中高年ひきこもり (幻冬舎新書)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344985810

感想・レビュー・書評

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  • 内容と不釣り合いかもしれないけれど、読んでいてホッとした。引きこもる自由が完全に認められれば、長期間ひきこもる人は激減する。脅されて働くことはしないけれど、働かなくてよいと言われたときに始めて、人は自分なりの働く意味を自覚する。その通りやと思う。

  • 「語り起こし」というだけあって読みやすい文章でしたね。本人が書いているわけではなく、喋っている言葉をライターさんが編集して?本にしているわけだから…社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    まあ、川崎の事件でまた注目されつつある「ひきこもり」という現象ですが…中高年のひきこもりは大量に居るそうですよ! なんかテレビでもひきこもり特集とか言って、元ひきこもりの人にインタビューとかしているのを観たことがあるような…社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    あとがきでの著者の言葉が一番良かったですね! ひきこもりを予防する、まずはそういった考え方から脱却するべきだと…時と場合によっては引きこもってもいいんだよ、そういう社会の方が著者は引きこもりは激減する、とおっしゃっていましたな。確かにそうかもしれません! 引きこもりを異常者扱いするからこそ、ますます当人は委縮して社会に出てこれなくなるみたいな…そういった悪しきサイクルにハマる側面はあるかもしれないですね!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    というわけで…社会が成熟化したからこそ、モラトリアムの期間が長くなって引きこもりが増える…そんな著者の分析には頷ける僕なのでした…。

    実際に社会に出ている人だって「本当に大人か?」と言えるような人物いらっしゃいますからね。だから、引きこもりの方もそうビビらなくてもいいかと…思いますよね。そんな人でさえ働いているんだ、という感じで軽く流しておけばいいかと存じます。

    さようなら…。

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • 東2法経図・6F開架:B1/11/579/K

  • 「ひきこり」問題をクローズアップした著者の新刊。最初の著書の20年ぶりの新装版らしいが、最初の著書と社会の状況も筆者の立ち位置も変わり、20年前、いや10年前でも、には想像すらしない状況になった。以前は「ひきこもり」は若者の問題であったが、今は8050問題にも指摘されているように中高年の問題であり、また、それは若い時から続いているだけでなく、一旦社会に出てから引きこもっている例も増えている状況が明らかになった。著者はラカンへの言及など少しわかりにくい部分もあったが、ODへの関りなど対話を重視する流れとなり、本書も一般向けとはいえ、誰でもわかりやすい内容となり、著者の内容も一般向けになった印象。具体的な対処法も記載され実践的な好著である。この分野に関わる入門書としても使えると思われた。

  •  ひきこもり第一人者の精神科医が語る中高年ひきこもり。
     
     特に中高年ひきこもりに特化というよりはひきこもりについてその現状や対策や社会的な展望などが書かれている。もはやひきこもりは若者の現象ではないのだ。
     著者のスタンスは社会的ひきこもりというようにひきこもりかどうかの境は外に出ているかどうかではなく人とつながっているかどうか。なので働くということにそれほどこだわらない。家族や本人が外へつながっていく中で就労も見えてくる。このへんはかなり柔軟で、ひきこもりの大半は発達障害や精神障害でないとしながらも、そういった障害の支援を柔軟に活用していく。
     釈然としない部分もあるが、支援にはこういった柔軟な姿勢が大事なのだと思う。

  • もしかしたら自分もその可能性があったかもしれない。現在、40~64歳の中高年でひきこもり状態にある人は61万人いると内閣府調査では言われている。高齢化やひきこもりが長期化することによって中高年ひきこもりは増加し、また専業主婦や家事手伝いといった形での潜在的ひきこもりを含めると100万人を突破している可能性もある。
    https://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/r01gaiyou/s0_2.html

    ひきこもりは不登校や退職といったきっかけで起こることが多く、復学や再就職の難しさが社会復帰への障害となる。うつ病や統合失調症といった精神疾患との併発も指摘されている。また家族にひきこもりがいるといった状況は恥ずべきものとして隠される傾向にあるため、外部に知られずに数年経っているといったケースも多い。

    個人的な経験では、地域に行くと意外と若者が残っている状況が散見される。よくよく話を聞くと、何年間もひきこもっていて地域活動にも参加していないという、地域の中でもアンタッチャブルな存在になっている。秋田県藤里町では若年人口の10%がひきこもりだった調査結果もあり、活性化だ移住だという前にこれら潜在的な課題を解決する必要がある。
    https://wpb.shueisha.co.jp/news/society/2019/10/12/109919/

    中高年ひきこもりはその状態が問題なのではなく、それを支える家族とくに親が高齢で年金に支えられており、介護や死去によって途端にその生活の継続性が詰んでしまう、いわゆる「50-80問題」だ。それまでに対策しようにも、家族ともコミュニケーションが取れていないケースも多いため時間を経るにしたがって深刻化するリスクもある。潜在的な時限爆弾を抱えていると言えるだろう。

    そのため、地域において月3万円とか5万円とか、低収入でも社会参画が実感できるような仕事をつくることは社会福祉上も意味がある。実際に上記の藤里町では、これらひきこもり対策プロジェクトを推進した結果、社会復帰を果たした人々が出てきている。

  • ・引きこもりは反社会的ではなく非社会的
    ・大人になっても両親と同居することが普通な国では引きこもりが多く、子供が家を出ていくことが普通とされる国ではホームレスが多くなる。どちらも社会の枠組みから外れてしまった人
    ・成熟を拒否すること

  • 2022.12.16 図書館

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著者プロフィール

斎藤環(さいとう・たまき) 精神科医。筑波大学医学医療系社会精神保健学・教授。オープンダイアローグ・ネットワーク・ジャパン(ODNJP)共同代表。著書に『社会的ひきこもり』『生き延びるためのラカン』『まんが やってみたくなるオープンダイアローグ』『コロナ・アンビバレンスの憂鬱』ほか多数。

「2023年 『みんなの宗教2世問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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