アイネクライネナハトムジーク (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344426313

感想・レビュー・書評

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  • 読み終わってとても幸せな気分になった。すごく好きな本。
    色々な人の「出会い」が、人生が、絡み合っていく話。短編集と思いきや、すべての話が時には時空を超えて繋がっていく。一気読み推奨。
    特に好きだったのはライトヘビーの章。銀行の記帳の話も印象的。あと、現実に今の状況を言えばそれに合った歌詞を流してくれる斉藤さんみたいな人がそばに欲しい。
    当たり前だけど忘れがちな、人と人は繋がっているんだということを改めて実感した。コロナ禍だからこそ読んでよかった作品。ぜひ人におすすめしたい。

  • お得意の伏線回収系群像劇。犯罪っぽいことや命がけみたいなことが絡まず、楽しく読める。
    そうかあの男子はモデルになったか、と親戚のおばさんみたいな気持ちになったり。

  • 映画化の広告を見て、図書館で借りた。
    短編集と思ったら、登場人物が繋がっていて、もう一度関係図を書きながら読み返した。結局試合の結果はどうだったのか…どっちでもいいや!か(笑)

  • 読み進めていくにつれてあらゆるところで、人物たちが実際にありそうな絶妙な繋がり方をしていて面白かった。どんなにわずかで一瞬の出会いであっても、ひとつひとつの出会いがこれからの人生にどんな影響を与えるのかはその時には分からない。だからかそ出会いを大切にして、将来あの出会いはあって本当によかったと思えるような生き方をしたい。そう感じさせてくれる、人と人との繋がりの温かさを教えてくれる一冊。

  • 「これが出会いだ、ってその瞬間に感じるんじゃなくて、後でね、思い返して、分かるもの」

    “出会いがない”というすべての人が捕われている呪縛をこれほどまでに軽快に一蹴する一言があっただろうか。

    伊坂幸太郎が描いた、おそらく初となる「現在進行形」の恋愛小説集は、恋愛短編のようで、蓋を開けてみると10年に及ぶ何気ない”繋がり”を描いた物語に仕上がっていた。

    斉藤和義から依頼を受けて始まった短編たちは、涙を頂戴するわけでもなく、胸を締め付けるでもなく、ただそこに在る何気ない出会いたちを、1人のボクサーの歩みとともに淡々と、最後は臨場感たっぷりに描く。

    お得意の伏線を各編に散りばめつつ、『ナハトムジーク』で一気に畳み掛けるように回収していく様は圧巻で、期待を裏切らない安心感を抱きながら点と点が繋がるさまを眺めてしまった。

    私は、恋愛に疎いと自称しながらも、斉藤和義による”出会いとはの謎かけに”小夜曲”と答える伊坂幸太郎が愛しくてたまらない。

  • それぞれ独立した話ではあるがどこか繋がっていて、それに気付いた時嬉しくなる。優しい気持ちになれる作品だった。

  • 伊坂幸太郎さんには珍しい恋愛小説です。ご本人もあとがきでこのタイプのお話は本当に初めてだと言われていますが、そのきっかけを伊坂さんに与えてくださった斉藤和義さんに感謝!
    「出会い」がテーマの短編集ですが、ストーリーはつながっていて読み応えのある内容です。ただ、登場人物と時系列が入り乱れているため、何度も何度も「このキャラはもしかして!?」と既に読んだ部分を読み返しました。これがまた楽しくもあり、人によってはややこしいと感じるかもしれませんが、私は大好きなタイプのストーリー構成です。いくえみ綾さんのコミックスも今読んでますが素敵に面白いです。藤間さんがとてもイケメンでした笑
    実を言うと伊坂幸太郎さんの本は、女性の描写が淡々としていて少し苦手だったのですが、この本に出会って印象が良い方に変わりました。ほかの作品も読んでみたい!
    個人的にはいじめっ子がどうなったのか気になります。
    でもみんなほぼ幸せハッピーな雰囲気で終わるので、とても良い読後感。

  • 短編集。でもさすが伊坂幸太郎って感じ。
    読み進めて行くうちに深みにはまる…。

    色んな愛のかたちがあるね。
    なにがきっかけになるかなんて分からない。
    人と人との繋がりにすごく運命を感じた。

    斎藤和義さんの曲聴こ。

  • かなり前に読んでて、一年前だけど。はじめて紹介してもらって手に取った一冊。

    とてもいい。日常を普通の人たちを素敵に演出する。人生はおもしろい。言葉がとても素敵で、何度も泣いた。

    そして、今朝、正確には今週から
    なんとなく君の気持ちがはっきりと
    遠くに去っていくのを感じる。

    もう終わったんだね。

    急に戸惑いが襲い、淋しくなったけど、もう終わったんだ。

    ありがとう。

    Start today (カッコ悪ゥ)

    ゆっくりと一人で歩き出します。

  • 連作短篇集。
    伊坂さんの小説はいろいろな人がつながってくるところがとても面白い。
    あとがきにもあるように、今回は特徴的な人物がでてくる本ではなかったけど(ちょっと織田一真は特徴的にも思えなくなかったけど…)、言い回しとか展開はばっちり伊坂節で、読んでてワクワクした。
    中でもライトヘビーが恋愛ものっぽくて一番好き。斉藤さんは本当に斉藤さんだったんだなぁ。

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著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

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