」って私以上に憤慨していて、私が困ってるのを面白がって…まだ言ってる男性社員に向かって…言い放ったのだ‼︎
    「うるさい!このハゲ‼︎」!(◎_◎;)
    その場が可笑しいほどに一瞬にして凍りつき、予期してなかったその一喝に男は顔を赤くして黙った。もうめちゃスッキリ( ◠‿◠ )
    心の中でゲラゲラ笑えた!サンキュー♪
    何を長々と思い出に耽っているのかと思われるだろうが、まさに…人生において
    “捨てる神あれば拾う神あり”じゃんと思えた。

    実際問題として(←この言い方何だか懐かしい(笑))27歳という年齢が若いか?オバさんと言われる年齢なのかは人の感じ方によって様々なのか知らないけど、
    人の嫌がるようなことを平気で言ったりする人には気分が凹んだり許せないなぁという思いは今も変わりない。そんな嫌な思い出より、私を助けてくれた彼女は今頃どうしてるんだろう…何年も会ってなくて、急にとても懐かしくなってレビューの中で思い出に耽ってしまった(^◇^;)

    すべての女性がそうだという訳じゃないけど、私なりに思う女って生きものは
    結構、小さな拘りを幾つも持っていて、気にしてない素振りをしながら、意外と気に病んだり、その動向をよく見てる。
    気がかりだったり、不安にもなるけど、
    案外、冷静に物事を捉えている気がする。
    笑えた一コマ、一コマをいつまでも覚えているし、思い出して一人笑ったり、感傷に浸ったり、仲間とそんなネタを飽きずに笑いにしたり、フリをするのも結構得意だと思う。

    だからきっと、益田ミリさんの描く、拘りの小ネタが詰まった思い出の情景にも、その感覚分かる〜ってクスッと笑えるし、ほのぼのした気分になれるんだろうと思う。

    本作の16コマの漫画の中で、ミリさんがひとり旅で古い民宿に泊まったことが描かれていた。おばあさんがひとりで民宿の切り盛り、客はわたしだけ…二人の会話で
    「あなたお子さんは?」「いないです」
    「そう…、」
    わたしに子どもがいないことに、悲しそうな顔したおばあさん   
    きっと、おばあさんの人生は、子どもがいて幸せだったんだろう  
    (なんか、よかった(心の声))
    わたしにも   たぶんわたしだけが知っている幸せがあって  
    そのことが誰かに伝わらなかったとしても
    (別にいいのかもしれないな)
      同感ですーミリさん(私の心の声)

    • 5552さん
      hiromida2さん、こんにちは

      会社の同僚さんとの「オバサン」事件、最終的にはスッキリできて良かったです。
      私の父は三十過ぎた女...
      hiromida2さん、こんにちは

      会社の同僚さんとの「オバサン」事件、最終的にはスッキリできて良かったです。
      私の父は三十過ぎた女性のことを「オバサンじゃん」と言います。
      自分は七十過ぎの「ジジイ」なのに、娘の私より年下の女性なのに!
      たぶん、心の中では自分はまだまだ少年だと思ってるんですよね。
      鏡見てからいいやがれ、ですよねー。
      あと、見知らぬ人に「おかあさん」と、呼ばれるのも実は不快です。
      そりゃ、子供がいてもいい年頃だけど、あなたに呼ばれる筋合いない、とプリプリしちゃいます。
      日本語に、英語のMsに当たる表現が欲しいです。
      私は気が弱いのでついつい傷ついていても怒っていてもヘラヘラしちゃうので、一矢報いるhiromida2さんと、派遣社員の女性にスカッとしました。

      すみません、ついつい共感してしまって、愚痴ってしまいました。

      2022/02/01
    • hiromida2さん
      5552さん、こんにちは!

      コメントにまたまた、納得‼︎
      すべての人がそうじゃないけど、男の人は
      とくに、自分より年上の男の人の方が「おば...
      5552さん、こんにちは!

      コメントにまたまた、納得‼︎
      すべての人がそうじゃないけど、男の人は
      とくに、自分より年上の男の人の方が「おばちゃん」と呼びがち(^_^;)
      若い男の子や青年の方が相手の気分害さないように「お姉さん」って呼んでくれる気がします(陰でどう呼ぼうが目の前で言われなきゃいい!) 三十を過ぎて…もう自分もオバさんか…と自分で思っていても、40歳になったら30なんて、まだ若いじゃん!と思う、
      50歳になったら、きっと40歳なんて、まだ全然、若いんじゃないかと思うだろう。
      今、お稽古で通ってる七宝の方たちは全くそう見えない溌剌とした70過ぎの人ばかり…
      そんな方達に「やっぱり、若いわ〜」とか言われ、恥ずかしくなって”いや、若くないし”と思っても若くないですよ!なんて言ったら、そんなふうに言ってくれる年配の方に失礼だと思い、フフッと笑って誤魔化す。
      その世代からみたら若者になるんだろう、
      そんなもんよ(笑) 
      ところで、また長くなっちゃうけど…
      見知らぬ人に「おかあさん」と呼ばれる問題、まさに、まさに同感、不快極まりない!
      以前、服屋さんに服を見に行った時、
      若い店員から「おかあさんだったら、これ似合いそう…」ってやって来て(~_~;)「店員ならせめて…お客さまって呼べよ!」って私も声に出しては言わず心の中でそう告げて、
      服を置いてさっさと店を出た、
      “私は貴女のおかあさんでさえないし…”
      私もプリプリした思い出があります(*`へ´*)
      たまには、一喝入れるのもありかもですね。
      2022/02/01
  • 益田ミリさんの子供の頃から現在に至るまでの女子として、女性として感じた疑問や理不尽さを綴ったエッセイ。

    子供の頃、アラフォーの頃に感じたことなどを思い出しつつ、クスッとしたり共感を覚えたりしながら、あっという間に読了。

  • 益田ミリさんのエッセイ集。
    母となる人生、母とならない人生。

    女として生きて来た人生を振り返ると、様々なことが思い浮かびます。
    喜怒哀楽や楽しみ、悩み...

    なかなか男性には、計り知れないことも、多々ありますね。

  • 一冊本を読み終わったら、挟みたいのが益田ミリさん(もしくは北大路公子さん)

    ちょうど執筆していた時が、今の私と同じくらいの歳

    わかるわかる!共感ポイント多数

    そして、益田ミリさんの人間性が滲み出ている所

    帰宅中の知らない男の子を曲がり角まで見守るミリさん

    たまに入るちょっと毒のある文章もスパイスになってて、とても楽しい時間を過ごせました!

  • 自分にもあるある!ですよねぇ~!という事柄が多々書いてあり、ほくそ笑みました。
    電車の中での足を組む女性の話!
    すれ違いざまのチッ!の話。(笑)
    こーいうのも共感できて嬉しいし安心するのも女なのでしょうか?!
    あとがきはミリさんの本音が伝わり自分にも重ね合わす部分もあり…
    女の生き方…女である幸せとは!?
    過去は変えられないので、私は可愛いい
    お婆ちゃんになれるよう努力したいです。

  • しゅんとする朝が訪れたときには、とりあえず散歩に出て、あったかいものでも食べよう、と思えるわたしでいたいと思うのだった。
    このくだりが好きだ。
    そしてバックをリュックに変えたお話しには そうそう。
    それから 日に何度も孤独と向かい合いながら大人になり、老いつづけている には
    なるほど うふふ
    通勤電車のマスクの中で笑ってしまう。
    目も笑ってます。……

  • 益田ミリさんのエッセイはいつも
    「あ~わかるわかる!」
    「そうなんだよね~」
    とかもうホントにドキッ!とする

    生理とブラの話にはなんかもう
    身もだえしてしまった!
    いや、なんちゅうの…
    あの独特の恥ずかしさというか
    母親の喜んでいるのか戸惑っているのかわからない
    気恥ずかしい感じを思い出し…

    そうなのよね
    「大人になった」と感じたんではなくて
    そこには事実しかなかったんだよね。
    あのモヤモヤ感をうまいことミリさんは表現してくれてます!

    そして私も、ヤングなわかもんに
    いつの日かおばあさんとか呼ばれて
    脳がダメージを受ける日が来るのかと思うと
    ちょっとブルーになった…

  • 正確に書くと星3.7。
    女として思うことがたくさん述べられていたが、共感できるものもあり、そうでないものもあった。
    でも、着眼点は面白いと思った。
    薄いので1時間もかからず読めるのが良い。

  • この本を書いた時の益田ミリさんは40代前半。
    独身の人生、結婚して子供のいる人生、いない人生、色んな人生があるけど、どんな人生になっても後悔だけはしないように生きたいと思う。

    あとがきに書いていた『たった一回しか生きられない自分の人生』は少し重みを感じた。
    自分自身は今30代前半だが、これからどうなりたいか、人生について考えるいいきっかけになった。

  • 母になる人生。ならない人生。
    自分だけが知っている小さな幸せ。
    人それぞれの幸せ。

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。イラストレーター。主な著書に『欲しいものはなんですか?』『みちこさん英語をやりなおす』『そう書いてあった』『今日の人生』『しあわせしりとり』『すーちゃん』シリーズ、『マリコ、うまくいくよ』『僕の姉ちゃん』シリーズ、『スナック キズツキ』『ツユクサナツコの一生』『ヒトミさんの恋』『ランチの時間』等がある。

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