思考・論理・分析―「正しく考え、正しく分かること」の理論と実践
- 産能大出版部 (2004年7月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
- / ISBN・EAN: 9784382055414
作品紹介・あらすじ
本書は論理的思考という大テーマに真正面から取り組み、「思考」の原論、方法論としての「論理」、そして「分析」のテクニックという三部構成によって、体系的構造的でありながらかつ平易で実践的な解説を行っている。
感想・レビュー・書評
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波頭亮さんの著書。東大→マッキンゼー→コンサル会社立ち上げという経歴。同じ大学だからわかる、圧倒的な地頭を持っているタイプの東大生だったんだろう。
普段の思考がどれだけいい加減なものになっていたか、そしてなぜそれがいい加減だったのかというところを突き止めることができる一冊である。何周か読み直しながら、考える習慣を定着させていきたい。
そしてもう一つ。この本のすごいところは、書き方自体が本文の内容に合致していることだと思う。というのも、イシュー設定(思考論理分析)→サブイシュー分解(思考についての諸々、論理についての諸々、分析についての諸々)→さらに分解というのを、MECEを満たしながら行っているのだ。
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全体を通して、論理的に思考や分析をしようとした際に自然と実践されるプロセスを長々と説明しているといった印象。
ベースになっているのは論理学などの分析哲学だが、そのあたりの解説がないためかえってわかりにくい。
最後のイシューアナリシスについての解説は個人的に参考になったが、それ以外はどれも当たり前のことで、目新しい内容や視点はほとんどなかった。 -
入門書とのことでしたが、難しかった。
ただ、最近のフレームワーク云々というよりは、言葉で語るを自でいく教科書のような作品だと思います。
作品の時代からイシュー、アウトプットの単語も出てきたし、読んでみた方が良いと判断します。
内容(「BOOK」データベースより)
本書は論理的思考という大テーマに真正面から取り組み、「思考」の原論、方法論としての「論理」、そして「分析」のテクニックという三部構成によって、体系的構造的でありながらかつ平易で実践的な解説を行っている。
内容(「MARC」データベースより)
論理的思考という大テーマに真正面から取り組み、「思考」の原論、方法論としての「論理」、そして「分析」のテクニックという3部構成で、体系的構造的かつ平易で実践的に解説する。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
波頭/亮
1957年生まれ。東京大学経済学部(マクロ経済理論および経営戦略論専攻)を卒業後、マッキンゼー&カンパニー入社。1988年に独立、戦略系コンサルティング会社(株)XEEDを設立。幅広い分野の第一線で経営コンサルタントとして活躍し続ける一方、斬新で明快なビジョンを提起するソシオエコノミストとしても注目されている。社会資本整備審議会委員、政策科学研究所委員、ぴあ総合研究所所長も務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) -
【星:4.5】
テーマは「論理的思考」という今日的に手垢のついたものである。ただ、ここまで「論理的思考」について深く洞察し説明している本は初めてであり、今後出てくることもないだろう。
この本では「論理的思考」を「思考」と「論理的」の2つに分解してそれぞれを細かく説明し、その上で論理的思考を使っての「分析」技術を説明している。これがタイトルの意味である。
まず「論理的思考」の説明は秀逸としかいいようがない。まさに目から鱗である。
ただ、続く「分析」の説明内容は極めて凡庸である。凡庸であることは構わないと思うのだが、先経つ「論理的思考」の説明との内容的繋がりが今1歩見えにくかった。
したがって「論理的思考」「分析」という別の2テーマについて読んでいるように感じ、そこがやや残念だった。
それでも「論理的思考」部分の説明が素晴らしいので全体としては高評価である。 -
元マッキンゼーのコンサルタントである著者による、論理的思考に関する解説書。
「論理的思考」という技術を「思考」「論理」「分析」という3つの要素に分解し、それぞれを説明していくという構成になっている。内容は抽象度が高く読み進めるには集中力が必要だったが、説明は非常にロジカルで納得性が高かった。
読後、論理的思考に対する解像度が上がったと感じる。本著の内容を実践し、論理的思考というスキルを身につけていきたいと思う。
この手のロジカルシンキングに関する著書の中では最も分かりやすく有意義な内容だと評価する。 -
科学哲学的な意味での「正しさ」ではなく、ビジネス実務の観点でどう思考を進めたら良いのかを具体的に示した好著。戦略コンサルの思考プロセスを辿るのにもちょうど良い。
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論理的思考に関する基本が無駄なく書かれている。
内容だけではなく、文章も理路整然としていて読みやすかった。
「論理的思考」が思考と論理の項目に分けられており、より根本的に理解できるようになっている点も良かった。 -
思考論理分析
思考と論理は別。
思考とは思考対象に関して何らかの意味合いを得るために情報を加工すること。
分かる判る解るのステップ
ものごとが分かるということは、情報要素が同じ、違う に分け尽くされた状態。
正しく分かるには正しく分けること。
ディメンジョン、クライテリア、MECE
時間帯序列と意味的連動性
直接的連動関係、第3ファクター、因果関係
思考は知識差、性格差
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論理は2つ以上の命題がいる。
読み手聞き手の知識に照らし合わせて納得できるか。
論理的であること
-納得性
-型式性
型式観点と、日常用法観点では内容がかなり異なる
確からしさ、距離の観点で推論を行う
距離が離れすぎると納得性が損なわれる。
演繹法は三段論法、純粋論理的。
帰納法はまとめる。一般命題化する
サンプリングして、事象を抽出。
適切なサンプリングが大切。
帰納法→演繹の大前提へ。
ただしさは客観的楽しさ、論理的楽しさ
論理的妥当性は、客観的正しいの必要条件。
命題がファクトで、命題構造がロジカル、ロジック自体が妥当
現実に正しい事だけが正しい!
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分析、分けてわかるための実践作業
要素に分ける作業を通して、目的に合致した意味合いを得ること。
具体的アウトプットのイメージ
収集すべき情報、処理の仕方、担当者とコスト按分の3つを埋めるだけで結果は大きく改善する。
収集と分析を50:50
情報は不確実性を減らすもの。
それ以外はノイズ。 ノイズを集めない。
意味に規則性と変化がある。
規則性、傾向と相関
イシューツリー
フレームワークは分析者の不特定性、分析の再現性
イシューのサブイシューを作る。
全てYesになるまでイシューツリーを作成し直す。
心理的バイアス、プラナリアの実験
確信できるまでwhy so繰り返す。 -
●思考:「対象に関して意味合い(メッセージ)を得るため、頭の中で知識と情報を加工すること」
対象から得る情報を、自らの知識と照らし合わせ、同じ部分/違う部分を認識する作業を重ねて整理してゆく。分かることは究極的には分けることと言える。
分けるためには「ディメンションの統一」「クライテリア(切り口)の設定」「MRCE」の3条件がある。意思決定(買い物等)のためには、厳密なMRCEでなくMECEらしさ(その要素で大部分を占める・意思決定に重要な要素ほぼ全てである・要素が独立している)で十分である。
分けたものは、独立と相関に分かれ、相関はさらに単純相関と因果に分かれる。因果は「時間的序列」と「意味的連動性(無限にある要素群から経験をもとにスクリーニングして関係を見つけ出すもの)」があることが条件である。場合によっては鶏と卵のような相互因果であることにも注意。
また意思決定については、人により知識や興味(重要視する要素や、収集する情報)が異なったり偏りがあるため、導かれる結論が異なることがある。
●論理:「根拠に基づいて何らかの主張(結論)が成立していること」
論理構造が正しい(論理的に正しい:valid)が、真(客観的に正しい:truth)でない場合があるため注意。例えば「テングタケは毒キノコである」「毒キノコは食べられない」→「テングタケは食べられない」は、論理的に正しいが真ではない。これは演繹法における大前提が真でないためである。
また結論の意味の大きさは、根拠と結論の「距離」と「確からしさ」により判断されるが、この2つは反比例ような関係になっている。
●分析:「情報を要素に分けることを通して、目的にあったメッセージを得ること」 -
まあまあ面白かった(小学生並の感想)