有頂天家族 二代目の帰朝 (幻冬舎文庫)

  • 幻冬舎 (2017年4月5日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (544ページ) / ISBN・EAN: 9784344425828

作品紹介・あらすじ

狸の名門・下鴨家の矢三郎は、親譲りの無鉄砲で子狸の頃から顰蹙ばかり買っている。皆が恐れる天狗や人間にもちょっかいばかり。そんなある日、老いぼれ天狗・赤玉先生の跡継ぎ〝二代目〟が英国より帰朝し、狸界は大困惑。人間の悪食集団「金曜俱楽部」は、恒例の狸鍋の具を探しているし、平和な日々はどこへやら……。矢三郎の「阿呆の血」が騒ぐ!

みんなの感想まとめ

狸と天狗、そして人間が織り成す予測不能なストーリーが展開される本作は、京都を舞台にした魅力的なエンターテイメントです。親譲りの無鉄砲な狸・矢三郎が繰り広げる騒動に、老天狗・赤玉先生の息子である二代目が...

感想・レビュー・書評

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  • 狐は化かすけれども正体は現さない。狸は化けるけれども化けの皮がすぐに剥がれる。京都の町には、阿呆の血のしからしむところ、毛玉かわいい狸がうごうごしているが、闇に紛れて、人に紛れて、気がつかない人には気がつかない。

    さて、お立ち合い。
    (作品上では)昨年、下鴨家狸四兄弟と夷川家狸との、大晦日狸宗家襲名儀式のはちゃめちゃは、夷川早雲の逃遁でケリが付き、弁天の外国留学、金曜倶楽部の狸汁断念、で今年前半は京都の町も押し並べてことも無し。‥‥ところが、100年前に親子喧嘩で別れたきりの天狗赤玉先生の息子(二代目)が帰朝する。そこから、またもや大晦日の偽右衛門襲名、弁天二代目赤玉先生三巴の確執、夷川呉一郎の帰還、下鴨矢一郎と南禅寺玉蘭の恋、下鴨矢三郎と夷川海星の恋、そして金曜倶楽部忘年会狸汁を巡るはちゃめちゃに移るのではありました。

    実はこの間、宮島未奈女史の「成瀬は〜」の影響下、モリミー描く「京都」は俄かに耳目を集めているらしい。本書の何処を開いても京都の町は怪しげに舞台名を提供してるので、安心して要覧されるが宜しいかと思われる。例えば曰く。
    「打ち揃って糺ノ森を出て出町橋にさしかかったとき、母は「本当に良いお天気ねえ」と溜息をついて欄干にもたれかかり、高い秋空を舞う機を見上げた。」「西国三十三所第十八番札所、紫雲山頂法寺。ビルの谷間に忽然と姿を現すその寺の境内、枝を垂らした柳の下に六角形の不思議な石がある。これぞ京都の要石、またの名を「へそ石」という由緒正しい石ころである。」
    糺ノ森も出町橋も、頂法寺もへそ石も存在しているが、実存は不明だ。因みに、ここでチラリと出てきた倉敷小町温泉(379p)は存在していない。因みに、へそ石は長老狸の化けた姿とのこと。次回京都旅をした折には、阿闍梨餅を食すのと同等の最優先体験事項とすることを決めた。

    阿呆の血の然らしむ処、今や狐は大都会の傍らには棲んではないが、いまだに狸は堂々と棲んでいるのである。果たして賢かったのは何方やら。天狗族でもなく、金曜倶楽部の悪食集団でもない凡庸たる不祥・某(それがし)などは、彼等の右往左往をニヤけて見るのみなのである♪

    • bmakiさん
      阿闍梨餅は生もみじ饅頭と似ている気もしますが、あの系統は大好きです*( ᵕ̤ᴗᵕ̤ )*

      静岡県ですと、田子の月の富士山御蔭餅がそんな...
      阿闍梨餅は生もみじ饅頭と似ている気もしますが、あの系統は大好きです*( ᵕ̤ᴗᵕ̤ )*

      静岡県ですと、田子の月の富士山御蔭餅がそんな感じのお菓子です♪

      成瀬から、森見さん、京都が大人気のようですね(∩ˊᵕˋ∩)・*
      2026/02/02
    • kuma0504さん
      「生もみじ饅頭」て、あるんですか!初めて知りました。京都で生菓子巡りしたい!

      今年は一回は京都行きます。日帰りか、一泊で。
      「生もみじ饅頭」て、あるんですか!初めて知りました。京都で生菓子巡りしたい!

      今年は一回は京都行きます。日帰りか、一泊で。
      2026/02/02
  • 京都を舞台に狸と天狗と人間の織り成す、予測不能の傑作エンタメです。天狗の赤玉先生の二代目が帰国し人間で半天狗の弁天と戦ったり、狸界の頭領、偽衛門の称号をめぐる陰謀があったり、めくるめく展開が毎回凝縮されています。
    にもかかわらず、しっかりしたストーリーの構成と「鶏群の二鶴」のような漢文調の熟語が効果的に散りばめられ格調高く物語が構成されています。
    何も考えず、ストーリーの赴くまま、躍動する登場人物たちを追いかける。次か次かとワクワクしてページをめくっていく。これぞエンターテイメントですね。
    森見さんの作品の荒唐無稽さに挫折を繰り返してきましたが、本シリーズは狸や天狗、京都という舞台設定が絶妙で違和感なく楽しめました。
    笑えるのは物語の描写の中に、怒涛の展開、意表を突く展開を自分で描いといて「なにゆえ…理解に苦しむ。」とか、「訳がわからなさぎて言葉にならない。」などとツッコミを入れているところです。
    森見さん自身もそうなのでしょうか(笑)
    狸がかわいらしく、キャラの一人ひとりが光ってました。とても楽しめました。読書の楽しみや奥深さがまた広がった一冊です。

    • misachi68さん
      ちゃたさん、こんばんは!
      続編でこんなに楽しいなんてすごいですよね。
      私も可愛い毛玉を愛でたいなぁ、とか思ってました。
      ちゃたさん、こんばんは!
      続編でこんなに楽しいなんてすごいですよね。
      私も可愛い毛玉を愛でたいなぁ、とか思ってました。
      2022/07/13
    • ちゃたさん
      misachi68さん
      本当に素敵な本を紹介くださりありがとうございます。
      ラストが近づくにつれページをめくるのが惜しくなるほどでした。毛玉...
      misachi68さん
      本当に素敵な本を紹介くださりありがとうございます。
      ラストが近づくにつれページをめくるのが惜しくなるほどでした。毛玉たち最高でした!
      2022/07/14
  • 赤玉先生こと如意ヶ嶽薬師坊(天狗)の息子、二代目がイギリスから帰郷した!!

    赤玉先生と二代目の軋轢から二代目はイギリスへ旅立って久しくしていたが帰朝し、その関係性へ弁天が割ってはいる形で三人の天狗(主にともに気に入らない二代目と弁天)がやりあう方向に。

    狸界では偽右衛門は矢一郎に決まりかけるも、夷川早雲の思惑が炸裂し後継者争いの雲行きも怪しくなり…。

    金曜倶楽部はあいもかわらず狸鍋を画策し幻術師天満屋が大暗躍。

    最後はやっぱりタヌキ・天狗・金曜倶楽部が入りまじりはちゃめちゃになっちゃう。

    わかりやすい&期待したい伏線もしっかり回収してくれてどのキャラクターも活躍してくれて嬉しい。矢三郎もついにあわやというところまでいくしでハラハラ、早雲もあいかわらずだし海星はというとついに…。

    前作からけっこう間をおいたのでこの世界観を濃く感じずに楽しく拝読できました。(続けて読むとちょっと濃い)

    そしてラストはなんだかしんみりと天狗の孤独さも感じていろんな楽しみかたのできる好きな作品です。

  • 前作以上に楽しかった!

    前作からの伏線も多く、この本を読むことで世界観をより一層楽しめました。
    登場キャラが前作より増え、ハチャメチャ感が強くなった気がします。

    胸キュンあり、ピンチあり、どんでん返しありの盛沢山で最後まで充実していて飽きなかった!
    すっかりこの人間と天狗と狸が織りなす奇想天外ワールドに引き込まれてしまっているなあ。
    毛深い表現が個人的に大好きです。

    ただただ楽しかった!面白きことはよきことなり。
    次作を心待ちにしております。

  • 有頂天家族の2作目は初読み。
    「二代目の帰朝」ということで、赤玉先生の跡継ぎたる二代目が英国から戻り、京都の狸界に大きな波紋をもたらす。
    二代目の他にも新キャラがたくさん登場し、それぞれの個性が際立っていて、前作より厚みがあったにもかかわらず飽きずに読むことができた。

    下鴨家と夷川家、そして赤玉先生と二代目の因縁、そこに弁天や金曜倶楽部、淀川先生、天満屋となかなか曲者揃いのキャラクターが絡み合い、再び波乱万丈の日々となる。舞台も京都に収まらず、有馬や四国まで広がり、前作から1年経って夏の納涼船合戦や年末の偽右衛門選出といったイベントも繰り返されるが、前作以上に滅茶苦茶な展開だった。

    個人的に夷川家の金閣・銀閣の阿呆ぶりや海星の毒舌が気に入っているのだけど、今回は彼らの新たな事実(兄弟の本名や海星が矢三郎に絶対姿を見せない理由)を知ることができた。下鴨四兄弟にもそれぞれいくらか変化はあったけど、解説にあったように矢三郎と弁天の関係がどうなるのか。弁天はやっぱり人間と天狗が入り混じっているからか何とも掴みどころがない感じがする。

    この2作目も結構間が空いたようだけど次作がまたいつか出るのか?気になる。

  • 「古代の王政」

    物語の面白さ、大団円、ラストシーンの憂いといった物語体験そのものの楽しさはもうみんな認めることだろうと思うから、楽しかった!面白かった!のひとことふたことで充二分。

    その上で、この物語における人間、天狗、狸の関係性について。

    三つ巴、三方塞がり、いろいろと言い方はあるだろう。

    しかし、およそこの自然においては三つ巴とか三方塞がりとかさんすくみ、ピラミッド、ハイアラーキー、三権分立という形態は理想なのかもしれない。

    3という数字は決して阿呆の数字ではなく緊張感がうむ深遠なる美しさを表すように思える。

    三権分立とは、それぞれ相互に重ならない権力を持ち、相互に監視し、持ちつ持たれつの関係性を作る。

    これら三つの権力は互いの境界を侵犯することは法の精神から赦されない事だ。

    「三権分立が理想ぢゃ」と言ったのはモンテスキューが最初ではない。

    ルネサンス期の偉大な思想家ニコロ・マキャベリも古代ローマを参照しつつ「古代の王政」を評価した。

    というより、モンテスキューがマキャベリを参照して三権分立を着想し提案した事は意外と軽視されているし、「マキャベリ思想即ち非共感・簒奪・現実主義である」などと自己啓発・ビジネス書界隈で履き違えられている事は唾棄すべき現象だ。

    古代の王政とは即ち、古代ローマにおける独裁官(執政官)・元老院・市民(民会)の三権力である。

    独裁官による暴政を元老院が監視・阻止し、元老院の無能を市民が監視する。

    当時の市民権は民兵のみが持っていたから、市民が都市を捨ててカンピドーリオの丘に立て籠ればローマは蛮族の侵攻から無抵抗となり、資産持ちの元老院はそれを恐れた。

    そして、三権においてどこかがどこかの境界を侵犯せんとすると、いわゆる政治的不安定が起きる。

    カエサルのルビコン渡河、ワイマール憲政下の国家社会主義者労働党、フランコ総統、そして・・・

    この物語における架空都市「京都」も人間・狸・天狗という三主体が相互的な緊張・協力関係にある事がわかる。

    赤玉先生は二代目と弁天という人間界から攫ってくるという人間界に対する侵犯、夷川早雲は狸でありながら金曜倶楽部に与する狸界への裏切り。

    こうしたそれぞれの境界侵犯が天狗大戦云々といった大騒動を巻き起こす。

    しかし、主人公矢三郎もまた、狸でありながらに境界を侵し、天狗と狸の間を、狸と人間との間をうごうごする。

    この物語を通じて、それぞれの持ちつ持たれつという、ほどよい関係性の大切さ、甘えて甘えられるという事の自然さを実感する。

    自然でほどよい関係性とは即ち優しさに他ならない。

    P.367「私はいつでも優しかったわ」

    この台詞の重さが染み渡る。

    そしてなぜ彼女は優しく可哀想なのか。

    それは自身が人間でもなく天狗でもなくましてや狸でもないというボーダーラインの心性であるという点に他ならないのではないか。

    こんなようにも思う。

  • 前作を上回る「阿保の血」が炸裂した作品だった。

    夷川家とのどんぱちも落ち着いてやっと下鴨家長兄が偽右衛門かぁと思っていたところに矢三郎の不吉な歌。これはまた最後に大荒れな予感…と思っていたら案の定。「面白きことは良きことなり」というセリフがあったように、どんなはちゃめちゃな出来事もどこか楽しげに感じさせる書き方がいい。やたら下鴨家にちょっかいをかける金閣・銀閣をはじめとする夷川家もどこか憎めない。

    個人的にはコメディの表現に「文才さ」を感じる。印象としては「真面目な顔してコメディを描く」作家。森見登美彦さんのような文章の表現ができたらなぁと常々思う。
    あぁ、3作目出ないかなぁ。

  • 森見登美彦さんの作品にはずれなし!でした。
    ストーリー展開や表現方法、キャラクター等が、とても魅力的で、グイグイ読んでしまいました。
    ぜひぜひ読んでみて下さい

  • 狸界の破壊的なドタバタコメディー。
    個人的にとってもツボだったのは(何度か出てきた表現だったと思うんだけど。)「幼き毛玉だった頃」っていう言葉。ピンポイントで心を掴まれてしまいました。

  • 今回はシリアスな場面多し。それを象徴してるのがラストの矢三郎と弁天の2人っきりの場面じゃないかしら。ちょっとちょっと!胸がどきどきしちゃったじゃないの。いつもの阿呆な矢三郎は何処いった?雨脚が強まる沖。ひっそりとした洋館の中。涙をぽろぽろこぼす弁天の髪を撫でる矢三郎。想いも淋しさも悔しさも孤独感も何もかも全部ひっくるめて、全てが届きそうで届かないって感じ?決して成就することはないとお互い分かってる。矢三郎はやっぱり弁天のことが好きなんだろうけど、弁天は矢三郎のこと恋愛対象じゃないと思うの。ただ今弱っちゃって、矢三郎の優しさや愛情に甘えてしまったんだと思う。そんな想像しちゃったら、辛いよね。しんみりしちゃう。弁天と二代目は、憎しみあってるけど心の奥底で求めているものは同じなんじゃないかしら?まぁそんなこと人間のわたしには想像もつかぬこと。だって彼らは(人間だ、天狗にならないとほざいたところで)天狗なのだから。

  • 今作も終わりに近づくにつれてまた大きなドタバタが待っているんだろうなぁってページをめくるのが楽しかった。毛玉が転がってるかと思うと想像してにこにこしちゃう。矢一郎と玉蘭が矢三郎と海星を助けに行く兄弟愛とか、銀閣に優しい子だっていうお母さんとか、まだ未熟な二代目と弁天、結局天狗の威厳見せちゃったり矢一郎・玉蘭に幸せになれっていう赤玉先生、、なんかもうみんな愛すべきキャラクターで、思い出せば出すほど可愛いなぁが溢れてきてしまう…。
    矢三郎は言わずもがな、機転が効いて肝が据わっててとにかく阿呆である。いつも心に矢三郎、住まわせたい。

    ますますこの家族めっちゃ好き、続編が待たれる。

  •  有頂天家族第二弾。阿呆の血が濃い狸の下鴨一家と暮らす京都の雅かつ愉快な一年。個人的にはこのシリーズの天狗たちにあまり興味を抱かないが、終盤の赤玉先生には何故だかジンとさせられた。本書の目玉は狸乙女である玉瀾と海星。2頭ともいじらしくて愛くるしくて堪らん。次作では矢二郎と星瀾の赤い毛が絡まり合う様も拝みたい。
     二代目は強いのにどうしたいのかわからなかったり、弁天も謎めき過ぎていたりともう少し天狗の心の裡が垣間見えれば、天狗と狸が程良く絡まり合い良い塩梅になったのではと思う。

  • やっと、やっと読んだ!!!
    流石は森見登美彦先生、前作に引き続きオモチロキ作品だった。けど最後はちょっと雲行き怪しげかな?
    夷川早雲たちの陰謀としぶとさ、赤玉先生と二代目との間にある確執、矢一郎と玉蘭の逢瀬→結婚などなど。狸への愛と不思議に溢れた小説だった。早く続きを読みたいので書いてくれぇ!!頼む!!!

  • 「森羅万象これエンターテイメントよ」

    狸・天狗・人の巴模様!

    予測無用の狸思考。

    ツチノコ探せば将棋で語り
    跡継ぎ決めれば恋に戸惑い
    人に化かされ地獄に墜ちる。

    こんがらがるがる、
    運命の毛糸玉。

    「まったくもってごちそうさま!」

    /////

    タヌキ目線の小説なんてなかなかお目にかかれません!三部作第二章となる本書もぽんぽこ大暴れでした。

    読んでると「あれ?タヌキってこんな賢かったっけ?」と脳がバグり出し、読み進めると「やっぱ抜けててカワイイな」と安心できる神の匙加減。いい塩梅です。続編も楽しみです

  • 一作目より面白く、読み終わりたくなかった…

    毛玉たちがかわいすぎる。
    色んなドラマが巻き起こり、赤玉先生もなんだかかっこよく、早雲にも見事に化かされ、阿呆の血も愉快。
    淀川先生も大活躍の狸愛。

    弁天も怖くてかわいくて、次巻が楽しみすぎる。
    最後気になる!

  • 有頂天家族の続編。赤玉先生の弟子である二代目の帰朝から物語が始まる。弁天対二代目の戦い、夷川早雲の暗躍、長男の偽右衛門襲名までの苦労と玉瀾との恋と色々な要素があって読み応えがあった。実際に狸たちが現実社会で化けながら生活してるのではと思ってしまうくらい面白い。早雲の執念に天晴れだか最後天満屋と一緒に地獄に落ちていくのは爽快。二代目に負けた弁天が今後どうなるのか、矢三郎がどう立ち回るのか期待。

  • 毛玉ファンタジー健在!
    第一部の有頂天家族の楽しさに衝撃を覚えてから、一年弱。
    ようやく第二部を手に取る。
    少し大人になったような?主人公の矢三郎。
    今回は運命の赤い毛の物語(恋愛話)がちょっと入ってて、玉蘭も海星もかわいい!
    かわいい末っ子の矢四郎くんもちょっと成長。ただ、ふかふかのソファに座って、
    「座り心地が良すぎてお尻が消えたみたいな感じがする」と、しみじみいうあたり、ほんとにかわいい。
    初登場の祖母もなかなかのキャラ。真っ白いふわふわの毛玉かぁ。気持ちよさそう。

    物語の展開としては、赤玉先生の息子、二代目が百年ぶりに故国に帰ってきたところからはじまり、
    弁天との因縁の攻防を繰り広げる。狸界では、長男の矢一郎が満を持して「偽右衛門」に就任しようとするところだ。
    500頁におよぶ長編だが、いちいち狸の描写がかわいかったり、楽しいのでさらさらと読めるものの、
    かなり最終盤になるまで大きな盛り上がりが欠けているようにも思った。このまま終わるのかな、と思ったほど。

    第一部とは違って、ラストもなんだか切ない。これからどうなっていくのかな、という感じだ。
    第三部が待たれる。

  • 有頂天家族二作目。もう一度一冊目を丁寧に読み返したい。ファンタジーなんだけれど置いてけぼりにされないありそうな世界観がとても好き。毎度読むたびに、京都のあの独特の雰囲気が読むだけで伝わってきて、没入できるのがとてもいいなと思わされる。

  • 実に見事な二巻だった。二代目の帰朝とは赤玉先生の二代目であり、夷川の二代目であり、下鴨家の二代目のことでもあるんだろうな。退場したかに思えた先代達に変わって二代目たちが活躍する話かと思いきや、先代もまだまだ負けてないぞとばかりに出張ってくる。一巻であまり触れられなかった海星やその他の問題にもきちんと解答がでて、ようやく役者の準備が整ったような感じ。いつ出るのやらわからないが、続編も楽しみだ。話の筋としては、舞台説明を含む一巻を下敷に流れをなぞっていくようなイメージ。序盤の平和な物語でも最後に向かって不穏な雰囲気を上手に配置していく文章力が素晴らしい。

  • 愛すべき狸たち。
    京都の街。

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著者プロフィール

1979年、奈良県生駒市に生まれる。小説家。『太陽の塔』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞してデビュー、最新作は『シャーロック・ホームズの凱旋』。好きな食べ物はチャーハン。城崎にて人生初のスマートボールを楽しむ。

「2024年 『城崎にて 四篇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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