人と思想 36 ヤスパース

著者 :
  • 清水書院
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784389420369

作品紹介・あらすじ

『一般精神病理学』で有名になった医学徒ヤスパースは,ついで人間存在の心理学的研究から漸次哲学へ移行し,代表作『哲学』(三部作)を著して,一躍大哲学者のひとりを数えられるようになった。彼の哲学は,ニーチェ,キルケゴールの系統を踏む実存主義をもって呼ばれ,ハイデッガー,サルトルらとともに現代における実存主義の代表的哲学者であり,また文明批評家でもあった。

感想・レビュー・書評

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  •  前半は時代背景・生い立ちに絡めて、ヤスパースの思想の展開が書かれていてとても面白かったけど、後半の思想自体の説明の部分は僕の知識不足であまり参考にはならなかったかも…
     
     精神科医として『精神病理学総論』を書いた時には、あらゆる見地が事実解明のための道具であり、それらを相対化、組織化することで現象を理解するという立場をとっていたらしい。つまりゴールを根源的なものとして、ゴールに至る様々な過程を整理したって感じなのかな。
     それに対してのちの哲学者としての著書においては、科学では超えることのできないものを超えるための学問=哲学と見ていたから、実存への目覚めの具体例を書いているって感じっぽい。「私はこうして実存に目覚めました」みたいな。時々出てくる怪しいサプリメントの広告みたいって思っちゃいました。これは言い過ぎですね。

    思想に関しては
    限界状況に直面→自己の有限性を認識→超越者との出会いor他者との実存的な
    交わり(愛の闘争)→理性的思考で実存を解明(理性の働きを重視している点が他の実存思想と異なる)→実存(自分が他人と代置不可能な存在であることを真に自覚した人間の在り方)に目覚める
    っていう薄っぺらい元々の知識をあまり膨らませられませんでした。
     あと形而上的罰っていう考えはすごい嫌だ!

  • 図書館で借りた本。
    ヤスパースは、前から気になっていた。
    実存哲学。
    法学から医学に、そして哲学に。分野を横断してきた。
    だから、哲学界からは異端扱いされている?
    高校の時に、キルケゴールに魅かれたけど、そのままになっていた。その時のことを思い出した。
    マックス・ウェーバーのことも。

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著者プロフィール

1931年生まれ。東京大学大学院博士課程退学。北海道大学教授を経て、現在、北海道大学名誉教授。
著書:『人間の間と倫理』以文社1980年、『カントと神』(第12回和辻哲郎文化賞受賞)岩波書店1998年、『カントの啓蒙精神』岩波書店2006年、他多数。
訳書:『永遠平和のために』岩波文庫1985年、『判断力批判』上下巻、以文社1994年、『道徳形而上学の基礎づけ』以文社1998年、『純粋理性批判』上下巻、以文社2004年など。

「2007年 『道徳形而上学の基礎づけ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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