秘め事おたつ四 春よ来い (幻冬舎時代小説文庫 ふ 33-4)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344432819

作品紹介・あらすじ

両国の稲荷長屋で金貸しを営むおたつには、もうひとつの顔があった。それは花岡藩・奥女中の総取締役。跡目争いに巻き込まれ行方知れずとなった側室の息子・吉次朗の安否を探るため、身分を偽り暮らしているのだ。青茶婆として市井にすっかり馴染んでいるおたつの元に、ある日、病床に伏す藩主忠道から使者が訪れるが……。人気シリーズ第四弾。

感想・レビュー・書評

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  • 花岡藩の御家騒動で活躍する多津の人情物語です。

    花岡藩の奥女中を取り締まる重いお役の多津が、5年前に正室真希に我が子吉次郎を害されることを危惧した側室美佐は、吉次郎に家臣をつけて上屋敷から逃がす。多津は、殿様・佐野忠道の命により吉次郎を探すため裏店・稲荷長屋にて、名前を「おたつ」に変えて金貸しを営む。吉次郎は、5年前に押上村の名主の家に女中の萩野と一緒に匿われて居たことが分かるが。不審な侍に襲われたので萩野と吉次郎は、押上を出て行く、その後の消息が分からず。

    花岡藩の殿様の容体も相当悪いことから、おたつが信頼している医師・田中道喜を連れて殿様の見舞いに行くと、留守居役の須川の命で台所方が食事に毒性のある朝鮮朝顔の根を掏って少しずつ入れていることが分かる。須川を尋問しょうとしたら自害したために指示した者が分からなくなった。

    【読後】
    この物語は、おたつ婆さんが金貸しをしながら触れ合う人との関わりを人情味一杯に描いています。楽しく読めました。
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    春よ来い ー 秘め事おたつシリーズ4作目《文庫本》
    2023.03発行。字の大きさは…小(字の大きさは中だが、字が薄いので小)。
    2023.05.13~14読了。★★★★☆
    暮れの雪、春よ来い、の中編2話。
    図書館から借りてくる2023.04.28
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    《秘め事おたつシリーズ一覧》
    04.春よ来い 2023.05.14読了
    03.青葉雨  2021.03.18読了
    02.鬼の鈴  2019.11.16読了
    01.細雨   2019.09.11読了
    「参考」
    ※参考は、私のメモ書きです。本の感想ではありません。
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    「朝鮮朝顔」の毒性は、経口後30分程度で口渇が発現し,体のふらつき、幻覚、妄想、悪寒など覚醒剤と似た症状が現れる。日本へは、江戸時代(1684年)に薬用植物としてもたらされた。
    「朝鮮朝顔の中毒事例」
    ・家の畑から引き抜いた植物の根を使って調理したきんぴらを食べた人(2名)が、約30分後にめまい、沈鬱となり、以後瞳孔拡大・頻脈・幻視等の症状を呈して入院。ゴボウと「チョウセンアサガオの根」を間違えて採取・調理し食べていた。
    ・家庭菜園でチョウセンアサガオを台木としてナスを接ぎ木し、実ったナスを加熱調理し喫食したところ、意識混濁などの中毒症状を発症した。

  • 2023年3月幻冬舎時代小説文庫刊。書き下ろし。シリーズ4作目。暮れの雪、春よ来い、の2つの連作短編。のっけから多津さんの話が始まり、どーなる感でわくわくしたものの、またまたおたつの世話やきで、いつもの展開に戻って行くことに。まぁ多津さんの件は、少しは進展しているので良しとしますか。

  • 2年振りの4作目。お多津の目的の方は、結構見えてきたかな。おたつの人助けはまあさすがの藤原さんです

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著者プロフィール

藤原緋沙子(ふじわらひさこ)
高知県生まれ。立命館大学文学部史学科卒。シナリオライターとして活躍する傍ら、小松左京主催の「創翔塾」で小説を志す。2013年に「隅田川御用帳」シリーズで第2回歴史時代作家クラブ賞シリーズ賞を受賞。本書は土佐の絵師として人々の幸せを願い描き続けた金蔵の生涯を温かい眼差しで活写した渾身の時代小説。著者の作家生活20周年記念作品である。著書に「橋廻り同心・平七郎控」シリーズ(祥伝社文庫)他多数。

「2023年 『絵師金蔵 赤色浄土』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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