有頂天家族 二代目の帰朝 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 195
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  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344425828

感想・レビュー・書評

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  • 赤玉先生の二代目はどこにいるの?
    なんで許嫁は姿を見せないの?
    前作の些細な疑問がスッキリしつつ、巻き起こる愉快な事件や下鴨家の温かい家族愛が垣間見えて、前作から引き続きの面白さでした。

  • 登場人物も増えてにぎやかw 前回より先が見えないw でも、ほのぼのしてる\(^o^)/ 海星ちゃんが何より可愛いな。

  • 有頂天家族1もすごく面白く、期待通り2も面白かった!個人的に今まで読んだ小説で指折りに入る。
    狸、天狗、人間のやりとり、話のテンポや言い回し、京都だけでなく今回は滋賀の細かな描写も関西人には堪らない。

  • 愛すべき狸たち。
    京都の街。

  • 1冊目の熱量をそのままに、、、話の流れがよくまとまっていてたぬき達はエネルギーに満ち溢れている。

  • たぬきと天狗と人間の三つ巴。人間がやっぱり一番わけがわからないんだなぁ、と。


    阿呆の血のしからしむところなのだなぁ

  • 最後のどんでん返しはびっくりした❗全く疑わなかったのでひっくり返ったな、さすが狸。語りたいけど完全ネタバレになってしまうので1人でニヤニヤしておこう。

  • 今回も面白かったー!
    前作登場のキャラ一同皆パワーアップ。且つ、新キャラがどれも濃い!!
    今作はロマンス要素組み込まれてて、ファンタジー色は強めになってます。
    前回に比べ、弁天の印象が変わったかも…。

  • 「古代の王政」

    物語の面白さ、大団円、ラストシーンの憂いといった物語体験そのものの楽しさはもうみんな認めることだろうと思うから、楽しかった!面白かった!のひとことふたことで充二分。

    その上で、この物語における人間、天狗、狸の関係性について。

    三つ巴、三方塞がり、いろいろと言い方はあるだろう。

    しかし、およそこの自然においては三つ巴とか三方塞がりとかさんすくみ、ピラミッド、ハイアラーキー、三権分立という形態は理想なのかもしれない。

    3という数字は決して阿呆の数字ではなく緊張感がうむ深遠なる美しさを表すように思える。

    三権分立とは、それぞれ相互に重ならない権力を持ち、相互に監視し、持ちつ持たれつの関係性を作る。

    これら三つの権力は互いの境界を侵犯することは法の精神から赦されない事だ。

    「三権分立が理想ぢゃ」と言ったのはモンテスキューが最初ではない。

    ルネサンス期の偉大な思想家ニコロ・マキャベリも古代ローマを参照しつつ「古代の王政」を評価した。

    というより、モンテスキューがマキャベリを参照して三権分立を着想し提案した事は意外と軽視されているし、「マキャベリ思想即ち非共感・簒奪・現実主義である」などと自己啓発・ビジネス書界隈で履き違えられている事は唾棄すべき現象だ。

    古代の王政とは即ち、古代ローマにおける独裁官(執政官)・元老院・市民(民会)の三権力である。

    独裁官による暴政を元老院が監視・阻止し、元老院の無能を市民が監視する。

    当時の市民権は民兵のみが持っていたから、市民が都市を捨ててカンピドーリオの丘に立て籠ればローマは蛮族の侵攻から無抵抗となり、資産持ちの元老院はそれを恐れた。

    そして、三権においてどこかがどこかの境界を侵犯せんとすると、いわゆる政治的不安定が起きる。

    カエサルのルビコン渡河、ワイマール憲政下の国家社会主義者労働党、フランコ総統、そして・・・

    この物語における架空都市「京都」も人間・狸・天狗という三主体が相互的な緊張・協力関係にある事がわかる。

    赤玉先生は二代目と弁天という人間界から攫ってくるという人間界に対する侵犯、夷川早雲は狸でありながら金曜倶楽部に与する狸界への裏切り。

    こうしたそれぞれの境界侵犯が天狗大戦云々といった大騒動を巻き起こす。

    しかし、主人公矢三郎もまた、狸でありながらに境界を侵し、天狗と狸の間を、狸と人間との間をうごうごする。

    この物語を通じて、それぞれの持ちつ持たれつという、ほどよい関係性の大切さ、甘えて甘えられるという事の自然さを実感する。

    自然でほどよい関係性とは即ち優しさに他ならない。

    P.367「私はいつでも優しかったわ」

    この台詞の重さが染み渡る。

    そしてなぜ彼女は優しく可哀想なのか。

    それは自身が人間でもなく天狗でもなくましてや狸でもないというボーダーラインの心性であるという点に他ならないのではないか。

    こんなようにも思う。

  • 今回も不思議な世界観で楽しませてもらいました。
    前作よりも頼もしくなっていた弟や次兄の活躍ぶりが印象的。
    海星とのやりとりも、微笑ましくてほっこりしました。
    どこまでもミステリアスな弁天はこのあとどうなっていくのでしょう。続きが楽しみです。

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著者プロフィール

1979年、奈良県生まれ。京都大学大学院農学研究科修士課程修了。2003年『太陽の塔』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。07年『夜は短し歩けよ乙女』で山本周五郎賞を受賞。同作品は、本屋大賞2位にも選ばれる。著書に『きつねのはなし』『有頂天家族』など。

「2022年 『四畳半タイムマシンブルース』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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