試合: ボクシング小説集 (現代教養文庫 1168 ジャック・ロンドン・セレクション)
- 社会思想社 (1987年7月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
- / ISBN・EAN: 9784390111683
感想・レビュー・書評
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20世紀初頭のアメリカを舞台にしたボクシング小説集
作者のジャック・ロンドンがパンツ一丁でワキの甘いポーズを決めている
「試合」
おれ、この試合が終わったら結婚するんだ…という例のアレです
ボクシング禁止令の出てた当時の様子が活写されている
「ひと切れのビフテキ」
若きチャンピオン候補と、セコさが武器のロートル、明日なき戦いである
傑作
「メキシコ人」
革命組織の運営資金をボクシングで稼ぐメキシコ難民
だが彼はボクシングを軽蔑していた
「奈落の獣」
天才サラブレッドが八百長だらけの賭けボクシングを告発する
それはあるいは、ヒーローとマスコミの結託により
一つの政治的主張が誕生した瞬間であったかもしれない
公正さが、古い秩序を破壊する理由として、拡大解釈されるという詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ムック本「Monkey」で知ったジャック・ロンドン。
その語り口は武骨で噛めば噛むほど味が出る。
ジャック・ロンドンと言えば「犬の物語」という
イメージが強く、そのテーマが何かと言えば、
「生きる」であり、彼が描く「犬の物語」からは
文字の節々からどくどくと脈を
打っているのが聞こえそうな「野生」が感じられた。
このボクシング小説集も人間が主人公ということで
野性味はないがより世俗的によった中でも
ジャック・ロンドン節が感じられて楽しんで読めた。
男と女。若者。オールド。純朴さ。
拳一つ裸で戦うボクシングというベースにのって、
「生きていく」ということが生々しく感じられた。
ボクシング。見直してみようかな?と思わされる。
米のヘビー級のリングとか。