ユダヤ人とダイヤモンド (幻冬舎新書 も 3-1)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344981201

感想・レビュー・書評

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  • まったく知らないビジネス、知らない世界だったが興味深い内容だった。
    ある一つの観点から世界史の流れを見るという読書体験はおもしろい。世界史が好きだった青春時代を思い出した。
    このテーマ、関連書籍があるなら深めたい。

  • 新書文庫

  • ユダヤ人を語るときに、彼らが受けてきた迫害や離散の歴史を切り離すことはできない。散り散りバラバラ、何処の土地で生きることになっても「ユダヤの教え」たる「知能の高さ」や「技術」で生き延びる・・・・これについては「ユダヤの教え」的な書物がたくさん出ているが、本書は、ダイヤモンドという軽くて(持ち運びやすいという意味で)、希少性の高い鉱物がユダヤ人を救い、時として支えてきたという視点から書かれたものである。しかし、どのような経緯でユダヤ人がダイヤモンド産業に携わるようになったのか…についてはもう少し深い考察があれば尚良かったかと。

    とはいえ、今後日本人・日本国土の身にも降りかかるかもしれない民族移動=離散の観点を絡めた論評はなかなかスリリングであった。

    陰謀説好きな私としては、ひょっとして筆者は何かを知っているのかもしれない…などと思いながら。

    どこかのCM風に言えば「金は有史以来資産価値が下がったことがない」というけれど…金と違ってダイヤモンドは原石のままではあまり価値がなく、カッティング加工を経て宝石の王者へと君臨しているとすると…
    いつしか何らかの事情で、その技術が伝承されなくなった時に、ダイヤモンドはどう評価されるのか、非常に興味があるところだが…

    今はとりあえず日本人が散り散りにならないことだけを祈ろう…。

  • ユダヤ教とキリスト教を軸にした、ユダヤ人とダイヤモンドのお話。

    ダイヤモンドとユダヤ人の関わりは深い。セシル・ローズ、オッペンハイマーと。

    宗教的背景が、多分に左右していたダイヤモンドビジネス。
    デビアス社のやり方も非常に分かりやすく記されている。

    ジュエリー業界に身を置く者として、読んで損はない。とても、分かりやすく今日にでも使える。

    ダイヤモンドの歴史について、ざっと分かりやすく窺える一冊。良書。

  • [ 内容 ]
    ロスチャイルド、オッペンハイマー、バーナト…ダイヤモンドの歴史を語る時つねに見え隠れするユダヤ人たち。
    「ヴェニスの商人」の高利貸しで有名な彼らは、疎まれたこの職業へどう追いやられ、そこからダイヤモンド・ビジネスに参入し覇者となったか。
    そして度重なる迫害の中で、小さな宝石が大きな財産として離散民族をいかに助けたか。
    戦略物資、工業資源でもあるダイヤモンドにまつわる古今の歴史を縦横に説いて、読者を知的興奮に導く稀有な輝きの一冊。

    [ 目次 ]
    第1章 シェイクスピアが歪めたユダヤ人像
    第2章 毒ガス・マスクとダイヤモンド
    第3章 中世、ダイヤモンドは三流の石だった
    第4章 ダイヤモンドのカットの歴史は捏造されていた
    第5章 ディアスポラを支えた一粒のダイヤモンド
    第6章 ユダヤ系金融資本ロスチャイルドの裏切り
    第7章 ダイヤモンド王オッペンハイマーの改宗
    第8章 ナチス・ドイツのダイヤモンド略奪大作戦
    第9章 ユダヤ人とインド人のダイヤモンド戦争
    第10章 ユダヤ人とデビアス社との微妙な関係

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 紛争ダイヤに対する言及がないのが少し期待はずれだった。
    ただ、ユダヤ人とダイヤモンドの歴史についてはそれなりに語られている。
    しかし、なんとなく深みがない…。
    もう少し、歴史背景を詳しく書いてほしかった。

  • ダイヤモンドは高価で軽くて小さいからユダヤディアスポラには適していた。オランダは寛容な精神に満ち溢れていた。しかもダイヤモンドにはギルドがなかったからユダヤ人には適していた。
    組合がアムスのダイヤモンド産業を駄目にしていった。ユダヤ人が経営者でキリスト教徒らが労働者だから。
    ナチスドイツはオランダ、ベルギーの全てのダイヤモンドを奪取して戦費にしたかったそうだ、なんという傲慢で無謀な連中なんだろうか。。

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著者プロフィール

1933年横浜生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。
総合商社・日綿實業(現在、「双日」)に入社、32年間勤務(そのうち4年間はモスクワ駐在)後、中途退職。愛知学院大学、同大学院(通商政策、知的財産権)などで教鞭をとる。
著書は50冊余り。出版総部数は350万-400万部(海外での出版部数が一部不明のため概算)。
なお、『小学校で習ったシリーズ』(サンリオ)はミリオンセラーに。語学以外の分野では、『特許の文明史』(新潮社)、『華麗なる窓際族』(実業之日本社、講談社文庫)、『ユダヤ人とダイヤモンド』(幻冬舎)、『水道 蛇口からの警告』(家の光協会)など。
≪座右の銘≫「隣の席は宝物」 ≪趣味≫海外旅行(取材活動を入れて50か国)
2019年まで名古屋市立大学特任教授、名古屋市立大学22世紀研究所・副所長を務める。

「2021年 『新装版 読めますか? 小学校で習った漢字』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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