リフレイン (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
3.60
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本棚登録 : 838
感想 : 81
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344430693

作品紹介・あらすじ

悲鳴をも、焼き尽くす!!!

最悪の火災事故——唯一の生存者が語る、
看護学校時代の“雨宮リカ”の素顔とは?             

生徒、教職員あわせて百二十余名の命を奪った「青美看護専門学校火災事件」。
その惨劇の前触れは、すでに一年前から始まっていた。
轢死、飛び降り、練炭自殺……学校の内外で続発する生徒たちの非業の死。
その周囲には、いつも「彼女」の影がちらついていた——。
阿鼻叫喚の地獄と化した火災の、唯一の生存者が語る看護学校時代の“雨宮リカ”
の素顔とは。シリーズ第六弾!

感想・レビュー・書評

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  • リカ クロニクル 第六弾 「リフレイン」
    これにて現段階でのシリーズを制覇してしまった。覚悟はしていたが顕著に現れるリカロス。素直でよろしい。

    今回はリカが過去に起こした「青美看護専門学校火災事件」が舞台。124人が犠牲者となり助かったのは1名のみ。その唯一の生き残りである渡会日菜子が看護学校時代の〈雨宮リカ〉の素顔を告発する。
    時系列としては過去編だが、本書は様々な記事を元に語られるノンフィクション風なプロットであり、リカ リターン リハーサルの事件をまとめている資料がある事から過去を辿った現在形とでも言うのだろうか。いやぁ、面白かった。

    リメンバー辺りからリカの固有技である無呼吸淡々語り(タイプ 悪)が一子相伝されている節があるが、これがまたおぞましい。
    あの文章を目で追うだけでつま先から上に向かってゾワゾワと何かが這い上がってくる。その恐怖に混じって、キタキタァ!!と謎の興奮が付いてくる最高のオマケ付きだ。
    これはリカからリフレインまで追い続け悪く言えば洗脳された読者でないと味わえない匠の技である。......褒めている。

    そして何よりお隣のリカさんの部屋から絶えず流れ続ける陰鬱な曲 〈 ポーラ・ネグリ   マヅルカ〉の存在。
    著者 五十嵐貴久も「是非YouTubeで」と勧めていたが、言われるまでもなく速攻でYouTubeを開いていた。なるほど最高のBGMだ。
    本書と関係は無いのだが、そのコメント欄の「リフレインから来ました!!」の多さと、それに対してこの曲の純粋な外国人ファンからの「なんの事か分からないけど日本のゲストが来てくれた事が嬉しい!!」とのやり取りに今世紀最大にホッコリした。

    そんな純粋なポーランド人含め人に胸を張ってオススメ出来る作品ではないが、得体の知れない恐怖につい手が伸びてしまう貴方には是非そのままの流れでリカクロニクルを掴んでいただきたい。
    しかし、気付いてしまうかもしれない。
    得体の知れない遠い存在だったはずの恐怖が、
    気付くとすぐ隣で自分の腕に絡みついている事を。
    ((^ω^≡^ω<ギャアアアアアアア

    茶番は置いといて、個人的にはいつまでも続いて欲しい大好きなシリーズです。
    次も楽しみだな〜ふふんふんふん

    • akodamさん
      NORAxxさん
      こんばんは。

      祝レビュー200作品目ですね。

      これからも熱量と愛情に満ちたレビューを楽しみにしています(´∀`*)ニヤ...
      NORAxxさん
      こんばんは。

      祝レビュー200作品目ですね。

      これからも熱量と愛情に満ちたレビューを楽しみにしています(´∀`*)ニヤニヤ
      2021/09/18
    • NORAxxさん
      akodamさん、こんばんは^ ^

      おや、本当ですね。
      ココを始めた頃からのブク友であるakodamさんに見届けていただけて目から(´﹃`...
      akodamさん、こんばんは^ ^

      おや、本当ですね。
      ココを始めた頃からのブク友であるakodamさんに見届けていただけて目から(´﹃`)でございます。

      こちらこそ
      私の楽しみ、貴殿の心躍る素敵なレビュー楽しみにしておりまニヤニヤ ( ゚∀ ゚)ハッ!フライングニヤニヤ出ちゃいましたね、レアです。
      2021/09/18
  • リカを追い続けてついに最新作。
    読み終わってしまうのが寂しいです。

    今作はとにかく渡会日菜子に感情移入しました。
    はぁ…悲惨でした。

    「雨宮リカとは歪んだ人間心理の象徴であり、誰もが何らかのきっかけで、容易にリカになり得る」

    リカになんてならないよ!と思いながらも恋や家族に夢見る純情な乙女の時期は女性ならきっと誰にでもありますし、尊厳死についてのところなんかは意見が分かれることでしょう。

    理性や善意などが個人からポッカリなくなってしまえば、リカになり得るの???
    幽霊や亡霊なんてオチはいやなので、火災でリカが死んだことになってるトリックなどが明かされる新作がでてほしいなぁと期待に胸を膨らませています。きっと〇〇の〇〇が絡んできたりとかかなぁ。なんてわくわくしてしまいます。リカ目線の新作なんかも読みたいなー。願望です。著者さま何卒よろしくお願いいたします。

    YouTubeで”マヅルカ”を検索し、きちんと世界観に浸かりながら読み終えました。
    かっこいい曲なのに、これが隣の部屋でずっとリフレインされていると思うと発狂してしまいそうです!
    悪の教典の”モリタート”を思い出しました。
    作者もあとがきで「マヅルカを聴きながらお読みください。ますます陰鬱になり、不快で嫌な気分になるでしょう。」と、おっしゃってました。

    「ですが、それを求めているのは【あなた】なのです。」

    …間違いないです。

    • NORAxxさん
      読了お疲れ様でした!!
      リカロスですね...わかります、わかります(笑)
      リカの生死は気になる所ですよね。個人的には「リスタート」的な感じで...
      読了お疲れ様でした!!
      リカロスですね...わかります、わかります(笑)
      リカの生死は気になる所ですよね。個人的には「リスタート」的な感じでリカの再始動を虎視眈々と願っております。
      これからも共にリカシリーズ楽しみましょう///素敵なレビューありがとうございます!!
      2022/03/25
    • あささん
      NORAxxさん

      まさしくNORAxxさんがレビューに書かれていましたとおりリカロス状態です。さみしいです。

      おぉーっ‼︎「リスタート」...
      NORAxxさん

      まさしくNORAxxさんがレビューに書かれていましたとおりリカロス状態です。さみしいです。

      おぉーっ‼︎「リスタート」めちゃくちゃありそうですね。それはかなりアツいです。期待してしまいます(n´—`n)

      こちらこそです!これからもNORAxxさんの本棚楽しみにしています。ありがとうございます!
      2022/03/27
  • ❇︎
    リカシリーズ
    ・リカ
    ・リターン
    ・リバース
    ・リハーサル
    ・リメンバー

    そして今回の第六作目
    ・リフレイン

    青美看護学校に在学中のリカの話。

    小学校高学年から中学生頃の『リバース』より、
    この『リフレイン』のリカの方が、邪魔な存在を
    排除する残虐さと執念が増していて恐ろしい。

    自分が受けた不快感を最も効果的に、
    かつ最大限に仕返しして手を下すさまも
    全く躊躇がない。

    リカの異常さや残虐さ執念や憎悪が確実に
    パワーアップしていて、小説の登場人物なのに
    人間でない感が満載です。

    まるで実際にあった事件の様に語られながら
    話が進んで行くのでより生々しさが増しました。

    筆者が(?)記者として登場してるのもユニークで、
    実と虚の間に一層リアリティが加わりました。

    満を持して現在最新の『リセット』を読むのが
    楽しみです。

  • 五十嵐貴久『リフレイン』幻冬舎文庫。

    『リカ』シリーズまさかの第6弾。ノンフィクション形式で看護専門学校時代の雨宮リカを描く。

    読み始めると最初から犯人は雨宮リカと解り切っているのに、なかなか物語は進まず、看護専門学校の火災事件の1テーマだけで随分と引っ張るなという感じだ。そして、ノンフィクション形式という淡白な描写が物語の面白さを阻害しているようにも感じた。もしも、雨宮リカ、或いは同級生一人の視点で物語を描いていたら、迫力のあるものになったのではなかろうか。

    19歳の雨宮リカこと升元結花が通う青美看護専門学校で生徒と教職員併せて120人余りが亡くなった火災事件を描く。雨宮リカが入学してから不穏な事件ばかりが起き始める。学年トップの女子生徒の轢死事件、加害者が事件後にトラックに轢かれ死亡した男子生徒同士の刺殺事件、不良女子生徒の飛び降り自殺事件、二人の女子生徒の練炭自殺事件、実習先の病院での患者の変死事件、教頭のエレベーター事故死事件……

    凄惨な火災事件の現場で唯一生き残った雨宮リカ……

    ホラー映画の『サスペリア』『キャリー』などで観たことのある描写が散りばめられる。

    本体価格670円
    ★★★★

  • 内容紹介 (Amazonより)
    悲鳴をも、焼き尽くす! ! !

    最悪の火災事故——唯一の生存者が語る、
    看護学校時代の“雨宮リカ"の素顔とは?

    生徒、教職員あわせて百二十余名の命を奪った「青美看護専門学校火災事件」。
    その惨劇の前触れは、すでに一年前から始まっていた。
    轢死、飛び降り、練炭自殺……学校の内外で続発する生徒たちの非業の死。
    その周囲には、いつも「彼女」の影がちらついていた——。
    阿鼻叫喚の地獄と化した火災の、唯一の生存者が語る看護学校時代の“雨宮リカ" の素顔とは。シリーズ第六弾!





    とても不気味なリカ、健在!っといった感じでしょうか...
    原作だけでなく ドラマの方も観ていたのでちょっと頭の中が混乱しながら読んでしまった。
    確か映画化もされたと思うけど このコロナ禍でどうなったんだろうか?
    原作で受けたリカのイメージとドラマでリカを演じた高岡早紀さんはとても違っていたけど あの「雨宮リカ28歳です」がもうインパクトあり過ぎで そして、あの猛烈な走り方が忘れられない。

    この作品は看護学校時代のリカですが 不気味さをそれとなく雰囲気で思わされる表現の仕方でこの作家さんは描き方が上手いなぁと思っていました。
    あの変な臭いが本当に漂ってそうなんです。
    先生のエレベーター事件では想像してしまって “ウゲッ〟となってしまった...あぁぁ...気持ち悪いぃぃぃ

  • 生徒、教職員あわせて百二十余名の命を奪った「青美看護専門学校火災事件」。
    その惨劇の前触れは、すでに一年前から始まっていた。
    轢死、飛び降り、練炭自殺……学校の内外で続発する生徒たちの非業の死。
    その周囲には、いつも「彼女」の影がちらついていた——。
    阿鼻叫喚の地獄と化した火災の、唯一の生存者が語る看護学校時代の“雨宮リカ" の素顔とは。シリーズ第六弾!

    リカね~リカね~相変わらず見事な狂いっぷりである。

  • 最恐ストーカー小説〈リカ〉クロニクル待望の第6段!
    本作は雨宮リカが看護学生だった当時の火災事件を題材にしたノンフィクション、という体で書かれた二重構造で、これまでとはまた違う角度からリカの恐怖を味わえるようになっている。
    リカにも学生時代があったんだなぁ。1巻から語られてきたこの「青美看護専門学校火災事件」の詳細はずっと気になっていたので読めて嬉しい。
    それにしても、巻を重ねるごとにますますそのリカの不気味さに磨きがかかっていて凄い。
    次の事件は升本家の養女になってからの伯母と二人息子の不審死だろうか?

  • 待ってました!

    「リカ」シリーズ第6作、時系列で並べればリカの幼少期を描いた「リバース」と看護婦時代を描いた「リハーサル」の間に位置します。

    本作で描かれるのは看護婦を目指した「青美看護専門学校」時代、雨宮リカの18~19歳頃です。

    リカシリーズを追いかけている読者にはおわかり頂ける「青美看護専門学校講堂火災事件」で120余名の生徒と教職員が業火に焼かれ焼死した痛ましき事件の前後が舞台(「リハーサル」「リメンバー」参照)です。

    本作はリカの被害者である専門学校時代の同級生、度会日菜子著「祈り・鎮魂の叫び」を軸とし、リカに3Fから落とされ、閉じ込め症候群(意識のある植物状態)となった日菜子を救うために殺害(安楽死)をさせた中原医師の「中原裁判」、裁判を追う週刊誌や、関係者へのインタビュー等々、ノンフィクション作品であるかのように描かれています。

    先日読み終えた折原一氏の「異人たちの館」と同じように多重文体で描かれ、時間軸が行き来した分だけ恐怖のモンスターストーカー・リカが登場するにもかかわらず過去の作品のように寝る間を惜しんでの一気読みとはならなかった(読了まで3日)。

    しかしながら、久々のリカ様登場で、読み終えた後の嫌悪感は半端ないです(褒め言葉)。

    著者である五十嵐貴久氏は後書きの冒頭ではご丁寧に後書きを読む前に、まず小説「リフレイン」をお読み下さい。と記し、後書きの最後に本作でのテーマ曲のような「マヅルカ」を聴きながら読むことを薦めてくれています。

    すなわち、読み終えた後に「マヅルカ」を聴きながら再度「リフレイン」の恐怖を味わえと...

    すぐにYouTubeで聴いてみましたが...いやいや、怖すぎですよ。


    説明
    内容紹介
    悲鳴をも、焼き尽くす! ! !

    最悪の火災事故——唯一の生存者が語る、
    看護学校時代の“雨宮リカ"の素顔とは?

    生徒、教職員あわせて百二十余名の命を奪った「青美看護専門学校火災事件」。
    その惨劇の前触れは、すでに一年前から始まっていた。
    轢死、飛び降り、練炭自殺……学校の内外で続発する生徒たちの非業の死。
    その周囲には、いつも「彼女」の影がちらついていた——。
    阿鼻叫喚の地獄と化した火災の、唯一の生存者が語る看護学校時代の“雨宮リカ" の素顔とは。シリーズ第六弾!
    著者について
    一九六一年東京都生まれ。成蹊大学文学部卒業後、出版社に入社。二〇〇一年「リカ」で第二回ホラーサスペンス大賞を受賞しデビュー。同作はシリーズ化され累計60万部を超える代表作となる。警察小説、時代小説、青春小説、家族小説など幅広い作風で精力的に作品を発表し、その多くが映像化されている。近著に『バイター』(光文社)、『命の砦』(祥伝社)。

  • 結果が分かっているのに...と思って手に取ったが、こちらの予想を覆す設定に首を垂れる。「nurse5 ネックレス」は、特に目を背けたくなった(嘔気)。医療情報も丹念に絡め合わせた満足の一冊。次作は○○さんをターゲットにして欲しい。

  • 120人を超える死者を出した青美看護専門学校講堂火災事件で、ただ一人の生存者である渡会日菜子が語るリカの恐怖。マヅルカもYouTubeで聞いてみた。こんな曲が流れている隣室で、リカに怯えながら生活するって自分なら耐えられない(T_T)
    リカに関わってしまったら、死ぬか、リカウイルスに感染させられるかのどっちかで、もう逃げられない。

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著者プロフィール

1961年東京都生まれ。成蹊大学文学部卒業。『リカ』で第2回ホラーサスペンス大賞を受賞し、翌02年デビュー。以来、警察小説・青春小説・サスペンス・時代小説等、ジャンルにとらわれずに活躍中。

「2023年 『交渉人・遠野麻衣子 爆弾魔』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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