老人をなめるな (幻冬舎新書 667)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344986688

作品紹介・あらすじ

仕事部屋を借りようとした著者は、86歳という年齢を言うと立て続けに断られ、啞然としたという。日本の高齢者は、収入があっても部屋すら借りられないのか、と。最近では終末期の医療費を減らすために、「高齢者の延命治療は必要ない」という議論もある。だが著者は、高齢者本人の意思を無視して一緒くたにし、命を軽視することに異議を唱え、さらに「少子化でこれから否応なく年寄りが社会の担い手になるのに、年寄りが生きにくい世の中にしてどうする!」と喝破。高齢化ニッポンが抱える難題の打開策を提言する。

感想・レビュー・書評

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  • 仕事部屋を借りようとして不動産屋から年齢を尋ねられ「86歳」と告げると、立て続けに断られ啞然とした著者が、高齢化社会ニッポンが抱える難問に対して、毅然とした打開策を提言した、老人に奮起を促す活力指南書。 「こうして高齢者は排除される」「デイサ-ビスは介護する家族の息抜きが目的」「老人が皆、集団行動を好むわけではない」・・・〝私は全員で何かを一緒に、しかも強制的にやらされることに馴染めない...皆で歌を歌ったり工作したり、体操したり...個人の我儘と言われても、私は一人で過ごしたい〟身に染みて頷ける。

  • なかなかよかったです。
    紅白歌合戦のことを、あまりよく言ってなかったけど、それは置いといて…
    私はNHKのドラマは大好きなので、ドラマで1番観るのはNHKです。BSなどもよくよく探してみたら、結構皆さんの好みに合うドラマをやっていると思うので、ドラマに関してはNHK肯定派です。
    あと、歳をとるとお金は大事よ、という切実な言葉がとてもみに沁みました。ありがとうございます。気づかせてくれて。

  • 第一章 なぜ高齢者になって住みづらくなったのか
    第二章 体が不自由な時は頭を使う
    第三章 「年寄り」にならない人はいない
    第四章 年を取るほど、お金は重要
    第五章 高齢者よ、街に出よ!

    第2章P80意向の内容が心に残った。
      子どもが親の介護をするのは当然ではない。
    この固定観念は親のわがまま。子供が親元を離れている場合、その子が介護をするとき、離れていた先の生活を捨てさせることになる。しかし、いざ介護される側になると、子どもに頼ってしまう。心細くなるし、判断力も鈍ってくる。配偶者に先立たれると余計寂しくなり子供を呼びたくなる。元気な時は子に頼りたくないと言っていたけど、いざ元気でなくなると・・・。
     著者は、以下のように書いていた
    それは決して格好いいものではない。若いころから孤独に慣れよ
     この孤独、家族がいるのが当たり前の生活の中でどうはぐくむのだろうか?最終章の、街に出よ!につながるのかもしれない。
     親は子から与えられた喜びを思い出せ。
     固定概念の根底には、「育ててやったのだから」という考えがあるらしい。育ててもらった恩を介護で返せ。これはおかしいと指摘している。育てる中で多くの喜びを得たはず。与える途中で多くの喜びをaji合わせてもらったではないか、とされていた。
    子どもは親のもの、一生責任を持つという考えは、子離れできず、子どもの自立を妨げる。
    子どもは自分を知っている。家族外の介護者は自分の好みを知らず説明するのがめんどい。と思っているかもしれないが、子どもと離れて生活している場合は、好みの変化を子が知ることはない。親は自分の好みを知らない、なんて親不孝な奴。子は今までの努力は何だったの?(ちょこちょこ顔を見せていたのに)と疑問に思う。こんなに不幸なことはない。

    第3章P131以降
    最高の人生を送る秘訣は、自分の中から湧き出る気持ちにしたがって行動すること。

  • 高齢者の視点から物申す姿勢に、冒頭部分はなるほどと思えた。
    だんだんと主観の強さが全面に出ていると感じてしまう。

    ひとくくりにされないために、やりたいことを主張するのが大事だと力説しているが、自身がある程度、心身健康を損ねていない状態なのが前提かも。

    主義主張をきちんと言えることは、確かに良いことだと思えるものの、誰もがはっきり言えるかは疑問。
    嫌味っぽく聞こえてしまうのですが・・・。
    80%ほどは正しいことは言っておれらるものの、そうたやすく改善できる世間でもないとも思う。 

  • タイトルはおもしろそうだったが、内容は老人が生きやすい社会にしろという個人主観的な主張だった。

  • 老人が老害と呼ばれたり、年金をもらうだけもらって社会のカネを食いつぶしているような厄介者扱いされたり。

    どの世代も生きるのが大変だと思うが、
    今の高齢者へのあまりよくない心証がどんどん加速していくと、自分が老いたときにはどうなってしまっているのだろうという心細さがある。

    今の若者は・・・とひとくくりで言いたくないが、各世代が分断していると感じる事が多くなってきた。このままいけば、若者は益々年配者に対して不公平感と不満を募らせ、高齢者は社会のお荷物扱いが加速していくのではないかと危機感を覚える。

    筆者の主張は偏重している部分もあるように思えるが、なるほど、と気付きを与えてもらうトピックも多く、参考になった。

  • 「子ども叱るな来た道だ、年寄り笑うな行く道だ」ということで筆者の主張には概ね賛同するが、しかし中盤から後半にかけてはどうにも筆が迷走気味で読後感はイマイチ。

  • 相変わらずの下重暁子節。

  • 年齢差別は確かに納得いかない。人はその能力に応じて周りから評価されるべき。
    それはもちろんわかるけど、多岐に渡るテーマから言いたいことを時に出羽守をしながら、私に言わせれば〜と理論展開。

    世間に遠慮して慎ましく生きるべきだ、なんてことをいう気はないけど、この本自体「老人」というご自身を利用しての言いたい放題。

  • 東2法経図・6F開架:B1/11/667/K

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著者プロフィール

1959年、早稲田大学教育学部国語国文科卒業。同年NHKに入局。アナウンサーとして活躍後フリーとなり、民放キャスターを経て文筆活動に入る。公益財団法人JKA(旧・日本自転車振興会)会長、日本ペンクラブ副会長などを歴任。日本旅行作家協会会長。
主な著書にベストセラー『家族という病』『極上の孤独』『年齢は捨てなさい』『明日死んでもいいための44のレッスン』(以上、幻冬舎新書)、『鋼の女――最後のご女・小林ハル』(集英社文庫)、『持たない暮らし』(KADOKAWA)、『夫婦という他人』(講談社+α新書)、『老いも死も、初めてだから面白い』(祥伝社新書)、『自分に正直に生きる』『この一句 108人の俳人たち』(以上、だいわ文庫)他多数。


「2023年 『年をかさねるほど自由に楽しくなった』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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