- Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344981270
作品紹介・あらすじ
「オープンスカイ」(=空の自由化)の世界的潮流でアジア各国が空港を整備し飛躍するなか、日本は致命的な後れを取った。羽田空港は頭打ちの国内線中心。米航空会社に占められ新規参入枠がない成田空港は、「アジアの玄関口」の座を周辺諸国に奪われて久しい。鳴り物入りでオープンした関西国際空港をはじめ、全国津々浦々99の空港のほとんどが火の車だ。その補填のため毎年5000億円もの税金が垂れ流し。そんな航空行政の呆れた実態を緊急告発。
感想・レビュー・書評
-
空港行政が世界の流れに逆行しているって事を説いてる本。首都圏空港をいかに回せるかが今後の空港界の鍵だろうね。結局何が言いたいのか分からない、典型的なジャーナリスト系の本。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今でこそ我が地元から成田空港へは駅前からバスが発着している。
しかし、私がよく海外へ行ってた頃にはなかった。
なので、上野まで出て京成スカイライナーが成田へ出る手段だった。
スーツケースを転がして、東京メトロの上野駅から京成の駅まで
えっちらおっちら歩いていたっけ。もう成田に行くまでに疲れちゃう。
本書は成田をはじめ、日本の空港が抱える問題に焦点を当てた
ルポルタージュである。
こんな狭い国土に99もの空港があるんだね。知らなかったよ。
そういえば千葉県在住の友人に「千葉には国際空港がある。
埼玉にはないだろう」と自慢された。ふんっ、空港はなくても
埼玉には新幹線が走っておる。なんて妙な張り合いをしたっけ。
さて、日本の空港である。道路のことは少しは勉強したので分かって
いるのだが、空港のことなんてあんまり考えなかた。道路特定財源と
同じように空港整備特別会計なんてのがあるんだね。
民営化以前の高速道路と一緒でプール制のこの財源は、やっぱり
どんぶり勘定。赤字空港の財政を支える為にあるようなもの。
ほとんどの空港が赤字を抱え、路線の撤退も続くなか、廃港にも
出来ないし、貨物に特化した空港にすることも出来ない。
民主党政権時代、国交省だった口先番長・前原が「羽田をハブ
空港にする」なんて言ってなかったっけ。だったら成田はどうす
るんだ?死人まで出して作ったのに…と思ったものな。
自治体の要望や国交省の思惑もあるんだろうが、ぼこぼこと
空港を作ったのはいいけど閑古鳥が鳴いているようじゃ、
そもそもの必要性が疑われる。
ダメダメな話ばかりでなく、成功している地方空港の話や海外
の空港の取り組み、航空会社等へのインタビューも収録され
ており日本の空港を取り巻く問題が分かりやすく書かれている。
99なぁ。離島を除いて、日本にこんなに必要なんだろうか。道路
より無駄じゃないのか。 -
静岡空港の開港延期問題を中心に、日本の航空行政の甘さを綴った一冊。読み物としては非常に読みやすいが、折角問題に斬り込むのなら筆者なりの改善プランというか処方箋も示してくれてこそ有益と言えるのではないだろうか。個人的にはインフラ整備そのものは否定しないけれど、出張にいろいろ行くようになって航空路線が使いにくかったり空港のアクセスが悪いというのはやはりその根源に定見なき我田引鉄的な発想があったんかなぁ、などと思ってしまう。飛行機自体は好きだし今後も使いたいのだが、そのあたりの改善が民間から何かできないかな、とふと思いました
-
こちらは2009年発行とやや古かったため、図書館で借りた本です。題名から見て、単に航空行政を批判しているだけの非建設的なものかと思ってあまり期待はしていなかったのですが、この前に読んだ「空港の大問題がよくわかる」とはやや異なる情報も盛り込まれており、空港問題の細部についても知ることができて、結構おもしろかったです。
それにしても、現在の日本の航空・空港問題は、単に以前の政策が失敗だったからそれを改めればいいといったような単純な問題ではなく、グローバル競争環境という極めて厳しい状況下で、すでに多額の投資を行ってしまった結果をどうプラスとなる方に活かすのか、という非常に複雑で難しい問題であることがよくわかりました。 -
日本の空港について、そして空港がいかにダメなのかと書いた本
典型的な政官癒着モデルとなっている当局・空港・航空会社の関係を書いてある。
2009年5月発刊で、2009年のJAL倒産の暁には多くの新聞記者がこれをネタ元にいかにこの産業がダメかをこき下ろした(爆) -
同じ話の繰り返しが多く、なぜ地方空港が乱立したのかの掘り下げた分析もなく、ちょっといまいちな読後感。まあ、オープンスカイや空整特会など航空政策の問題のアウトラインの理解には役立ちました。
-
2年生のときに、授業でテキストとして使用。改めて読みました(・∀・)
-
赤字を抱える日本の地方空港の現状が分かります。「空港の大問題がよくわかる」に対して国内財政の見地からの分析が主です。
-
週刊誌で仕事をしていただけに、文書のまとめ方は上手い。
タイトルと著しく乖離した内容でもないし、
まさに名実ともに充実している著作だと思う。
関係者への取材もしっかりしていて、
オープンスカイやハブ空港といった言葉の意味もよくわかる。
羽田空港のD滑走路完成間近のいま、
改めて読んでみる価値は大いにあるのではなかろうか。
それにしても、対象的なのはJALとANA。
対応する人物の役職からして違っているし、
発言内容もANAのほうが民間企業らしい。 -
日本の空港の仕組みがわかる良書です。その仕組みとは、話題になった高速道路よりもバカらしく、おカネを効率よく吸い取る仕組みです。(空港特別会計を通じて、儲かっている空港の収益を他の赤字空港の補助に混ぜこむ。)
日本の地方空港の問題点とは、ずばり「作りすぎ」。背後にある地域にどれだけの人口がいて航空路線が必要かが収支を決めると分析します。人口60万人ほどの島根県には出雲空港と石見空港がある。隣接する鳥取県にも米子空港と鳥取空港がある、という塩梅です。
その中で地域と県を上げて利用率を上げることに成功した能登空港や、貨物取扱で気を吐く小松空港の事例が挙げられます。
日本とばし、は空の世界にも広がっています。韓国の仁川空港は日本の28空港と定期便を持っています。つまり、日本の地方からは、仁川に飛び、そこからヨーロッパや中東に乗り継いだほうがはるかに便利になっています。 -
読みやすいです。
勉強になった。ものを知らないなー自分って思う。 -
オープンスカイによりアジア各国が空港整備に力を入れている中、日本だけが遅れを取っているという事実。成田や羽田から海外へ何度も渡航した事があれば経験した覚えのある不便さがどこから来たものなのかがよく分かる。
-
憤る。
-
● 「このような状態では、株式の上場はとてもできないし、そもそも売り上げの割に資本が大きすぎる。売り上げ1000億円に対し、資本が8000億円もあるのですから。仮に上場するとなれば、減資しなければならない。つまり、減資が前提の上場ですから、株の上場益も期待できません。従って、まずは借金の返済原資をどう捻出するか。それが先決です。民営化うんぬんなどはその次の話です」村山敦
-
道路やダム同様、必要性を吟味せずに税金を投入して作り、税金を投入して赤字を補填する行政の愚劣さがよくわかる。
しかも空港の場合は国際競争にもろにさらされるから、その無為無策ぶりと不合理・非能率はごまかしようがなく、完全に日本がアジアで周回遅れに成り下ったのがよくわかる。度し難いね。 -
h21.07.11