- Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344827851
作品紹介・あらすじ
大国レーモスよりエイドレア辺境地に執政官として赴任しているカレル。三十歳前後の見た目に反し、実年齢は百歳を超えるカレルだが、レーモス人が四、五百年は生きる中、病気のため治療を受け続けながら残り少ない余命を淡々と過ごしていた。そんなある日、内陸部の市場で剣闘士として売られていた少年を気まぐれで買い取る。ユーリスと名前を与え、教育や作法を躾けるが、次第に成長し、全身で自分を求めてくる彼に対し徐々に愛情が芽生え…。
感想・レビュー・書評
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こんなに素敵なお話だとは思わなかったです!
未来風の世界観の中目元に入れ墨の施された子供ユーリスを側に置いた執政官のカレル。
約10年の間のお話だけれど、落ち着いた雰囲気で、景色が想像できてとても素敵なお話でした。
カレルが少しずつユーリスに心を許すことになった出来事からドキドキが止まりませんでした。
最後は涙しました。 -
余韻を残す美しい物語でした。
過激な性描写は無いけれど、無くて正解だと思います。
よいラストだと思いますが、50年後くらいには今度はカレル様がユーリスを送ることになるのだと思うと、それはそれでまた切なかったり。 -
萩尾さんのマージナルのキャラ、メイヤード長官オマージュということで読む。
マージナル世界のムードが出ていて面白く読んだ。
カレルに絶対的に従う忠犬ユーリス・・・好み。
とにかく分をわきまえてる。
そういうストイックな忠義と、一途な愛とが同居していて、基本忠義が勝ってる感じが好み。 -
ファンタジーBLが自分の中の大ブームですw
こちらの作品は剣と竜のファンタジー的な要素もありますがSFファンタジーでもありました。
気まぐれで買った子供(のち闘剣士)×400~500年生きる種族だけど病気で余命僅かな孤独な人
二人とも寡黙なので静かな雰囲気で進んでいきます。
年単位で進んでいきますw病気なのでプラトニックなまま終わるのかな?と思いつつ、まぁそれでもいいかな。という雰囲気。病弱キャラは好きですがシリアスだと死ぬ運命がチラチラして切ないという事に気づきました。病弱キャラはコメディチックな作品の方が安心できますね!
ちなみにハッピーエンドだけど私の理解不足のせいで、あと何年生きれるのか微妙にわかりませんでしたw -
悪くはないんだけど、なんか最終的にああなってしまうともうなんでもありじゃんということに・・・。
悲恋にもならず、ハッピーエンドといえばそうなんだけど、ストーリーの流れ的に悲恋でもよかったんじゃないかと思ってしまいます。
市場で売られていた剣闘士ユーリスが執政官カレルに気まぐれで助け(?)られ、教養と住処を与えられ、見返りに何も求められないまま放置され、いつしか彼のために生きたいと腕に磨きをかける。
しかし、自分の生にすでに意味を見いだせないカレル。ユーリスの想いの強さに触れ、愛を知るけれど・・・って話かな。 -
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しっとりと静謐さを感じ、イラストもこの静けさにピッタリな雰囲気で大層好みです。カレルの身に付けている『モノクル』と言うアイテムが、カレルの生い立ちや性格付け、事件からの心境の変化に重要な役割を果たしていて、単なるメガネ萌え以上に高ポイントです。ただ、終盤のカレル再生後が若干物足りないかなあ。それを差し引いても、やっぱり好きなストーリーです。