- Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
- / ISBN・EAN: 9784393135051
感想・レビュー・書評
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一見、流派がバラバラでよくわからなかった仏教の通史と成り立ちがわかる良い本。
浄土教も禅も、中国文化のなかで進化して生まれたことに驚いた。吉川英治の親鸞とかを読んでいると、日本で発明されたのかと思っていたが、どうやら歴史ば違うようだ。
そして、日本における仏教が、宗派として独立していく様子が面白い。
政治権力と共に結びついた宗派が隆盛し、その後権力の変転と共に異なる宗派へとかわる。そして、体制に寄り添った宗派はやがて腐敗し、真に信仰に生きる人が現れて、その人の言行をもとに周りの人が新たな宗派を作っていくという様子がみえる。
なぜ、すべての宗派が日本では生き残れているのかは、また面白いところだが、神仏習合してしまう大らかさがあるものの、厚い信仰心のある日本ならではの現象かも知れない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
インド哲学の先生の本。仏教史のあらましと仏教の教えをとてもわかりやすい言葉で書いてある本。
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お釈迦様から始まる仏教3千年の歴史を、易しい言葉で1冊にまとめた本です。
めくるめく東洋思想の繚乱も、こうして一つの軸でつまんでいくと、ちゃんと1本の樹のように見えるんですねぇ。
ところで、私はさらにこの本を3行にまとめちゃいます(笑)。
・お釈迦様入滅後、100年を経ずして金儲けや権力闘争に走る仏弟子たち。
・その後、お釈迦様は言及しなかった「あの世」を始め、壮大な宇宙観(妄想)が構築された。
・中国を経て日本に伝わり、国の都合や庶民感覚にねじ曲げられつつ葬式仏教となり果てる。
これらが、3千年を通してくりひろげられた、と。ああ無常。
しかしこうして見ると、仏教も相当に人間くさい営みなんですよ。
勉強になりました。
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「あの世」についてはもう一言。
お釈迦様…ゴータマ・ブッダは、死後の世界のこと等、不可知なことは水掛け論になるだけだからとして、問われても答えなかったそうな。
阿弥陀如来とか弥勒菩薩とか、56億7千万年後の救済とか途方もないことを考えたのは、みな後世の仏弟子たち。ということでした。 -
rlb 仏教
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本当に分かりやすい。中学生でもわかる。いい本たくさんあるのに知らないだけなんだよね。
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-こちらも読むのを楽しみにしていた本。日本人的な発想や思想は、日本仏教に関係していると感じてきたので、読みたかった。
-思想の解説以上に、思想史であり派生の段階や思想同士の派閥争いなどもあって、何と何が対立概念であるかなどがつかめる。
-輪廻転生なんか嘘っぱちだとか、いろいろ言っていても自分の心の奥底にある価値観が歴史的にどういうふうに生成されていったのかを追っていくに非常に良い。
-自らの発想や価値観が仏教のどこから来ているのか、ということにもつながる。
[参考:坊主めくり
http://bouzumekuri.jugem.cc/] -
わかりやすい!